ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.02 4月21日 アメリカズ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第2戦アメリカズGP
■開催日:2013年4月19日(金)フリー走行総合結果
■開催地:テキサス州/サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)(5.513 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:18度 ■路面温度:36度
REPORT
初日、ヤマハ・ファクトリー・レーシングのロレンソとロッシが4位と5位
第2戦アメリカGPのフリープラクティス初日。ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソとV・ロッシは、それぞれ4位と5位を獲得して好調。
午前中に行われた第1セッションは気温が低く、路面についたゴムも少量だったことから全体にペースが上がらず、前回テストの記録より遅いタイム。しかし午後になると気温が急激に上昇し、各車、次々にタイムを更新していった。第1セッションで2位につけていたロレンソは、第2セッションで2秒以上更新したものの、順位では4位に後退して1日目を終了。一方のロッシは、第2セッション終盤で4秒も更新し、順位も6位から5位へと上げている。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローは、フリープラクティス初日に6位獲得と健闘。持ち前の速習ぶりで順調にペースを上げ、初めての走行となったCOTAのコースで好タイムを記録した。COTAは20ものコーナーと、全18戦中で最長のストレートを持つロング・テクニカルコース。クラッチローはフリープラクティス2回目で1回目のタイムを4秒以上も更新し、8位から6位へ順位を上げて1日目を終了した。2分06秒899のベストタイムは5位のロッシにあと0.031秒と迫るもの。しかも前の5台はすべて、チームのプライベート・テストですでにこのコースを経験している。
クラッチローのチームメイトのB・スミスは、冷たい風に悩まされた第1セッションから果敢に攻めて13位。コンディションが好転した第2セッションは自らの限界を追求する走りで2分09秒424を記録。第1セッションから4秒更新したが、順位はそのままに留まった。明日はトップ10入りを目指す。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 2'05.031 |
2 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 2'05.585 |
3 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 2'06.173 |
4 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 2'06.637 |
5 | V・ロッシ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 2'06.868 |
6 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 2'06.899 |
7 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 2'07.236 |
8 | A・バウティスタ | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 2'07.256 |
9 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 2'07.699 |
10 | B・スピース | Ignite Pramac Racing Team | Ducati | 2'08.034 |
11 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 2'08.299 |
12 | Y・エルナンデス | Paul Bird Motorsport | ART | 2'09.374 |
13 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 2'09.424 |
14 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 2'09.739 |
15 | A・イアンノーネ | Energy T.I. Pramac Racing Team | Ducati | 2'09.860 |
16 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | ART | 2'10.411 |
17 | C・コルティ | NGM Mobile Forward Racing | FTR Kawasaki | 2'10.720 |
18 | 青山博一 | Avintia Blusens | FTR | 2'11.183 |
19 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 2'11.614 |
20 | M・ラバティ | Paul Bird Motorsport | PBM | 2'11.828 |
21 | L・ペセック | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 2'12.230 |
22 | B・スターリング | GO&FUN Honda Gresini | FTR-Honda | 2'12.462 |
23 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | FTR Kawasaki | 2'12.504 |
24 | H・バルベラ | Avintia Blusens | FTR | 2'12.573 |
25 | B・ヤング | Attack Performance Racing | APR | 2'13.158 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(フリー走行総合4番手/2分06秒637/14周)
「午前中はライバルたちより好調だったんだけれど、午後になってコース・コンディションが良くなってくると、フィーリングをつかんで自信もついたのか、彼らのほうが大きく伸ばしていった。結果、僕らはコンディション向上の恩恵を受けられず順位を下げてしまったんだ。コンディションは誰にも同じだけれど、あるところではライバルたちのほうが自信を持ってペースを上げているようだ。マシンにはまだ課題が残っている。良くなってきたが、まだ足りないということだね」
V・ロッシ選手談(フリー走行総合5番手/2分056秒868/17周)
「今日は悪くなかったよ。午後は大きくタイムを更新することができたし、ホルヘの近くにつけているからね。ホンダの速さはテストのときからわかっていたことで、悔しいけれど今はどうにも追いつけない。とくにマルケス。さらにペドロサやブラドルも僕らより上。明日はこの差を詰めていくために頑張るよ」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「1日目が終わった。4位という結果は当然、おもしろくない。午前中は寒さもあり誰もが苦労したわけだが、午後になってコンディションが好転したあと我々はさらに苦しくなった。問題はグリップ。ラップタイムを上げるためには、もっとリア・グリップが必要なのだ。明日は良い方向へ進み、トップとの差を縮められることを期待したい。ラップタイムで上位に近づき、何とかフロントロウを獲得したい」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「このコースの特徴が、我々にはあまり合っていないようだ。でも、あとまだ1日半の時間が残っているので、とにかく前との差を縮めていくために全力を尽くしたい。午前中はコンディションが悪かったため、残念ながら思い通りに作業を進められなかった。これで1セッションをほとんど無駄にしてしまったようなものだが、そのなかでもライバルたちに遅れをとっている部分を特定することができたので、明日は改善を目指したい」
C・クラッチロー選手談(フリー走行総合6番手/2分06秒899/33周)
「まず始めに、モンスター・ヤマハ・テック3チームのスタッフに、そしてヤマハ、ドルナ、COTAの皆さまにお礼を言いたい。彼らのおかげで、僕らは今日こうして予定通りに走ることができた。水曜日の夜、ガレージで火災が発生した。最悪の出来事だったが、あれから皆で懸命に作業を続けて今日の走行に間に合わせることができたんだ。本当にありがとう。
COTAは非常にテクニカルで覚えにくく、攻略法を探るのにも時間がかかり、初走行は苦労した。そのなかで6位を獲得できたことは大きな収穫で、うれしく思っているよ。自分の感覚では、上位との差はもっと大きく、遠く離されている気がしていたんだ。このコースはハードブレーキング、高速ストレート、さまざまな方向変化などチャレンジが盛りだくさん。だから今は驚くことばかりでまだまだ課題も多く、決勝で上位を目指すのは簡単ではないだろう。明日はまず、ブレーキング性能の向上に力を入れ、マシンを落ち着かせたい」
B・スミス選手談(フリー走行総合13番手/2分09秒424/33周)
「ようやくCOTAを走ることができ、どんなに特徴的で、どんなに難しいコースであるかを体験することができた。水曜の夜のガレージ火災のあとは、僕らのチーム・クルーだけじゃなくて、昨年までのモト2のチームも全力を尽くしてくれた。そんなこともあって、今日の初走行がとてもうれしかったんだ。午前中はほとんどグリップがないような状態で、どうすることもできず、コース攻略どころではなかったけれど、午後になるといくらか良くなってコースの感じも少しずつわかってきた。それによってマシンの状態も改善できたし、終盤頃にはかなり乗りやすくなってきて、明日への課題も見えてきた。最も重要なのは、マシンをあるべきところにキープできるようにすること。つまり持っていきたいところに、いつでも持っていけるようにしなければならないんだけれど、今はその部分が思い通りにできていないんだ。午後のセッションで4秒も短縮できたのは大きな前進で、うれしく思っている。自分のウイーク・ポイントがわかったので、明日はそれを克服してまた次のステップを目指したい」