ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.05 6月2日 イタリア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第5戦イタリアGP
■開催日:2013年6月1日(土)予選結果
■開催地:イタリア/ムジェロ(5.245 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:22度 ■路面温度:38度
■PP:D・ペドロサ(1分47秒157/ホンダ)
REPORT
ロレンソが2位フロントロウ獲得
ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソが、昨日に引き続き好調な走りを見せて予選2位を獲得。
15分間の予選セッションではスタートと同時にスピードが上がり、ロレンソは1周目に1分47秒621を記録してトップに。残り6分でリアタイヤを交換してコースに復帰すると、さらに1分47秒226まで上げ、ポールポジション獲得が確実かに見えたが、終盤でD・ペドロサに逆転された。その差はわずか0.069秒。
チームメイトのV・ロッシはスタート直後から集団につかまり、なかなかペースを上げることができなかった。その後1分47秒832まで伸ばして一時は3位まで浮上したが、終盤のタイムアタックで他が上回り、ロッシは7番手まで下げて終了。明日の決勝は3列目からのスタートとなった。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローとB・スミスは、それぞれ4位と11位。
今季2度目のフロントロウ獲得を狙っていたクラッチローは、QP2の中盤に第3コーナーで転倒。幸い怪我はなく、すぐにピットに戻ってスペアマシンに乗り換えて出走したが、その時点で7番手まで順位を下げていた。ここからの追い上げは見事なもので、転倒があったにもかかわらず集中力をキープし、セッション終盤には1分47秒771を記録して3位に浮上。その後、各車のタイムアタックもあり一時6位まで下げたが、最終ラップで再びタイムを更新して1分47秒632とし、4位が決定した。これで連続4回目の4位スタート。3位との差はわずかに0.004秒。
一方のスミスは、昨日の転倒で左手小指を負傷しており、痛みをこらえながらのライディング。厳しい状況に果敢に挑み、期待以上の走りを見せた。ベストラップは1分48秒706。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'47.157 |
2 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'47.226 |
3 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'47.628 |
4 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'47.632 |
5 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'47.737 |
6 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'47.763 |
7 | V・ロッシ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'47.872 |
8 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'48.006 |
9 | A・バウティスタ | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 1'48.355 |
10 | M・ピロ | Ducati Test Team | Ducati | 1'48.564 |
11 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'48.706 |
12 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 1'48.765 |
13 | A・イアンノーネ | Energy T.I. Pramac Racing Team | Ducati | 1'49.265 |
14 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 1'49.266 |
15 | H・バルベラ | Avintia Blusens | FTR | 1'49.847 |
16 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 1'50.518 |
17 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | FTR Kawasaki | 1'50.701 |
18 | C・コルティ | NGM Mobile Forward Racing | FTR Kawasaki | 1'50.729 |
19 | M・ラバティ | Paul Bird Motorsport | PBM | 1'50.787 |
20 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | ART | 1'51.089 |
21 | Y・エルナンデス | Paul Bird Motorsport | ART | 1'51.239 |
22 | B・スターリング | GO&FUN Honda Gresini | FTR-Honda | 1'51.981 |
23 | 青山博一 | Avintia Blusens | FTR | 1'52.148 |
24 | L・ペセック | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 1'52.345 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(予選2位/1分47秒226/8周)
「気温が上がると、やはり厳しい状況になる。グリップが落ちてしまうんだ。でもこのようなことがあっても、フリープラクティスも予選も十分に速く走ることができた。1周目で47.6が出るなんて自分でもびっくり。同時にマルケスの1周目もすごかったし、ダニのベストラップも驚異的だよ。47.2でポールポジションは確実だと思ったのに、ダニがそれを上回った。明日の決勝では好スタートを決めることが肝心。前へ出て、可能なら逃げたい。もしそれが無理なら、レースは長いので安定して走れるよう努める。まだ小さな課題はいくつか残っているけれど、マシンの状態は、これまでの他のサーキットとよりも好調だよ」
V・ロッシ選手談(予選7位/1分47秒872/8周)
「フリープラクティスは悪くなかった。決勝用セッティングでいいペースが出ているから、まったく不安はないよ。いつものことだけれど、予選では苦労したところもある。他のライダーたちがスリップストリームを使って、どんどんタイムを上げていくんだ。結果、僕は3列目からのスタートということになってしまった。でもペースには満足しているし、決勝で好スタートさえできれば、いいレースができるはず。楽しみにしているよ」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談:
「非常にエキサイティングな予選セッションだった。ペースが良く、ホルヘは2回、見事なラップを見せた。ダニはそのとき6位か7位にとどまっていて、少しパニックになっていたと思う。だからどうしても終盤で取り返さなければならなかったのだ。そしてその通り、コンマ1秒も更新してきた。いずれにしても戦いは明日。もちろんポールポジションを獲りたかったが、明日はまた別の展開になるだろう。我々はポイント獲得を狙う。だからそのために集中していく。そしていいペースをキープする」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「ほんのわずかの差でポールポジションを逃したことは残念だ。それまでずっとトップをキープしていたし、ホルヘは非常に速く安定していて、いいペースで走っていたのだから。バレンティーノのほうも、最後のフリープラクティスは好調だった。明日は厳しい戦いになるだろうが、前へ出て、そして勝利を狙うだけのすべての材料がヤマハには揃っていると思っている」
C・クラッチロー選手談(予選4位/1分47秒632/7周)
「まるでドラマのような展開。転倒してしまったのだから、0.004秒差でフロントロウを逃したことに文句は言えないね。転倒のあと、とても迅速にピットに戻れたのはラッキー。すぐにコースに戻り、そしてグリッド2列目をつかんだわけだから十分にいい結果だと思う。正直に言えば、今回は初日からずっと苦しんできた。このコースは今年で3回目だけれど、実はまだしっかりとフィーリングをつかむことができないんだ。そんななかで、いいペースで走りトップに近づけたことで、明日に向けて自信を持てるようになった。第1セクションが一番の課題で、明日までにまだやることが残っているんだ。長くて厳しいレースになるだろう。マシンをもっと良い状態にもっていかなければならない。モンスター・ヤマハ・テック3チームのみんなが、僕のためにベスト・セッティングを見つけようと懸命に頑張ってくれている。前回のル・マン同様、表彰台を目指して戦いたい」
B・スミス選手談(予選11位/1分48秒706/5周)
「何よりもまず、昨日の大転倒のあと、こうして走ることができたことが素直にうれしい。クリニックの先生たちが、素晴らしい技術で指と手首を治療してくれたおかげ。時には4人もの先生が一度に僕を診てくれたりするんだから、彼らには心から感謝しているよ。このような経緯を考えれば、11位は決して良くはないけれどもQP2に進めただけでもハッピーなんだ。明日は身体的に厳しいレースになるだろうから、今日の1ラップにリスクをかけることより、明日のためにエネルギーを温存したかったしね。マシン・セッティングには満足していて、明日朝のウォームアップで微調整するだけでいい。それまではしっかりと休養して、できるだけ良い状態でレースに臨みたい。そして少しでもポイントを獲り、また10位以内を目指したい」