ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.01 4月7日 カタール
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第1戦カタールGP
■開催日:2013年4月5日(金)フリー走行総合結果
■開催地:カタール/ロサイル・サーキット(5.380km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:27度 ■路面温度:32度
REPORT
ヤマハ勢、好調をアピール
2013モトGPが、カタールはロサイル・インターナショナル・サーキットで開幕。そのフリー・プラクティス初日、ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソとV・ロッシは、激しい風とコースに吹き寄せられた砂に悩まされながらも好タイムを記録し健闘した。
ディフェンディング・チャンピオンのロレンソは、難しいコンディションのなかで新たなシャシー・スペックとセッティングを試して、走行開始早々からペースを上げていく。第1セッション、第2セッションともに好調な走りをキープし、両セッションで2位を獲得。特に第2セッションでは、ほとんどの時間帯でトップを走行しながら、最終的には0.001秒の僅差で2位となった。
チームメイトのロッシは、決勝でのベスト・セッティングを追求しながら終始、上位をキープ。午前中に行われた第1セッションで3位を獲得し、第2セッションは4位となった。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローは総合3位獲得と大健闘。チームメイトのB・スミスも9位につけた。
クラッチローは滑りやすい路面に苦労しながらも、トップからわずか0.242秒差の1分56秒326を記録。一方のスミスも、YZR-M1の経験不足を感じさせない見事な走りで一時は6位まで浮上。最終的には1分56秒901のベストタイムで9位を獲得した。これによって、オープニングラウンドの目標のひとつであったフリー・プラクティス10位以内を早くも達成したことになる。
明日の公式予選は、15分のセッションのなかでトップ12人のライダーがグリッド4列目までのポジションを競い合う。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'56.084 |
2 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'56.085 |
3 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'56.326 |
4 | V・ロッシ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'56.416 |
5 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'56.417 |
6 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'56.502 |
7 | A・バウティスタ | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 1'56.572 |
8 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'56.670 |
9 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'56.901 |
10 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'56.984 |
11 | A・イアンノーネ | Energy T.I. Pramac Racing Team | Ducati | 1'57.169 |
12 | B・スピース | Ignite Pramac Racing Team | Ducati | 1'57.308 |
13 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 1'57.420 |
14 | H・バルベラ | Avintia Blusens | FTR | 1'57.956 |
15 | Y・エルナンデス | Paul Bird Motorsport | ART | 1'58.211 |
16 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 1'58.396 |
17 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | FTR Kawasaki | 1'58.863 |
18 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | ART | 1'59.180 |
19 | 青山博一 | Avintia Blusens | FTR | 1'59.212 |
20 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 1'59.755 |
21 | B・スターリング | GO&FUN Honda Gresini | FTR-Honda | 1'59.758 |
22 | L・ペセック | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 1'59.837 |
23 | M・ラバティ | Paul Bird Motorsport | PBM | 2'00.080 |
24 | C・コルティ | NGM Mobile Forward Racing | FTR Kawasaki | 2'00.439 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(フリー走行総合2番手/1分56秒085/17周)
「セッティングを変更したことが、とても良かった。昨日までより格段に乗りやすくなったからね。でも決勝で新しいシャシーを使うかどうかは、今のところまだ決まっていないんだ。明日さらに煮詰めていって、もっと良くしていきたいと思っているよ。路面コンディションは最後のほうになってようやく良くなってきたけれど、始めのうちは砂が多くてかなり汚れていてひどかったな。今年から予選方法が変わるので不安もあるけれど、とにかく4ラップで最高のパフォーマンスを出し切り、速く走ることだね!」
V・ロッシ選手談(フリー走行総合4番手/1分56秒416/18周)
「今日も決勝に向けてセッティング作業を続けた。そのなかでもプラクティスの走りは悪くなかったと思う。タイヤはまだ決まっていないんだけれど、決勝ではそのチョイスがとても重要になってくるだろう。明日の予選では少しでも前へ行くことが目標。もちろんフロントロウを狙っていくよ。実は昨日からひどい頭痛に悩まされていて、体調は万全ではないんだ。それでも少しずつ良くなってきているので、明日は最高の状態で走れるようになると思うよ!」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談:
「フリー・プラクティス初日が終わり、とくに第2セッションは非常に素晴らしかった。すべてが順調で、いろいろなことを試すことができた。コンディションはご覧のとおり、コースにたくさんの砂が出ていて決して良くはない。とくに第1セッションは強風も吹いていたため、状況が刻々と変わって思うように作業を進めることができなかったのだ。でも第2セッションではいくらか良くなり、ホルヘも結果には満足している。このあとは、今日試した2台のマシンのいいところをとってベストのものを追求していく。準備は整っている」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談:
「今日はコース・コンディションが完全ではなかったので、最終セッティングを決めることができなかったし、シャシーの選択もできなかった。そのなかでも、ここまでしっかりと仕事を進めることができており、多くのデータを収集することができたと思っている。ホルヘもバレンティーノも安定してハイペースをキープしており、調子はとてもいい。準備は万端だ」
C・クラッチロー選手談(フリー走行総合3番手/1分56秒326)
「路面がひどく汚れていて、コース・コンディションは良くなかったが、そのなかでの自分のパフォーマンスには満足できたし、順位でも3位を獲得できたことはとても良かったと思っている。トップ10入りは自信があったので、あとはグリッドを決定するための15分のセッションに向けて頑張っていくだけ。新しい予選方法については、ファンのみなさんだけじゃなくて僕らもとても楽しみにしているんだ。マシンのほうは、いくつか変更を加えて好調が戻って来た。ブレーキングはまだ課題が残っているので、明日はこれに取り組んでいく予定だけれど、全般的には順調でペースもいい。決勝もいい走りができるだろう」
B・スミス選手談(フリー走行総合9番手/1分56秒901/17周)
「とってもうれしいよ! だって目標にしていたフリー・プラクティスでのトップ10入りを実現し、公式予選セッションに進むことができたんだからね。これは決して簡単なことじゃないと思うので、ここまでの大きな進歩を誇りに感じているよ。今日は1秒以上もタイムを更新し、トップとの差はわずか0.8秒。僕にとっては、これは本当に素晴らしい結果なんだ。このペースで走るために、どれだけハードにプッシュしなければならないかということに、今までは気づいていなかった。こんな緊張のなかで決勝距離を走り切るのは想像を絶するほど大変なことだろう…。だからこそ、毎回ハイペースをキープして走り切るライバルたちに敬服する。そして、僕もこれからは彼らと同じことをやっていかなければならないんだ。
モンスター・ヤマハ・テック3チームが、僕のために素晴らしいマシンを作ってくれて、僕に自信を与えてくれた。その成果が最後のセッションでのハイペースにつながっている。バレンティーノまであとコンマ5秒だなんて最高の気分。決勝までにはまだまだたくさんの仕事が残っているが、今日のトップ10入りは本当にうれしいよ」