ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.11 8月19日 インディアナポリス
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第11戦インディアナポリスGP
■開催日:2012年8月18日(土)予選結果
■開催地:インディアナ州/インディアナポリス・モーター・スピードウェイ(4.216km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:24度 ■路面温度:48度
■PP:D・ペドロサ(1分38秒813/ホンダ)
REPORT
J・ロレンソ&YZR-M1が予選2位
ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソが予選2位を獲得。フリープラクティスまではセッティングに悩み思うようにペースが上がらなかったが、午後から行われた公式予選では劇的なまでにスピードが増して、ポールポジションにコンマ1秒差まで迫った。
チームメイトのB・スピースは今日も好調な走りを見せ、ラップレコードを0.5秒近く更新するハイペースでポールポジション獲得を目指していた。ところがT13 からT14の間で激しいハイサイドを起こして転倒。その後コースに復帰して残り8分間走行したが、タイムを上げることができず4位に留まった。このコーナーは路面コンディションが悪く、C・ストーナーとN・ヘイデンもここで転倒している。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのA・ドビツィオーゾは予選3位を獲得し、今季5度目のフロントロウ。予選セッションはストーナーとヘイデンの転倒で2度にわたって赤旗が提示される荒れた展開となったが、そのなかでドビツィオーゾは自信あふれる走りを見せて、自身では今季2度目のフロントロウを獲得した。
ウイークを通じて、チームクルーと密に協力しながらタイヤのグリップ性向上を追求してきたドビツィオーゾ。午前中に行われた最終のフリープラクティスでは1分40秒018のベストタイムで5位に留まっていたが、公式予選ではこれをコンマ8秒も更新する1分39秒235を記録した。
一方、チームメイトのC・クラッチローは7位獲得でグリッドは3列目。午前中のセッションでは小さな転倒もあり9位に留まっていたが、午後はドビツィオーゾ同様、1秒近くラップタイムを更新して1分39秒549。トップ5との差はわずか0.112秒と接近しており、明日の決勝では十分に上位を狙える状況だ。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'38.813 |
2 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'38.913 |
3 | A・ドビツィオーゾ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'39.235 |
4 | B・スピース | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'39.279 |
5 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'39.437 |
6 | C・ストーナー | Repsol Honda Team | Honda | 1'39.465 |
7 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'39.549 |
8 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'39.748 |
9 | A・バウティスタ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'40.072 |
10 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 1'40.437 |
11 | V・ロッシ | Ducati Team | Ducati | 1'40.763 |
12 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 1'40.803 |
13 | Y・エルナンデス | Avintia Blusens | BQR-FTR | 1'41.197 |
14 | K・アブラハム | Pramac Racing Team | Ducati | 1'41.295 |
15 | M・パッシーニ | Speed Master | ART | 1'41.370 |
16 | M・ピロ | San Carlo Honda Gresini | FTR | 1'41.449 |
17 | T・エリアス | Pramac Racing Team | Ducati | 1'41.866 |
18 | J・エリソン | Paul Bird Motorsport | ART | 1'41.978 |
19 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda | 1'42.553 |
20 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | Suter | 1'42.599 |
21 | I・シルバ | Avintia Blusens | BQR-FTR | 1'42.768 |
22 | S・ラップ | USA Attack Performance | APR | 1'43.673 |
23 | A・イエイツ | GPTech | BCL | 1'44.312 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(予選2位/1分38秒913/29周)
「昨日から苦しい状況が続いていて、今回はもうどうすることもできないと真剣に考えていたよ。でも予選では、リアの荷重を増やすなど大幅にモディファイしたらコーナー進入がうまくできるようになったんだ。マシンを大きくリーンさせ、素早くスロットルを開けられるようになったので、こうしてダニに近づき2位を獲得することができた。ペースは悪くない。でもダニにはまだ届かないので、明日の朝のウォームアップでもう一歩、前進したい」
B・スピース選手談(予選4位/1分39秒279/26周)
「転倒で肩を打ってしまってとても痛むんだ。たぶん靭帯をいくらか損傷していると思う。治療を受けながら明日の状況を見るよ。昨日からずっと好調で、マシンにも信頼をおいていた。今日もポールポジション獲得を目指して順調に走っていただけに悔しかった。あのコーナーは路面の状態が良くなくて、今日も何人か転倒していたね」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「非常に良かったと思う。ホルヘはマシンの改良とともにインフィールドの走り方をつかみ、今日の午前中のセッションより1秒以上も速くなった。その結果の2位。しかも安定性もあるので満足している。明日の決勝に期待したい」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「ベンが素晴らしい走りを見せたあのラップ、最後の500メートルまではすべてが完璧だった。リズムが非常に良かったので何も不安はなかった。ところが転倒という結果になってしまい、今は痛みに苦しんでいる。ホルヘのほうは非常に良い仕事をした。問題を解決してスピードを取り戻したので、明日はいいレースになるだろう。暑くなりそうなので、ライダーの体力も重要な要素になる」
A・ドビツィオーゾ選手談(予選3位/1分39秒235/30周)
「正直なところ、今日はフロントロウを獲得できるとは思っていなかったんだ。ベンとケイシーがとても速くて、彼らの前に行くのは難しそうだったからね。だから彼らの転倒は残念なことだったけれど、僕自身としては、フロントロウに並ぶということはとても重要なことだからハッピーだよ。それにこのコースではいつも以上に意味がある。と言うのも最初のセクションがとてもタイトなので、そこで頑張ってトップグループについていく必要があるんだ。タイムはもうちょっと伸ばせたと思っているけれど、タイヤを新品に交換した直後にニッキーが転倒して赤旗中断になった。今は明日の決勝を待つだけ。ここまで、セッションごとにマシンが良くなってきてとても順調なので、明日にも期待できると思う。でもレースは決して楽じゃない。コースがスリッピーなので注意深く走らなければならない。それでも終盤はスライドが激しくなるだろうね。そのなかでも僕は上位に食い込んで、好成績を目指すよ」
C・クラッチロー選手談(予選7位/1分39秒549/27周)
「予選7位は納得しているけれど、もちろん、もっと前に並べたほうが良かった。このコースは最初のいくつかのコーナーがとてもタイトなので、トラブルに巻き込まれないように細心の注意を払わなければならないんだ。ここをうまく抜けてトップグループについて行くことができれば、きっといいレースができるはず。でも上位のタイムは接近していて大きなグループになりそうなので、そのなかで激しい競り合いもあるだろうね。今日はマシンのセッティングで前進することができたんだけれど、クリアラップを取り、タイム短縮を狙うのは大変だった。お互いに抑え合ってしまった感じで、ほとんどクルーズしながらスペースを探して時間を無駄にしてしまったようだ。その結果の7位。本当ならもっと上を狙えただろうけど、言い訳はしないよ。明日は好スタートを決め、トップグループに食い込めるようベストを尽くすだけ」