ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.08 7月8日 ドイツ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第8戦ドイツGP
■開催日:2012年7月6日(金)初日総合結果
■開催地:ドイツ/ザクセンリンク(3.671km)
■コースコンディション:ウエット
■気温:21度 ■路面温度:26度
REPORT
ドイツ初日、ロレンソ&YZR-M1が総合3位
ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソが、ザクセンリンクで行われた第8戦ドイツGPのフリープラクティスで好調な走り。前回のアッセンで転倒負傷し、歩行には松葉杖が必要な状態ながら、マシンにまたがると順調にペースを上げた。午前中のドライ・コンディションではトップからコンマ3秒差、午後のウエット・コンディションではコンマ1秒以下の差に縮めた。
一方、アッセンではタイヤの問題で厳しい展開を強いられたB・スピース。今回はセッティングを変更して臨んだが、思うような結果を導き出すことができなかった。そこで午後の第2セッションはセッティングを元に戻して再度テストを行うと、徐々に調子が上がり2回目のプラクティスは9位で終了した。トップとの差は0.879秒。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのA・ドビツィオーゾとC・クラッチローは、ともにフリープラクティスを順調にスタート。好天のなかで行われた第1セッションでは、それぞれ4位と5位につけた。ドビツィオーゾはトップ3に0.275秒差と迫り、クラッチローが0.159秒差で続いた。
午後のセッションでは、さらにセッティングを煮詰めていきたいところだったが、開始直前に激しい雨と強風に見舞われてコンディションが激変。理想的な状態からはかけ離れてしまったが、そのなかでもクラッチローが1分32秒744で7位、ドビツィオーゾが0.073秒差で続いてブリヂストン製ウエットタイヤのポテンシャルをアピールした。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'22.357 |
2 | C・ストーナー | Repsol Honda Team | Honda | 1'22.444 |
3 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'22.647 |
4 | A・ドビツィオーゾ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'22.922 |
5 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'23.081 |
6 | H・バルベラ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'23.091 |
7 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'23.092 |
8 | A・バウティスタ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'23.203 |
9 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'23.306 |
10 | B・スピース | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'23.353 |
11 | V・ロッシ | Ducati Team | Ducati | 1'23.481 |
12 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 1'24.210 |
13 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | Suter | 1'24.560 |
14 | M・ピロ | San Carlo Honda Gresini | FTR | 1'24.659 |
15 | Y・エルナンデス | Avintia Blusens | BQR-FTR | 1'24.786 |
16 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 1'24.855 |
17 | I・シルバ | Avintia Blusens | BQR-FTR | 1'25.512 |
18 | F・バッタイーニ | Cardion AB Motoracing | Ducati | 1'25.646 |
19 | M・パッシーニ | Speed Master | ART | 1'25.839 |
20 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda | 1'25.958 |
21 | J・エリソン | Paul Bird Motorsport | ART | 1'26.183 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(フリー走行総合3番手/1分22秒647/28周)
「マシンに乗っているときより歩いているときのほうが痛みがひどい。これはいいことなんだ。走行中はアドレナリンが助けてくれるしね! 当然100%の状態ではないから上半身がいつも以上に疲れてしまうけれど、そんななかでは両セッションともよく頑張って、いい仕事ができたと思う。怪我とノーポイントでチャンピオンシップは難しい状況になってしまったけれど、このことが逆にモチベーションを与えてくれたよ。今まで以上に懸命に取り組み、もっと強くなって、また勝利を目指したい」
B・スピース選手談:(フリー走行総合10番手/1分23秒353/40周)
「午前中のセッションはちょっと残念。いくつか試したいことがあったんだけれど、それがどうもうまくいかなかった。マシンの状態はそれほど悪くないのに、とにかくスピードが上がってこないんだ。そして午後はウエットになってしまったので、そのセッティングはもうあきらめるしかなかった。最終的に順位は9位と振るわなかったけれど、トップからそれほど大きく離されたわけじゃないから、ひどく落ち込んではいないよ。ウエットならマシンのフィーリングも悪くない。明日以降、またドライ・コンディションを試せるかどうかが気になるところだね」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「先週のアッセンはアクシデントに見舞われたので、そのあとの初めての走行としては、とても順調だったと言っていいだろう。ドライ・コンディションではトップからコンマ2秒差、ウエットではコンマ1秒以下の差まで近づいたからね。マシンのフィーリングは良さそうだし、旋回性がしっかり仕上がってきているので、明日はさらなる向上を期待している」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「ベンにとっては厳しいスタートになった。午前中のセッションではいくつか新しいセッティングを試し、前回のアッセンでの問題を解決したいと思ったが、残念ながらこの変更は方向性が違っていたようだ。そこで午後からはセッティングを元に戻して臨んだが、今度は雨になってしまった。でもウエット・コンディションではフィーリングがとても良かったようなので、明日以降に期待したい。ドライでもウエットでも、さらに前進できるよう力を尽くすだけ」
A・ドビツィオーゾ選手談(フリー走行総合4番手/1分22秒922/44周)
「ドライでもウエットでも、それほど大きく引き離されることがなく、ラップタイムもかなりいいところまで上がって来ているので満足している。午前中のドライ・コンディションでは、最初からYZR-M1にとてもいい感触をつかむことができたので、おもに決勝用のセッティングに集中していくことができた。
このコースでは過去に、プラクティスはとても好調なのに決勝でいろいろな問題が出てしまうことがあったので、今回はタイヤの耐久性向上に力を入れている。短いコースなので、そのなかでマシンを傾けている時間がとても長く、タイヤがすぐに消耗してしまう。そこで、タイヤを少しでもセーブするために、マシンのリーンアングルを小さくしようとしているんだ。また、午後からのウエット・コンディションも順調だった。スタート直後の路面が最も濡れていた時間帯で、ペドロサに楽について行くことができた。そのペドロサが、今日は両コンディションでもトップだったんだ。このようにフリープラクティス初日はとてもうまくいった。あとは明日以降の天候を見守りたい」
C・クラッチロー選手談(フリー走行総合5番手/1分23秒081/42周)
「ウイーク初日としては非常に順調。ドライでもウエットでもトップに大きく離されることなくついていくことができたからね。でもコースの第1セクションでは、どうしても遅れてしまうので、ここをもう少し改善していかなければならない。とくに最初のふたつのコーナーが問題なんだけれど、原因がよくわからない。今晩、チームスタッフと話し合って、データを分析して、明日はこのセクションを速く走れるように何らかの答を出したい。でも全体的には良かったと思っているんだ。だって去年はここで14位と最低。ペースもトップからはかなり離されていたからね。今回は両セッションで順調に走ることができて、とてもいいウイークのスタートになった」