ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.11 8月19日 インディアナポリス
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第11戦インディアナポリスGP
■開催日:2012年8月17日(金)初日総合結果
■開催地:インディアナ州/インディアナポリス・モーター・スピードウェイ(4.216km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:24度 ■路面温度:35度
REPORT
B・スピースとJ・ロレンソが初日2番手、3番手
インディアナポリスGPのフリープラクティスで、ヤマハ・ファクトリー・レーシングのB・スピースが好調な走り。トップのD・ペドロサに0.295秒差と迫る2位で1日目を終了した。午前中に行われた第1セッションは路面が汚れていたが、午後になると新しいゴムが付き、各ライダーのラップタイムも短縮された。
スピースのチームメイトのJ・ロレンソは、コンディションの良くなかった第1セッションで思うようにペースが上がらず慎重なスタート。第2セッションでは徐々にペースをつかみ、最終的にはスピースに続く3位につけた。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのA・ドビツィオーゾとC・クラッチローは、それぞれ4位と6位。昨晩は激しい雷をともなう雨に見舞われたため路面コンディションが悪く、とくに午前中に行われた第1セッションは全体にタイムが上がらず、コースレコードから2秒以上離されていた。
コンディションが改善された第2セッションでは、ドビツィオーゾが3位獲得を目標に順調に走行。その結果、第1セッションのタイムを3.2秒も更新する1分40秒560を記録し、最終的には4位につけた。3位との差はわずかに0.058秒。決勝用セッティングをさらに煮詰めていくことで、日曜日には表彰台候補のひとりとして出場することを目指す。
チームメイトのクラッチローは、午前中のセッションで7位を獲得していたが、昨夜から残った水たまりに足を取られて転倒を喫してしまった。しかし幸い怪我はなく、再びマシンにまたがるとペースを取り戻し、1分41秒055のベストタイムで6位を獲得した。これは午前中の自らのタイムを2秒以上更新するものだった。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'39.783 |
2 | B・スピース | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'40.078 |
3 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'40.502 |
4 | A・ドビツィオーゾ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'40.560 |
5 | C・ストーナー | Repsol Honda Team | Honda | 1'40.623 |
6 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'41.055 |
7 | A・バウティスタ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'41.072 |
8 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'41.255 |
9 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'41.397 |
10 | V・ロッシ | Ducati Team | Ducati | 1'41.529 |
11 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 1'41.855 |
12 | K・アブラハム | Pramac Racing Team | Ducati | 1'42.279 |
13 | M・パッシーニ | Speed Master | ART | 1'42.290 |
14 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 1'42.360 |
15 | Y・エルナンデス | Avintia Blusens | BQR-FTR | 1'42.761 |
16 | M・ピロ | San Carlo Honda Gresini | FTR | 1'42.761 |
17 | T・エリアス | Pramac Racing Team | Ducati | 1'43.095 |
18 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | Suter | 1'43.813 |
19 | I・シルバ | Avintia Blusens | BQR-FTR | 1'44.122 |
20 | J・エリソン | Paul Bird Motorsport | ART | 1'44.127 |
21 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda | 1'44.609 |
22 | A・イエイツ | GPTech | BCL | 1'46.021 |
23 | S・ラップ | USA Attack Performance | APR | 1'46.619 |
COMMENT
B・スピース選手談(フリー走行総合2番手/1分40秒078)
「路面のコンディションは、午後になって格段に良くなった。マシンは始めからとても好調だったので、ちょっとした変更を行っただけで、あとは決勝用セッティングに専念することにしたんだ。タイヤはハードコンパウンドを使用。これでファステストラップを記録できたし、安定して走り切ることができたので良かったと思う。明日は柔らかめのタイヤを試して予選でタイム短縮を目指すが、決勝用のセッティングのほうは、とてもうまくいっている」
J・ロレンソ選手談(フリー走行総合3番手/1分40秒502)
「午後のセッションは少し良くなって、トップにいくらか近づくことができた。でも全体的に今日はあまりフィーリングが良くなかったので、明日はもっと気持ち良く走れるように改善していきたい。このコースでセッティングを煮詰めていくのはかなり難しそう。コーナー進入でグリップ感が不十分なので、思うように走れないんだ」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「厳しい展開だった。路面グリップが良くないのは他のライダーも同じ条件。それなのに我々がとくに苦しんでいるようだ。ホルヘは通常、路面状況を理解して安定して走ることができるのだが、このコースは良いところと悪いところがあるため、なかなかリズムをつかめないようだ。それでも午前より午後のほうが格段に良くなったので、明日はさらに前へ進みたい」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「ベンは好調なスタートを切ることができた。路面コンディションが原因でいくつか小さな問題もあったが、マシンバランスを調整し、ハードコンパウンドのタイヤでペースを上げることができた。またそのタイヤで多くの周回を重ねたあとも順調だった。一方、ホルヘは路面コンディションに悩まされた。しかし第2セッションはかなり改善されたので、明日に期待したい」
A・ドビツィオーゾ選手談(フリー走行総合4番手/1分40秒560/30周)
「午後のセッションはいいリズムで走ることができたよ。午前中は路面コンディションが最悪で、マシンのフィーリングがつかめないし、限界がどこなのかもわからなかったんだ。午後はラップタイムで3秒以上も縮まったのだから、午前中はそれほどひどかったということ。でも、このコースはいつもこうだから予想はしていた。インフィールドはいつも使用しているわけじゃないから、路面が汚れていてひどい状態なんだ。さらに加えて昨晩の雨とくれば、どうしようもないよ。そのなかでも第2セッションではセッティング変更などを行って成果もあった。明日はもっとペースを上げていけるよう頑張るよ。そして予選では最低でもセカンドロウを獲得したいね。コーナー進入のグリップがもっと上がってくれば、いい走りができると思う」
C・クラッチロー選手談(フリー走行総合6番手/1分41秒055/33周)
「午前中に大転倒をしてしまったので、午後のセッションで6位に入ることができて安心したよ。昨日の雨でまだ水たまりが残っているんだけれど、それが走行中は見えにくくて...。怪我がなかったのがラッキー。身体の左側を激しく打ち付けたんだけど、午後には、ほとんど問題なく走ることができたからね。マシンのほうはセッティングをいくつか変更して、グリップ感も向上した。セッションを通してハードコンパウンドのリアタイヤを使用して、貴重なデータも収集できた。これらが決勝に役立ってくれるだろう。今日のファステストラップはラストラップに記録したもの。これはとても良いサインで、明日以降の好調の兆しと言えると思う」