ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.09 7月21日 アメリカ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第9戦USGP
■開催日:2013年7月19日(金)初日総合結果
■開催地:カリフォルニア州/ラグナセカスピードウエイ(3.610km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:20度 ■路面温度:47度
REPORT
初日、ヤマハ・ファクトリー・レーシングのロッシ4位、ロレンソ6位
ラグナ・セカでのフリープラクティス初日。午前中はコースに霞がかかり涼しいなかでセッションが行われたが、午後になると明るい太陽がこれを追い払い、気温上昇とともに各ライダーのペースも上がってきた。
ヤマハ・ファクトリー・レーシングのV・ロッシは第1セッションから絶好調。スタート早々からペースをつかんで順調にタイムを上げ、最終的にはトップから0.091秒差の2位を獲得。午後からの第2セッションでは、おもにタイヤの耐久性とグリップ性向上を追求するために作業に集中。様々なセッティング変更を試しながら、午前中のタイムをさらにコンマ5秒更新して4位でセッションを終えた。トップとの差は0.306秒。
チームメイトのJ・ロレンソは、アッセンで骨折し、次のザクセンリンクでまたも同じ場所にダメージを受けて、先週、再手術をしたばかり。医師との面談の結果、出場を決断して初日の走行に臨んだ。その第1セッションは、怪我の様子を見ながら慎重な走りを心がけて11位。第2セッションになると少しずつペースを上げていき、トップから0.427秒差まで迫る6位を獲得した。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローは、第1セッションで1分22秒757のトップタイムをマーク。第2セッションでさらに0.3秒更新し、総合5位で初日の走行を終えた。3位との差は0.2秒以下。明日の公式予選では今季5回目となるフロントロウ獲得を目指す。
チームメイトのB・スミスは、短いが非常に難しいコースとされるラグナ・セカを初走行。YZR-M1のセッティングにも取り組みながら、少しずつペースを上げて第1セッションで9位。第2セッションでは、さらに1.5秒も短縮する1分22秒767を記録して総合10位につけた。トップとの差は第2セッションで半減。また2位との差はわずか0.5秒だった。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'22.040 |
2 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'22.269 |
3 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'22.284 |
4 | V・ロッシ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'22.346 |
5 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'22.457 |
6 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'22.467 |
7 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 1'22.531 |
8 | A・バウティスタ | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 1'22.539 |
9 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'22.733 |
10 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'22.767 |
11 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'23.129 |
12 | H・バルベラ | Avintia Blusens | FTR | 1'23.158 |
13 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 1'23.437 |
14 | A・デ・アンジェリス | Ignite Pramac Racing Team | Ducati | 1'23.973 |
15 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 1'24.047 |
16 | C・コルティ | NGM Mobile Forward Racing | FTR Kawasaki | 1'24.180 |
17 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | FTR Kawasaki | 1'24.410 |
18 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | ART | 1'24.421 |
19 | 青山博一 | Avintia Blusens | FTR | 1'24.473 |
20 | Y・エルナンデス | Paul Bird Motorsport | ART | 1'24.555 |
21 | M・ラバティ | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'24.727 |
22 | B・スターリング | GO&FUN Honda Gresini | FTR-Honda | 1'25.345 |
23 | B・ヤング | Attack Performance Racing | APR | 1'25.764 |
24 | L・ペセック | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 1'27.173 |
COMMENT
V・ロッシ選手談(初日フリー走行総合4番手/1分22.秒346/28周)
「今日の走行は悪くなかったよ。両セッションとも上位に近いところにつけることができたので満足している。ラグナ・セカは、適切なセッティングを見つけるのがとても難しいコース。体力的にもかなり厳しいコースなので、決勝は長くて苦しい戦いになるだろう。マシンのほうはとても良い状態で信頼している。でも、さらにバランス、ブレーキング性能、加速性能などを改良していきたいね。そして明日は、もっと速く、もっと良いリズムで走れるよう頑張るよ」
J・ロレンソ選手談(初日フリー走行総合6番手/1'分22秒467/30周)
「午後のセッションになって、ようやく調子が戻ってきた。初めてここを走ったときみたいに、とても慎重に、少しずつリスクを減らしていきながらコースの限界を把握していったんだ。そして周回ごとにペースは上がっていったけれど、痛みを忘れることはできなかった。午前中と比べれば少しは良くなっているとは言え、7ラップもするとブレーキングが難しくなってしまう。それでも今日は痛み止めを打たずに臨んだので、明日以降、もしも痛み止めを使うことになれば、その分の効果が得られるだろう。マシンの調子は上々。痛みのせいで思うようにいかなかったブレーキングで、わずかに遅れただけだ。今の僕のコンディションを考えれば、今日は上出来だったと思う」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「結果に非常に満足している。怪我を抱えているライダーにとっては、ここはかなり厳しいコース。そこで落ち着いて走り切り、6位まで上げてきたのだから上出来と言っていいだろう。明日も順調さをキープし、さらにセッティングを煮詰めてペースをつかみたい。当然、決勝は非常にタフな戦いになるだろう」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「2回目の手術を終えたばかりで、ホルヘはアッセンのとき以上に厳しい状態だ。今日は痛み止めも使わず、無理をせずに様子を見ながら走ることを自ら選択したようだが、この判断はとても良かったと思う。バレンティーノのほうは、いくつかのセッティングを試しながら、ザクセンリンクで経験したタイヤのグリップや耐久性の問題に取り組んだ。全体的なペースは悪くなかったが、明日までにもう少しスピードを上げ、予選でのパフォーマンス向上を目指したい」
C・クラッチロー選手談(初日フリー走行総合5番手/1分22秒457/23周)
「第1セッションはコンディションがあまり良くなかったので、午後になればもっとタイムが上がってくることはわかっていた。それでもトップを獲得できてうれしかったんだ。第2セッションではもっと上げていきたかったが、第1セクションと第3セクションで思うような走りができず苦労した。第2と第4は僕が最速なので、弱いところを改善できればもっとトップとの差を縮めることができるんだけれど…。課題はコーナー進入のブレーキング。第2コーナーと第4コーナーは自信を持って攻めていけるのに、他のところではグリップが足りない感じ。でも、どこを改善していけばいいかがわかっているので、あとはモンスター・ヤマハ・テック3のメカニックたちに任せるだけ。明日の予選では、今回もまたフロントロウを目指していけると確信しているよ。今日はマルクがとても素晴らしかった。明日はもっと近づきたい」
B・スミス選手談(初日フリー走行総合10番手/1分22秒767/24周)
「ラグナ・セカの初走行はとてもエキサイティング!手ごたえは十分で、とくに午後になってコンディションが良くなってからは、かなりいい走りができたと思う。フロントもリアもいろいろなセッティングを試し、明日に備えて正しい方向性を見つけることができた。0.7秒の差は、今後の成長のための途中段階。コースがとても短いことを考えれば、通常の1〜1.2秒差くらいに相当することになるだろうが、初日のチャレンジとしては悪くない。このコースはとても気に入ったよ。‘コークスクリュー’も‘レイニー・コーナー’もいい。でも右側はかなりトリッキーだからは十分に注意しないとね。とくに第3コーナーと第4コーナーは難しい場所なので、今はまだ自信満々というわけにはいかないけれど、これから少しずつ前進していきたい。総合的に見れば、良いスタートができたと思うので、明日以降もこの調子を維持したい」