ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.10 7月29日 アメリカ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第10戦USGP
■開催日:2012年7月27日(金)初日総合結果
■開催地:カリフォルニア州/ラグナセカスピードウエイ(3.610km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:21度 ■路面温度:19度
REPORT
初日、ロレンソが総合2番手
ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソとB・スピースは、US・GPフリープラクティス初日の両セッションで好調な走り。ロレンソは素早くペースをつかみ、第1セッションではトップのD・ペドロサに0.074秒差の2位。午後からの第2セッションはセッティングの方向性が違っていたことから10分ほどの時間を無駄にしたものの、それ以外は第1セッションと同様の展開で常に上位に着け、総合2位を獲得した。暫定ポールのペドロサとの差は0.334秒。
チームメイトのB・スピースも、ホームコースで順調にペースアップ。ときにユーズド・タイヤを使用しながらハイペースをコンスタントにキープし、午前、午後ともに4位につけた。ロレンソとのタイム差はわずか0.286秒。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのA・ドビツィオーゾとC・クラッチローは、それぞれ5位、6位と好調。
ドビツィオーゾは午前中の第1セッションで5位を獲得。午後には太陽がコースを照らし大幅に気温が上がったなか、コンマ6秒も更新する1分22秒021で5位をキープした。今回も非ファクトリー・ライダーのトップ。
一方のクラッチローも午前中のセッションではドビツィオーゾにわずか0.063秒差で続く好調ぶり。午後はさらにタイムを上げるべくプッシュしていったところ、第10コーナーで転倒を喫したが幸い怪我はなかった。セッションはその後、V・ロッシの転倒の影響でコース脇のエアフェンスを交換するため一時、中断となったが、クラッチローはその再開を待って再びコースイン。最後の10分間で1分22秒258までタイムを上げ、総合6位を獲得した。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'21.088 |
2 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'21.422 |
3 | C・ストーナー | Repsol Honda Team | Honda | 1'21.457 |
4 | B・スピース | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'21.708 |
5 | A・ドビツィオーゾ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'22.021 |
6 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'22.258 |
7 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'22.434 |
8 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'22.568 |
9 | V・ロッシ | Ducati Team | Ducati | 1'22.772 |
10 | A・バウティスタ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'22.853 |
11 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 1'23.835 |
12 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 1'23.870 |
13 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | Suter | 1'24.732 |
14 | T・エリアス | Pramac Racing Team | Ducati | 1'24.739 |
15 | Y・エルナンデス | Avintia Blusens | BQR-FTR | 1'24.774 |
16 | K・アブラハム | Pramac Racing Team | Ducati | 1'24.849 |
17 | M・パッシーニ | Speed Master | ART | 1'25.000 |
18 | M・ピロ | San Carlo Honda Gresini | FTR | 1'25.065 |
19 | J・エリソン | Paul Bird Motorsport | ART | 1'25.166 |
20 | I・シルバ | Avintia Blusens | BQR-FTR | 1'25.405 |
21 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda | 1'25.422 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(フリー走行総合2番手/1分21秒422/30周)
「午後のセッションではリアにハード・タイヤを試してみたが、これが午前中のソフト・タイヤに比べてあまり良くなかったんだ。明日は、もう一度ソフトを履いてセッティングを煮詰め、それから決勝用のタイヤを決めようと思っている。それとは別に、第2セッションの最後の10分間でセッティングを変えてみたんだけれど、これも不調に終わって時間を無駄にすることになってしまった。明日の目標は、マシンのフィーリングを向上させながら、同時にラップタイムを上げていくこと」
B・スピース選手談(フリー走行総合4番手/1分21秒708/39周)
「今日は順調だったよ。午前中は路面のコンディションがあまり良くなかったんだけれど、そこでソフト・タイヤを履いて多くの周回をこなすことができた。ユーズド・タイヤでもハイペースを出すことができたので満足している。マシンはバランスが良くなっているので、あとはもう少し煮詰めるだけでコンマ数秒上がるだろう。でも決勝ペースなら問題ないと思うよ」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「ホルヘはラップタイムが非常に安定していて、フリープラクティス初日としてはとても順調。今日の時点ではダニのほうがわずかに良さそうだが、我々もいいペースをキープしている。明日は決勝用のタイヤを決めるために、いくつか試したいことがある。午後のセッションも午前同様に速かったし、これからさらに改善し、前進できると確信している」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「好調なスタート。バランスもリズムもとてもいい。マシンは2台とも非常によく走ってくれている。セッティングも正しい方向へと進んでいるので、あとはもう少し細かいところを煮詰めていく。そしてさらに改善していきたい。タイヤについてはどちらの選択肢も悪くなく、まだ決めかねている。これから決めていかなければならない」
A・ドビツィオーゾ選手談(フリー走行総合5番手/1分22秒021/46周)
「ウイーク初日としては順調なスタート。でもトップとの差はかなり大きい。第2セッションは、赤旗で中断したあとの再開でコースが混んでしまい、終盤の大事な時間帯にクリアラップがなかなかとれなかったのが残念。ベン(スピース)と同タイムくらいまでは出せたと思っているんだけれど、トップ3の21秒台前半にはまったく届きそうにないね。
第2セッションはベンに近づくことを目標にしていた。午前中は0.7秒ほど差があったけれど、午後は0.3秒差まで縮めることができたので良かったと思うよ。マシンの調子は上がってきているので、モンスター・ヤマハ・テック3チームの仕事ぶりに大満足。まだマージンが残っていると思うので、明日以降が楽しみ」
C・クラッチロー選手談(フリー走行総合6番手/1分22秒258/46周)
「今日は予定通りには運ばなかった。午後のセッションでつまらない転倒をしてしまったからね...。これは僕自身のミスなんだけど、何が起こっていたのかは、あとでデータを見てしっかり確認しないといけないと思っている。あのとき、僕としてはとくに変わったことをしたつもりはないんだ。高速からの転倒だったけれど、右脚にちょっと切り傷を負っただけで済んだのは運が良かった。でもモンスター・ヤマハ・テック3チームのスタッフたちには悪いことをしてしまったよ。彼らは今夜、マシンを修復しなければならなくなってしまったからね。
このような状況だけれど、終盤でもう一度コースに戻ることができたし、結果的に両セッションで6位以内に入ることができたことはハッピー。今夜はスタッフと話し合って、一緒に作戦を練る。そして明日以降もトップ6をキープできるよう頑張るよ」