ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.09 7月15日 イタリア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第9戦イタリアGP
■開催日:2012年7月13日(金)初日総合結果
■開催地:イタリア/ムジェロ(5.245 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:26度 ■路面温度:42度
REPORT
ロレンソ、フリープラクティス初日はトップタイム
ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソが、フリープラクティス初日の両セッションでファステストタイムを記録。1分48秒076でトップをキープした。一方、チームメイトのB・スピースは、おもにセッティングに力を注ぎ、午前中の第1セッションでは小さな転倒があったものの、第2セッションではロレンソに0.464秒差と迫る7位につけた。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのA・ドビツィオーゾとC・クラッチローは、それぞれ5位と8位を獲得して好調。ドビツィオーゾはセッティング作業が順調に進み、第1セッションでは1分49秒038を記録して6位。第2セッションはフロントエンドのフィーリングを向上させるべくモディファイを加えた結果、0.7秒も短縮する1分48秒308で5位に上がった。また気温26度のなかで、ハード・コンパウンドのリアタイヤを試す絶好の機会にもなった。ソフト・コンパウンドを使用せずにトップのロレンソまでわずか0.232秒と迫っていることから、明日はさらにペースを上げてフロントロウ獲得を目指す。
クラッチローは第1セッションで1分49秒023を記録して5位。第2セッションでは、わずか4周でこのタイムを更新し、最終的には1分48秒650で8位となった。伸びしろは、まだ多く残っており、決勝までにさらに上げていく決意。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'48.076 |
2 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'48.107 |
3 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'48.157 |
4 | H・バルベラ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'48.254 |
5 | A・ドビツィオーゾ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'48.308 |
6 | C・ストーナー | Repsol Honda Team | Honda | 1'48.527 |
7 | B・スピース | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'48.540 |
8 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'48.650 |
9 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'49.022 |
10 | A・バウティスタ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'49.208 |
11 | V・ロッシ | Ducati Team | Ducati | 1'49.017 |
12 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 1'49.022 |
13 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 1'50.269 |
14 | M・ピロ | San Carlo Honda Gresini | FTR | 1'51.130 |
15 | Y・エルナンデス | Avintia Blusens | BQR-FTR | 1'51.322 |
16 | M・パッシーニ | Speed Master | ART | 1'51.384 |
17 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | Suter | 1'51.857 |
18 | J・エリソン | Paul Bird Motorsport | ART | 1'51.966 |
19 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda | 1'52.109 |
20 | I・シルバ | Avintia Blusens | BQR-FTR | 1'52.558 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(フリー走行総合1番手/1分48秒076/22周)
「初めからとても速く走れたので、気分がいいよ!マシンはほとんど変更を加える必要がなく、とてもいいフィーリングで、よく走ってくれた。サスペンションもスロットルもブレーキングも感触がいい。つまりすべてが非常にクリアな感じなんだ。もちろん細かいところはまだ詰めていく必要があるけれど、初日としては最高の出来だと思う」
B・スピース選手談(フリー走行総合7番手/1分48秒540/24周)
「好天に恵まれ、暑くていい一日だった。第1セッションは悪くなかった。それで第2セッションでは、何種類かのセッティングを試してみたんだけれど、そのなかでうまくいかないものもあって時間を無駄にしてしまった。セッティングを元に戻すと、いい感じで走れるようになったが、そのころにはタイヤを消耗してしまっていたんだ。でもレース距離でのタイムとしては満足だし、明日のプラクティスで、もっと改善していくことができるはず。トップとの差をもう少し縮めなければいけないけれど、マシン自体はよく走ってくれているので、あとは細かい調整によって磨き上げていきたい」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「初日から非常に速く、またブリヂストン・タイヤのロングランでも良い感触を得ることができた。ロングランを行ったのは我々だけだったようなので、明日はもっと上げていけるはず。そんなに大きく伸びることはないかもしれないが、リズムをキープして、予選ではもう少しだけプッシュしていく」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「ウイークの初日として、順調にスタートを切ることができた。第1セッションでは転倒があり、後半を無駄にすることになってしまったが、ベース・セッティングはしっかりできており、ロングランのなかでタイヤの耐久性をチェックしてすべての面で好感触を得ることができた。その意味では、全体として好調な一日だったと言っていいだろう」
A・ドビツィオーゾ選手談(フリー走行総合5番手/1分48秒308/41周)
「ホームレースの初日として、とても順調。アッセンとザクセンリンクで表彰台を獲得し、自信を高めてムジェロに入り、地元のサポーターたちに会うことができた。最初から好調だったが、第2セッションではセッティング面でさらに大きく前進。フロントエンドのフィーリングが良くなったことで、コースのコンディションが悪化したにもかかわらずタイムを大幅に更新することができた。午後は気温が上がり、風が非常に強くなっていたので、そのなかでいい走りができてうれしい。決勝用セッティングに専念してハード・タイヤを使いながら、ロレンソまで、わずかコンマ2秒と迫ることができたのだから満足だよ。でも、より楽にこのタイムを出せるようマシンをさらに改善したいと思っている。明日も今日同様、大きな一歩前進を目指す。自信はあるよ」
C・クラッチロー選手談(フリー走行総合8番手/1分48秒650/41周)
「とても好調だったよ。最終的な8位という結果は、今の本当の速さを反映していないと思う。もっと速く走ることも可能だけれど、今日はタイムのためにプッシュするのではなく、決勝に照準を合わせたセッティング作業のほうに、より力を入れたんだ。改善できるところが、まだいろいろあって、それによって明日の公式予選では好ポジションを狙っていけると確信している。午前中のセッションでは、ちょっと問題があって時間を無駄にしてしまったけれど、そのなかでも好タイムを記録し、終始、安定したペースをキープすることができた。だから僕の本当のポテンシャルは8位よりも上だと思っている。明日は今日の成果を引き継いで、さらに上げていきたい。楽しみにしているんだ」