ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.14 9月30日 アラゴン
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第14戦アラゴンGP
■開催日:2012年9月29日(土)予選結果
■開催地:スペイン/モーターランド・ アラゴン(5.078km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:16度 ■路面温度:16度
■PP:J・ロレンソ(1分49秒404/ヤマハ)
REPORT
ロレンソがポールポジションを獲得
ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソが、激しい競り合いを制してポールポジションを獲得。初めてのドライ・セッションを慎重にスタートしたロレンソは少しずつペースを上げていき、終盤になってB・スピース、C・クラッチロー、D・ペドロサらに追いついてトップ争いを展開した。残り3周、最後の新品タイヤでタイムアタックを行い、1分49秒404をマーク。ペドロサを0.088秒、上回ってトップに浮上した。ポールポジションは今季5回目。
チームメイトのスピースも好調で、一時トップに立つなどコンスタントに上位争いを展開した。セッションの最後から2周目に記録したファステストラップは1分49秒748。フロントロウのペースに0.172秒届かず4位となった。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローが好調ぶりを披露。予選セッションの多くの時間帯でトップをキープし、最終的に3番手のタイムを記録してフロントロウを獲得した。初めてのドライ・セッションとなった公式予選で、クラッチローとチームメイトのA・ドビツィオーゾはスリックタイヤのグリップ・レベルをテスト。依然として上空に雨雲が居座り、コンディション急変の不安も残るなか、クラッチローは素早くリズムをつかんで1分50秒322までペースを上げていった。さらに真っ先に49秒台に入れると、残り15分の時点で1分49秒718を記録して2位以下に0.6秒以上の差をつけた。しかし残り3分でロレンソとペドロサが上回り、クラッチローも1分49秒576まで短縮したが届かず3位でセッションを終了。トップとの差は0.172秒だった。フロントロウ獲得は連続3回目、今季通算6度目となった。
一方のドビツィオーゾも順調にハイペースをキープし、残り5分の時点で3位につけてフロントロウ獲得を目指していた。しかし最後のタイムアタックで伸びず、最終的には1分50秒241のタイムで6位となった。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'49.404 |
2 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'49.492 |
3 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'49.576 |
4 | B・スピース | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'49.748 |
5 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'50.034 |
6 | A・ドビツィオーゾ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'50.241 |
7 | J・レイ | Repsol Honda Team | Honda | 1'50.410 |
8 | V・ロッシ | Ducati Team | Ducati | 1'50.949 |
9 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'51.013 |
10 | H・バルベラ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'51.072 |
11 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 1'51.082 |
12 | A・バウティスタ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'51.155 |
13 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 1'51.459 |
14 | K・アブラハム | Pramac Racing Team | Ducati | 1'51.521 |
15 | M・ピロ | San Carlo Honda Gresini | FTR | 1'52.606 |
16 | M・パッシーニ | Speed Master | ART | 1'52.638 |
17 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | Suter | 1'52.853 |
18 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 1'53.140 |
19 | Y・エルナンデス | Avintia Blusens | BQR-FTR | 1'53.233 |
20 | J・エリソン | Paul Bird Motorsport | ART | 1'53.719 |
21 | D・サロン | Avintia Blusens | BQR | 1'55.290 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(予選1位/1分49秒404/22周)
「とてもハッピーな気分だよ。今日はカルがとても速くて、ラップタイムもかなり上がっていたから追いつけないと思っていたんだ。でも最終的には、最後の予選タイヤでタイムを更新して彼を上回ることができた。ポールポジションを獲得してフロントロウに並ぶことはとても重要。でも決勝は周回数が多くて長い戦いになるから、また別のことと考えたほうがいいんだ。今はただ、晴れてくれることを願うだけ。誰だってドライのほうがいいはず。雨は誰も望まないよ」
B・スピース選手談(予選4位/1分49秒784/24周)
「前の3人から大きく離されずに済んだから良かったよ。セッション序盤は難しい戦いで、以前にテストしたときとはまったく違って、コースがところどころとても滑りやすく走りにくかった。終盤は少しずつ良くなってきたけれど、やはり完璧な走りには届かなかったんだ。正直に言うと、いくつかの転倒を見てしまったあとは少し慎重になっていたと思う。これが最初のドライ・セッションだったので、すぐにフルスピードまで上げていくのは難しかった。マシンはとても良く走ってくれているので、明日朝のウォームアップ・セッションで決勝に備えるよ」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「とても価値あるポールポジションだ。気温が低く、路面が滑りやすかったので、序盤は
なかなかペースを上げることができなかった。テストのときに記録したタイムが念頭に
あったが、今日はそれよりも集中力を失わずミスをしないことのほうが重要だった」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「ポールポジション獲得はいつだってうれしいこと。先日のテストの成果もあって、今回はより楽に作業を進めることができた。十分に素晴らしい結果だが、さらにもうひとつと考えるなら、ベンもフロントロウに並べていたならもう言うことはない。ベンはセッティングも非常にうまくいっているので、明日に期待したい」
C・クラッチロー選手談(予選3位/1分49秒576/23周)
「初めてのドライ・コンディションだったので、そのなかでここまでセッティングを煮詰め、フロントロウを獲得できたことはとても良かったと思うよ。予選セッションの目標は決勝に向けてマシンをセットアップすること。今日は走行開始早々から速さがあって、さらにコンスタントにペースを上げていくことができたので満足している。ドライ・コンディションがあまりなかったなかで、マシンがここまで仕上がったのはモンスター・ヤマハ・テック3チームのみんなのおかげ。明日は自信をもって戦いに臨めるよ。ホルヘ、ダニ、ベンは前にここでテストを行っているので、僕はもっと苦労するかと思っていたんだ。その3人にここまで近づけたのは素晴らしいことだよ。これで連続3回目のフロントロウ。でもミサノのことがあったので、明日は何よりも完走を目指さなければならない。もちろん、3位以内に入って、また表彰台に上れたら最高だけどね」
A・ドビツィオーゾ選手談(予選6位/1分50秒241/25周)
「公式予選が初めてのドライ・セッションになってしまった。しかも気温が低かったので、フロントにソフト・コンパウンドを使用しなければならなかった。これはこのコースと、僕のライディング・スタイルには合わないものだったんだ。おかげでコーナー進入のブレーキングで思うように攻められず苦労したよ。だから明日は、まだ一度も試したことのないハード・タイヤでいくしかなさそうだ。その一方でマシンのフィーリングには満足していて、終盤にはペースもかなり上がってきた。5ラップをタイムアタックに予定していたけれど、そのうち3ラップは遅いライダーにつかまってしまって不調に終わった。明日の決勝では好スタートを決めて、序盤でしっかり上位グループについていきたい」