ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.12 8月26日 チェコ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第12戦チェコGP
■開催日:2012年8月24日(金)初日総合結果
■開催地:チェコ共和国/ブルノ(5.403km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:28度 ■路面温度:41度
REPORT
J・ロレンソが初日2位
ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソとB・スピースは、ブルノ・サーキットで開催されるチェコGPのフリープラクティスに参加。前回のインディアナポリスでは厳しい状況におかれた2人だが、今回は高速コースをエンジョイしながら、第1セッションから早々にペースをつかんで好発進。午後からの第2セッションでは、ともに不運な転倒があったが、怪我はなく走行を続けることができた。スピースはセッティングの決まっていた第1マシンで転倒したため、第2マシンで再スタート。ロレンソは再スタート後も最後までD・ペドロサとトップを競った。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのA・ドビツィオーゾとC・クラッチローは、トップ3入りを目標に好調な走り。
前回のインディアナポリスで今季5度目の表彰台を獲得したドビツィオーゾは、勢いをそのままに、第1セッションで1分57秒189を記録して3位を獲得。午後の第2セッションでは気温が28度まで上がるなか、さらに1分57秒055まで更新して総合3位を決定した。2位のロレンソとの差はわずかに0.144秒だった。これに続いたのがチームメイトのクラッチロー。第1セッションは1分57秒418、第2セッションは1分57秒215を記録して、両セッションで4位を獲得した。ドビツィオーゾとクラッチローとは0.160秒の僅差。明日までにさらにセッティング作業を進め、ともにフロントロウ獲得を目指す。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'56.858 |
2 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'56.911 |
3 | A・ドビツィオーゾ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'57.055 |
4 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'57.215 |
5 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'57.250 |
6 | V・ロッシ | Ducati Team | Ducati | 1'57.315 |
7 | B・スピース | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'57.446 |
8 | A・バウティスタ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'57.501 |
9 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 1'58.667 |
10 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 1'59.185 |
11 | T・エリアス | Pramac Racing Team | Ducati | 1'59.228 |
12 | K・アブラハム | Pramac Racing Team | Ducati | 1'59.251 |
13 | Y・エルナンデス | Avintia Blusens | BQR-FTR | 1'59.256 |
14 | M・ピロ | San Carlo Honda Gresini | FTR | 1'59.833 |
15 | M・パッシーニ | Speed Master | ART | 2'00.206 |
16 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | Suter | 2'00.296 |
17 | I・シルバ | Avintia Blusens | BQR-FTR | 2'00.773 |
18 | J・エリソン | Paul Bird Motorsport | ART | 2'01.137 |
19 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda | 2'01.625 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(フリー走行総合2番手/1分56秒911/19周)
「インディアナポリスよりは、ずっと良かったよ。マシンの向上を目指してきたけれど、コーナーでのグリップがまだ不十分なので、何か解決策が必要だね。転倒したのはスローコーナー。もうちょっとマシンをリーンさせようとしたら、グリップが限界を超えてしまったんだ。でも全体的にはとても満足している。ダニと毎セッション、ベストラップを競えたからね」
B・スピース選手談(フリー走行総合7番手/1分57秒446/14周)
「第2セッションはあまり良くなかったけれど、第1セッションは好調だったよ。第2セッションもマシン自体はとてもよく走ってくれていたんだけれど、フロントに、午前中から使っていた古いタイヤを履いていたことが原因かもしれない。路面温度が高くなった状況で、ハードにプッシュし過ぎてしまったらしく、ローサイド・クラッシュをおこしてしまった。運の悪いことには、スペア・マシンはセッティングがかなり異なっていて気持ち良く乗ることができなかった。かけ離れ過ぎていたんだ。本来のセッティングならば好調に走れることはわかっているので、明日はそこから、さらに前進していきたい」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「今日はまぁまぁというところ。転倒は残念だったが、大きなダメージはなく、怪我もしなかった。上位争いは非常にタイトで、タイヤの最大グリップを引き出す戦いのようになっている。そして誰もが同じ問題に悩まされているようだ。明日はもっとスムースに走れるよう、そしてラップタイムを更新できるように期待している」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「ベンは午後のセッションで転倒してしまったことが響いた。我々はふたつの異なるセッティングを試そうと準備していて、ベンが気に入っていたのは転倒したほうのマシンだった。もう一方のマシンでは、パーファクトのフィーリングをつかむことができなかったのだ。午前中のセッションでは非常に好調に走行しており、マシンのセッティングにもタイヤにも満足していたのだが...。明日までにさらに改良を目指して作業を行っていく。ベスト・セッティングに近づけるはずだ」
A・ドビツィオーゾ選手談(フリー走行総合3番手/1分57秒055/35周)
「今日の仕事はとてもうまくできたと思う。満足しているよ。インディアナポリスの表彰台獲得もあって、好調のままこのコースに入った。そしてすぐにフィーリングをつかんで、両セッションでトップに迫れるようないい走りができたんだ。ダニとの差は、午前中は0.186秒で午後は0.197秒。このような形でウイークをスタートできたのは本当に素晴らしいこと。これまで表彰台を獲得したどのレースでも、初日からこれほど好調ということはなかったからね。それだけに日曜日の決勝には期待できると思う。この調子でいけば、きっと良い結果が得られるだろう。
今日のなかでとくに良かったことは、作業を始めたらすぐに成果が見られたこと。このコースはインディアナポリスとは違って、路面が汚れていないしグリップもしっかりしていることも助けになった。ただフロントは限界に近かったので、明日はそのあたりを改善していきたい。アイディアはもうあるんだ。それがうまくいけばきっと、もっと楽にタイムを上げていくことができるだろう」
C・クラッチロー選手談(フリー走行総合4番手/1分57秒215/37周)
「両セッションで4位。アンドレアとの差もほんのわずかだったので、ウイーク初日としては悪くなかったと思う。でもマシンはまだ、いくつかの個所で改善の余地があるようだ。午後のセッションでは、ハード・タイヤを履いてあまりうまくいかなかったので、これからデータをしっかり分析して原因を究明しなければならない。その一方でソフト・タイヤはかなりいい感じ。今日はセッション終了間際に使ったのであまり成果は出なかったけれど、実際にはもっとタイムを上げていけると確信しているよ。明日もきっと、好調をキープできるだろう。そして決勝に向けて好ポジションを狙いたい」