ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.06 6月16日 カタルニア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第6戦カタルニアGP
■開催日:2013年6月14日(金)初日総合結果
■開催地:スペイン/カタルニア(4.727km)
REPORT
ロッシ、カタルニアで好発進!
好天に恵まれ、うだるような暑さのなか、路面温度が50度にも達したカタルニア・サーキット。ヤマハ・ファクトリー・レーシングのV・ロッシは、お気に入りのトップ3に入るというこのコースを存分にエンジョイし、フリープラクティス初日にトップタイムをマークした。午前中に行われた第1セッションではトップからコンマ5秒差の5位。午後になるとペースを上げ、残り3分でソフト・コンパウンドのタイヤに履きかえると、コースレコードを塗り替える1分42秒297を記録してトップに躍り出た。
チームメイトのJ・ロレンソも母国ファンの前で好調な走り。第1セッションのスタート早々から順調にペースを上げ、D・ペドロサを0.023秒上回ってトップを獲得。第2セッションもほとんどの時間帯でトップをキープしていたが、終盤でロッシに先行され2位となった。その差はわずか0.049秒。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローが、両セッションで3位獲得を目指す好調な走り。第1セッションは開始早々から素早くリズムをつかんで順調にペースアップ。トップのロレンソに0.070秒及ばなかったが、1分42秒492ベストタイムで3位につけた。第2セッションは気温、路面温度ともに上昇したためタイムを更新することができず、1分42秒776に留まり5位。クラッチローはソフト・コンパウンドのタイヤに履き換えてタイム更新を狙うよりも、硬めのタイヤの耐久性をチェックするなど、決勝に備えて少しでも多くのデータを集めることに専念した。第1セッションのタイムにより、フリープラクティスの総合順位は4位。3位との差はわずか0.047秒、トップのロッシとの差も0.2秒以下。
一方、チームメイトのB・スミスは総合14位。第2セッションで転倒するなど、GPルーキーにとって厳しい試練となった。前回のムジェロでも激しい転倒を喫し、左手と手首を負傷しているスミス。第1セッションは順調な走りを見せて12位を獲得していたが、気温が上がった第2セッションは1分44秒247まで伸ばしたあと第3コーナーで転倒した。幸い怪我はなく、これからチームスタッフとともに、明日の最終プラクティス、公式予選に向けてマシン・セッティングの向上に取り組む。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | V・ロッシ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'42.297 |
2 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'42.346 |
3 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'42.445 |
4 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'42.492 |
5 | A・バウティスタ | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 1'42.752 |
6 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'42.857 |
7 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'42.890 |
8 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'42.988 |
9 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'43.005 |
10 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 1'43.204 |
11 | A・イアンノーネ | Energy T.I. Pramac Racing Team | Ducati | 1'43.272 |
12 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 1'43.644 |
13 | M・ピロ | Ducati Test Team | Ducati | 1'43.648 |
14 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'44.247 |
15 | H・バルベラ | Avintia Blusens | FTR | 1'44.461 |
16 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | FTR Kawasaki | 1'44.586 |
17 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | ART | 1'44.599 |
18 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 1'44.609 |
19 | M・ラバティ | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'45.337 |
20 | C・コルティ | NGM Mobile Forward Racing | FTR Kawasaki | 1'45.513 |
21 | Y・エルナンデス | Paul Bird Motorsport | ART | 1'45.824 |
22 | 青山博一 | Avintia Blusens | FTR | 1'45.834 |
23 | B・スターリング | GO&FUN Honda Gresini | FTR-Honda | 1'46.577 |
24 | L・ペセック | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 1'47.239 |
COMMENT
V・ロッシ選手談(初日フリー走行総合1番手)
「カタルニアは大好きなコースのひとつ。M1との相性も抜群で、ここではいつも素晴らしい走りをしてくれるんだ。まだプラクティスの段階だけれど、それでも初日にトップに立てたことはとてもうれしいよ! ただ課題も見つかっていて、これからやらなければならないことがたくさんある。いくつかのコーナーやセクションでもう少し伸ばすことができそうだし、タイヤも決めなければならないからね。とにかく、初日トップは最高!」
J・ロレンソ選手談(初日フリー走行総合2番手)
「スタートは好調。でもふたつのセッティングを試してみたら、それがあまりうまくいかなかったんだ。このコンディションのなかで、どうしてグリップが落ちてしまうのかを知るために、ずっと同じタイヤを使い続けた。おそらく他のみんなも同じ問題を抱えていると思うけれど、それを解決する糸口が見つかったよ。いつだって改良は可能。これから懸命に取り組んでいけば、42秒台中盤をコンスタントにキープできるはず。それが明日の目標だ。全員が同じタイヤを使い続けたわけじゃないから、今日の順位は気にしていないよ。新品タイヤならコンマ5秒だって速く走れるんだからね。僕らは自分たちのペースに確信を持っている。上位にいることは間違いない」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング、チームマネジャー談
「初日として、とても好調。午後は気温が非常に高くなったので、そのなかでマシンがどのような状態になるのか観察する必要があった。ホルヘ自身は十分に満足してはいないようだが、私から見れば、明日につながる好結果だったと思っている。1日目で2位。それにバレンティーノは終盤でソフト・コンパウンドのタイヤを使用している。我々のほうは、明日に向けて自分たちの方向性をしっかりと見据えている」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「チームのふたりがトップ2を占めるという絶好のスタート。それでも、まだ多くの課題が残っている。セッティングをパーフェクトにして、決勝で使用するタイヤを決めなければならない。今日のところは良い仕事ができたと思うが、明日以降、さらに向上させていけるかどうか重要な鍵だ」
C・クラッチロー選手談
「プラクティスでたくさんの周回を重ね、多くの収穫があったので非常に満足している。今日の成果が明日以降の戦いに必ず役立ってくれるだろう。午後はかなり気温が上がっていて、僕はソフト・コンパウンドは使わなかったんだけれど、タイムシートを見ればソフト・タイヤのアドバンテージは明らか。もしもソフト・タイヤを使っていれば間違いなく3位に入れていたと思っているけれど、今日はそれよりもハード・タイヤでロングランを試すほうを選択したんだ。その結果は上々で、全体的にはとても満足しているよ。でも第1セクションではもう少しタイムを稼ぎたいところで、明日はそのためにいくつかのセッティング変更を計画している。今回はスペイン人ライダーたちが、かなり熱くなっているので、決勝は大変なビッグ・ファイトになるだろう。僕もそのなかに入って好バトルを演じたいと思っているよ」
B・スミス選手談
「今日もまたタフな1日になってしまった。今のところ、セッティングが思うように進んでくれなくて、自分自身に対しても自信を持てない状態。かなり激しい転倒だったので、怪我をしなかったのはほんとうにラッキーだったよ。フロントが流れ、それを何とか止めようとしたらリアのほうがグリップして投げ出されてしまった。さらにマシンが左ひざに当たってきたのでグラベルでは足を引きずっていたんだ。でも今はもう大丈夫。これからすぐにスタッフたちと話し合って、タイムが伸びない原因をつきとめて対処したい。正直、何が足りないのか今の僕にははっきりわからないんだけれど、今夜のうちに何らかの答えを出して、明日は完璧な状態で臨みたい」