ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.14 9月30日 アラゴン
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第14戦アラゴンGP
■開催日:2012年9月28日(金)初日総合結果
■開催地:スペイン/モーターランド・ アラゴン(5.078km)
■コースコンディション:ウエット
■気温:16度 ■路面温度:11度
REPORT
アラゴンでスピースがトップ
アラゴンGPのフリープラクティス初日はスローペースでスタート。午前中に行われた第1セッションは雨が降ったり止んだりのコンディションで、多くのライダーが走行を断念。ヤマハ・ファクトリー・レーシングのB・スピースもフル・ウエットとなった午後のセッションから出場し、序盤から上位につけた。ウエット用セッティングは上々で、最終的にはD・ペドロサに0.066秒差でトップタイムに立った。チームメイトのJ・ロレンソも午後から走行を開始し、終盤にはスピースとトップ争いを展開したが、最後の数分のなかでペドロサに抜かれて3位となった。トップのスピースからは0.527秒離された。
なお‘トラック・オブ・ザ・イヤー2013'のIveco賞を記念し、ロレンソとスピースはIvecoおよび‘トラック・オブ・ザ・イヤー'のロゴをつけたYZR-M1を駆り、残りの5戦に出場する予定である。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのA・ドビツィオーゾとC・クラッチローは、激しい雨と難しいコース・コンディションに翻弄されながらも、それぞれ5位と7位を獲得。午前中のセッションは、先だって行われたモト3のプラクティス中にコースにオイルが出たため、大がかりな清掃が必要となり開始が1時間ほど遅延。ようやく準備が整った頃にはコンディションが変化しており、ウエットでもドライでもない状態になってしまった。これではセッティングのために有効なデータが得られないことから、ふたりは走行を取り止めた。
第2セッションは激しい雨のなかで行われ、ドビツィオーゾとクラッチローはウエット用セッティングに取り組みながら順調に上位のペースをキープ。最終的にはドビツィオーゾが2分01秒379で5位、クラッチローは2分01秒665で7位となった。クラッチローはセッション序盤、このようなコンディションのなかでどこまで攻められるかを試して一時トップに立っていた。明日もこのような天気になれば、フロントロウ獲得の可能性も高い。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | B・スピース | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 2'00.219 |
2 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 2'00.285 |
3 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 2'00.746 |
4 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 2'00.996 |
5 | A・ドビツィオーゾ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 2'01.379 |
6 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 2'01.626 |
7 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 2'01.665 |
8 | V・ロッシ | Ducati Team | Ducati | 2'02.412 |
9 | K・アブラハム | Pramac Racing Team | Ducati | 2'02.632 |
10 | A・バウティスタ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 2'03.263 |
11 | J・レイ | Repsol Honda Team | Honda | 2'04.046 |
12 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 2'04.353 |
13 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 2'04.423 |
14 | J・エリソン | Paul Bird Motorsport | ART | 2'04.542 |
15 | M・パッシーニ | Speed Master | ART | 2'04.722 |
16 | Y・エルナンデス | Avintia Blusens | BQR-FTR | 2'04.858 |
17 | M・ピロ | San Carlo Honda Gresini | FTR | 2'06.030 |
18 | H・バルベラ | Pramac Racing Team | Ducati | 2'06.182 |
19 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter | 2'06.368 |
20 | D・サロン | Avintia Blusens | BQR | 2'06.593 |
21 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | Suter | 2'06.677 |
COMMENT
B・スピース選手談(フリー走行1番手/2分00秒219/16周)
「マシンのフィーリングは上々でペースも速く、ウエット・セッションは好調だったよ。セッティングがとてもうまくいっていて、電子制御システムの新しいデータも得ることができたんだ。すべてがスムースに運ぶこと、それが今の僕らに必要なこと。今日はそれができたので、明日も楽しみ。天気にも期待したいね」
J・ロレンソ選手談(フリー走行3番手/2分00秒746/13周)
「午前中も走ろうと思えば可能だったんだけれど、やはりピットに留まり、少しでもエンジンをセーブしたかった。午後はフル・ウエットになったのでコースインし、雨のなかでのマシンのフィーリングを確かめた。コースはとてもスリッピーで、何とかペースをつかもうと周回を重ねたけれど、タイムアタックには至らなかった。ベンとダニがとても速かったけれど、僕は、より快適なペースで走ることを重視した」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「第2セッションは大変な雨になった。そのなかで順調にペースをキープして3位に入ったことは良かったと思う。ウエットのセッティングを、より良くしていくことを考えて取り組んだが、速さもあったし安定していたので結果には満足している」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「今日はまったくの無駄になったわけじゃない。午後はフル・ウエットでデータを収集し、セッティングにも取り組むことができた。先日ここで行ったテストはドライ・コンディションだったので、これでドライもウエットも準備が整ったことになる」
A・ドビツィオーゾ選手談(フリー走行5番手/2分01秒379/17周)
「マシン・セッティングは順調。リア・トラクションを少し改善できればと思っているけれど、それ以外はとくに大きな問題はない。セッション終盤でちょっと無理をしたりプッシュしたりしたときも、思ったとおりにマシンが反応してくれるから不安はなかったよ。午前中のセッションを無駄にしてしまったのは残念だったけれど、午後は雨のなかでトップに近づくことができたので、ウイークの初日としてはとても良かったと思う。明日以降に望むことは、ただひとつ。決勝までに少しでもドライ・コンディションが欲しい。ドライがまったくなくて、完璧な準備ができないまま決勝に臨むのはいやだからね。つまり、明日のコンディションが明後日のコンディションと同じになってくれればいいんだ」
C・クラッチロー選手談(フリー走行7番手/2分01秒665/15周)
「フル・ウエットでのペースには満足しているよ。トップに近づくことができたし、もしかしたら3位以内も不可能じゃなかったんだ。セッション終盤でステアリング・ダンパーにちょっと問題が出てしまったので、もしもそれがなければ、もっと上に行っていたはず。ウエットのセッティングはうまくいっているので自信はついたけれど、明日も同じようなコンディションなら、さらにもう一歩前進したい。雨になって、マシンがあともう少し良くなれば、明日はフロントロウを狙っていけるだろう。でもおもしろいレースを期待しているファンのためには、やっぱり晴れたほうがいいね」