ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.06 6月16日 カタルニア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第6戦カタルニアGP
■開催日:2013年6月15日(土)予選結果
■開催地:スペイン/カタルニア(4.727km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:30度 ■路面温度:52度
■PP:D・ペドロサ(1分40秒893/ホンダ)
REPORT
ロレンソがフロントロウを獲得!クラッチローが2番手
ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソが予選3位を獲得。シーズン開幕以来、全戦でフロントロウを獲得している唯一のライダーとなった。予選セッションのスタート早々にクラッチに不具合が発生し、ピットインを余儀なくされたロレンソ。再スタート後、わずかな残り時間のなかでタイムアタックを行い、7ラップ目に1分41秒566のベストタイムをたたき出した。午前中に行われた最終のフリープラクティスでは第5コーナーで転倒したが、幸い怪我はなかった。気温は昨日よりもさらに上がり、路面温度は57度に達していた。
一方、1日目にトップタイムを記録しているV・ロッシは、午前中のフリープラクティスでトップから0.1567秒差の4位。これで決勝用セッティングを十分に整えたあと、予選ではフロントにハード・コンパウンド、リアにソフト・コンパウンドのタイヤを履いてタイムアタックを行い、1分41秒959を記録して7位となった。ロレンソとの差はコンマ3秒強。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローが最終ラップで1分41秒501を記録し、ロレンソのタイムを上回ってヤマハ勢最高の2位。フロントロウ獲得は自己通算9回目となった。気温30度を超える暑さのなか、クラッチローは氷のような冷静さでタイムアタックに臨み、スタート後すぐに3位まで浮上していた。
一方、チームメイトのB・スミスは昨日の転倒の影響も見せず、QP1で1分42秒607を記録してQP2に進出。路面温度が50度を超える厳しい暑さはマシンとライダー両方の力を試すこととなったが、スミスはそのなかで1分42秒548まで伸ばし、11位でセッションを終了した。明日の決勝では10位以内を狙う。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'40.893 |
2 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'41.501 |
3 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'41.566 |
4 | A・バウティスタ | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 1'41.714 |
5 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'41.800 |
6 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'41.842 |
7 | V・ロッシ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'41.959 |
8 | A・イアンノーネ | Energy T.I. Pramac Racing Team | Ducati | 1'41.963 |
9 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'42.053 |
10 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'42.090 |
11 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'42.548 |
12 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 1'42.878 |
13 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 1'43.186 |
14 | M・ピロ | Ducati Test Team | Ducati | 1'43.330 |
15 | H・バルベラ | Avintia Blusens | FTR | 1'43.659 |
16 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | FTR Kawasaki | 1'43.983 |
17 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | ART | 1'44.362 |
18 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 1'44.369 |
19 | C・コルティ | NGM Mobile Forward Racing | FTR Kawasaki | 1'44.603 |
20 | M・ラバティ | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'44.630 |
21 | Y・エルナンデス | Paul Bird Motorsport | ART | 1'44.913 |
22 | B・スターリング | GO&FUN Honda Gresini | FTR-Honda | 1'45.441 |
23 | L・ペセック | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 1'46.302 |
24 | J・デルアモール | Avintia Blusens | FTR | 1'48.952 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(予選3位/1分41秒566/7周)
「大事なところでクラッチに不具合が出てしまい、とても残念。フロントのフィーリングも十分ではなかったのでパーフェクト・ラップが走れず、今日はここまでで精一杯という感じだった。でも決勝では、最後までコンスタントに走り切ることで優勝を目指したい。スタートからチェッカーまで力強く、集中力をキープし続けなければならない。そうすれば20ラップ目に良い結果が出ているはず」
V・ロッシ選手談(予選7位/1分41秒959/8周)
「調子は悪くなかったし、いつも通りに頑張ったけれども順位を上げることはできなかった。できることはすべてやったつもりだけど、マシンのフィーリングを改善することができなかったんだ。明日は、タイヤチョイスやみんなのリズムによって、かなりおもしろいレースになるだろう。上位の4、5台が非常に速く安定しているので、僕としては好スタートを決めて最初の数ラップで遅れないようについていき、そのあとは様子を見て勝負をかけたい」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「マシンに不具合が出てしまったが、最終的にはフロントロウを獲得することができた。スタート直後にクラッチが空回りするようになり、1本目のタイヤで時間を無駄にしてしまったのは非常に残念。それでも1分41秒7あたりが出ていたが、同じバイクで再スタートしたあとは1分41秒5まで更新してフロントロウを獲得することができた。状況を考えれば、今日はあれで精一杯。ダニの40秒8にはとても届かなかった。明日までにクラッチの不具合の原因をつきとめ、セッティングをさらに煮詰めて決勝に備える」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「フリープラクティスでのペースには十分に満足していたのだが、予選は期待通りには運ばなかった。ライバルたちは、とくにこの暑さのなかでとても速くなっていた。明日も同様のコンディションが予想されるので、何とかこの差を縮めて、できる限り良い状態で臨めるよう、マシンの改良を目指して仕事に取り組んでいく。決勝は予選と別物。使用タイヤはもう決まっており、あとはそれをできるだけ長くもたせるための方法を考えるだけ。厳しく、難しいレースになるだろう。しかし覚悟はできている」
C・クラッチロー選手談(予選2位/1分41秒510/8周)
「今日は良い仕事ができたと思う。またフロントロウに戻ってくることができて、とてもうれしいよ。カタール以来、本当に久しぶりのことで、もう2度と、グリッド4位には並びたくない。今日はコンディションが難しく、とくに路面温度の高さは驚くほど。このままいけば明日の決勝もかなり激しいビッグ・バトルになるだろう。とにかく好スタートを決めてダニやホルヘについて行きたい。彼らの強さは圧倒的だから。ホルヘはいくつか問題も抱えていたようだけど、それがなかったとしたらさらに1秒くらい離されてしまうだろう。そうだとしても、僕が今日、フロントロウを獲得したことは間違いない事実。そしてそれは、モンスター・ヤマハ・テック3チームの苦労の賜物なんだ。こんなにトリッキーなコンディションのなかで、あのような素晴らしいタイムを出したダニを素直に祝福するよ」
B・スミス選手談(予選11位/1分42秒548/8周)
「昨日まではとても遅かったし、転倒もあったので、そのことを考えれば今日はうまくできたほうだと思う。昨日のタイムを1.7秒も更新し、カルとの差を、いつもと同じ1秒まで縮めることができたので、気持ちもかなりポジティブになっているよ。ただ、それだけ一気に速くなるとマシンのフィーリングも変わってしまうので、さらに磨きをかけるためには、できることならもう1日練習のための時間が欲しいところだけれど…。明日も暑くなると思うので、決勝ではタイヤの耐久性が重要な鍵を握ることになるだろう。初めの8ラップはグループについていき、それ以降は誰が最も長くタイヤをキープできるかの戦いになる。モンスター・ヤマハ・テック3チームのスタッフたちには心から感謝している。彼らは僕のために苦労して、懸命にセッティング変更に取り組んでくれた。ムジェロでの怪我はもうかなり良くなっていて、決勝でも支障になることはないよ」