ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.09 7月15日 イタリア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第9戦イタリアGP
■開催日:2012年7月14日(土)予選結果
■開催地:イタリア/ムジェロ(5.245 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:28度 ■路面温度:46度
REPORT
ロレンソは予選は2位
ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソは、ここまですべてのセッションでトップに立ち好調をアピールしてきたが、公式予選の最終タイムアタックの最終ラップでマシンに不具合が発生してスローダウン。これでポールポジションを逃して2位となった。ポールポジションのD・ペドロサとの差は0.139秒。
チームメイトのB・スピースはハード・コンパウンドのタイヤでセッティングを煮詰めてきたが、セッション中盤で転倒したためスペアマシンに乗り換えることとなった。このマシンはブレーキング時に振動が出てペースが上がらず、上位争いに絡めないまま9位で終了した。トップとの差は0.865秒。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローとA・ドビツィオーゾは、それぞれ6位と7位。クラッチローはセッション序盤から速さを見せて一時2位まで浮上。終盤になってリアタイヤをソフト・コンパウンドに換えてタイムアタックの臨もうとしたところで転倒してしまったが、素早くピットに戻って再スタートを図り、再びペースを上げてベストタイムを1分47秒479まで更新した。トップ3までコンマ2秒と迫っていることから、表彰台争いに自信を見せている。
チームメイトのドビツィオーゾはクラッチローから0.002秒差で7位となり、グリッドは4戦連続の3列目。スタート・ダッシュが要求されるが、これまでの3戦でもこの位置から上位争いに加わっており、今回は母国ファンのサポートも味方にして3戦連続となる表彰台獲得を目指す。終盤になってリアタイヤをソフト・コンパウンドに換えてタイムアタックを開始したが、リアブレーキにわずかに不具合が生じ、さらには遅いライダーに阻まれてしまったため1分47秒751から更新することができなかった。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1:47.284 |
2 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'47.423 |
3 | H・バルベラ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'47.545 |
4 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'47.671 |
5 | C・ストーナー | Repsol Honda Team | Honda | 1'47.689 |
6 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'47.749 |
7 | A・ドビツィオーゾ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'47.751 |
8 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'47.857 |
9 | B・スピース | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'48.149 |
10 | V・ロッシ | Ducati Team | Ducati | 1'48.502 |
11 | A・バウティスタ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'48.894 |
12 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 1'49.387 |
13 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 1'49.450 |
14 | M・ピロ | San Carlo Honda Gresini | FTR | 1'50.263 |
15 | Y・エルナンデス | Avintia Blusens | BQR-FTR | 1'50.610 |
16 | J・エリソン | Paul Bird Motorsport | ART | 1'50.812 |
17 | M・パッシーニ | Speed Master | ART | 1'50.953 |
18 | I・シルバ | Avintia Blusens | BQR-FTR | 1'51.242 |
19 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | Suter | 1'51.348 |
20 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda | 1'51.473 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(予選2位/1分47秒423/24周)
「最終ラップのひとつ前のラップから、コーナーでパワーが落ちてしまうような感じがあったんだ。最終ラップでは最終コーナーで激しくパワーが落ち込んだので、もうそれ以上は続けられなくなりピットに戻った。何度かいいラップもあったが、どれも完璧というところまでは行っていなかった。いつも、もっと上げられると思っていたんだ。決勝はタフな戦いになると思うので、冷静さを保って、最後までエネルギーをセーブできるような走りを心がけなければならない」
B・スピース選手談(予選9位/1分48秒149/23周)
「予選セッションの途中でソフト・タイヤに交換し、同時にリア・ショックのセッティングを変更した。これが原因かどうかはわからないが、そのあとフロントから転倒してしまった。マシンを乗り換えたあとも時間はまだたくさん残っていたから挽回したかったけれど、ブレーキローターに路面の砂かゴムか、何かが付いてしまったらしく振動が激しくなり、ブレーキングで突っ込んでいけなくなった。そんななかでもベストを尽くしたし、マシン自体はとても好調に走ってくれているので、ソフト・タイヤなら47秒台は出せたと思う」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「非常に順調。ペースも素晴らしかった。午前中に比べて路面温度がかなり高くなっていたので、決勝用タイヤでは47秒台までしか出ていなかった。その後タイムアタックを開始すると、運悪く電気系統に問題が出てしまいペースを上げることができなくなってしまったというわけだ。結果としてポールポジションは逃したが、依然としてフロントロウを獲得することができた。問題もすでに解決済みだから、このようなことはもう起きないだろう」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「予選セッションは順調にスタートした。しかし終わりは同様にはいかなかった。転倒がその後の展開に影響してしまったからだ。スペアマシンは振動がひどく、ベストラップを更新することができなかったのだ。それでもマシン自体はセッティングも順調でよく走ってくれているので、好成績を期待できると思っている。ホルヘのほうは、今日も素晴らしい走りを見せてくれた。最終ラップを走り切ることができなかったのは残念だったが、ペースは飛びぬけていた」
C・クラッチロー選手談(予選6位/1分47秒749/22周)
「フロントタイヤを新品に交換したあと、すぐにプッシュしすぎてしまってしまった。これにはがっかりだった。適当な温度まで達していなかったのに気がはやり、自分のミスでフロントロウを逃してしまったというわけだ。ポールポジション争いを目指していたし自信もあったが、1本しかない予選用のフロントタイヤで早々に転倒してしまった。昨日のトラブルの影響もあってマシンをピットまで持ち帰ることができなかったので、スペアマシンに乗り換えて再スタート。そして古いフロントタイヤで、27ラップ目にファステストタイムを記録した。リアタイヤについては新品のアドバンテージを最大限に生かすことができたけれど、フロントをまったくプッシュすることができなかったためポールポジション争いからは外れてしまった。決勝は5位以内を目指していく。ロレンソのペースを見れば、彼と競り合うのは難しいかもしれないが、チャンピオンシップのために少しでも多くポイントを獲得したいと思っている」
A・ドビツィオーゾ選手談(予選7位/1分47秒751/25周)
「決勝用セッティングでのペースは非常に速く、その面では今回もとてもいい仕事ができたので満足している。セッションごとにマシンのフィーリングが良くなってきているけれど、フロント周りに関してはまだもう少しマージンがありそう。最後に危うく転倒してしまいそうになったので、もう少し楽にこのタイムを出せるようなマシンにしていかなければならないだろう。グリッドは3列目なので、今回もまたスタートが非常に重要。でも今までも同じようなケースで表彰台を獲得しているので、それほどひどく心配してはいないんだ。決勝では48秒台前半は出せると思っているけれど、暑くなりそうなので厳しい戦いになるだろう。ロレンソは僕らより少し速いようだけれど、その他のライダーたちとは互角に戦っていけるはず。イタリアのファンに表彰台をプレゼントしたい」