ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.06 6月17日 イギリス
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第6戦イギリスGP
■開催日:2012年6月16日(土)予選結果
■開催地:イギリス/シルバーストーン(5.900km)
■コースコンディション:ドライ・
■気温:14度 ■路面温度:16度
REPORT
スピースがフロントロウ獲得!
ヤマハ・ファクトリー・レーシングのB・スピースが今日、シルバーストーン・サーキットで今季初のフロントロウを獲得。タイムアタックで完璧な走りを見せて一時トップに立った後、A・バウティスタに先行されて2位となった。その差はわずか0.106秒。この結果スピースは、フロントロウ中央から明日の決勝をスタートすることとなった。
チームメイトのJ・ロレンソは、セッティングが改善されてセッション序盤でトップタイムを記録。しかし周回が進むうちに徐々に順位を下げ、セッションが残り4分の1ほどになった時点で3位。この頃ちょうど雨も降り出してタイム更新の可能性がなくなったため、ロレンソは数ラップ走行しながらコンディションの回復を待っていたが、結局最後までドライに戻ることはなかった。最終的にロレンソは4位。決勝はグリッド2列目からのスタートとなる。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのA・ドビツィオーゾは8位。グリッド2列目獲得を狙っていたが、セッション終盤、ソフト・タイヤを装着してタイムアタックを開始しようとした矢先に雨が降り出してタイムを更新することができなかった。ベストタイムは2分04秒304。ドビツィオーゾはこれまでに、イギリスGPでいくつかの好成績を残している。2010年と2011年はシルバーストーンで表彰台を獲得。2009年にはドニントンパークで、唯一のモトGP優勝を果たしている。
一方のC・クラッチローは、午前中に行われた最終フリープラクティス中に転倒。高速のチャペル・カーブでコントロールを失い、左脚と足首を地面に激しく打ち付けた。サーキット内のメディカル・センターでチェックを受けたあとオックスフォートにある病院に搬送され、より詳細な検査を行っている。公式予選には出場できなかったが、検査の結果で走行が可能と判断されれば、グリッド最後尾からのスタートが許可されることになるだろう。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・バウティスタ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 2'03.303 |
2 | B・スピース | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 2'03.409 |
3 | C・ストーナー | Repsol Honda Team | Honda | 2'03.423 |
4 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 2'03.763 |
5 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 2'03.835 |
6 | H・バルベラ | Pramac Racing Team | Ducati | 2'03.876 |
7 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 2'04.162 |
8 | A・ドビツィオーゾ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 2'04.304 |
9 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 2'05.035 |
10 | V・ロッシ | Ducati Team | Ducati | 2'05.416 |
11 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 2'06.283 |
12 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 2'06.303 |
13 | Y・エルナンデス | Avintia Blusens | BQR | 2'06.814 |
14 | M・ピロ | San Carlo Honda Gresini | FTR | 2'07.016 |
15 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | Auter | 2'07.376 |
16 | M・パッシーニ | Speed Master | ART | 2'07.511 |
17 | J・エリソン | Paul Bird Motorsport | ART | 2'08.228 |
18 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda | 2'08.686 |
19 | I・シルバ | Avintia Blusens | BQR | 2'10.092 |
COMMENT
B・スピース選手談(予選2位/2分03秒409/19周)
「今日も、昨日と同様に難しいコンディションだった。でもそれは誰にとっても同じこと。僕らは僕らのベストを尽くし、素晴らしいマシンを与えてくれたチームのために、この結果を得ることができてとてもうれしい。またリアにハード・コンパウンドのタイヤを装着してベストタイムを記録することができた。ソフト・タイヤを装着したときにはコンマ数秒、上がったが、ミスをして縁石に乗ってしまった。それまでは順調にいっていたけれど、途中でだめになってしまったんだ。フロントロウ獲得は、ただただハッピー。そしてチームといい仕事ができていることもうれしく思っているよ。明日の展開に期待している」
J・ロレンソ選手談(予選4位/2分03秒763/19周)
「今日はまぁまぁ、というところ。フロントロウを狙っていたけれど、雨が降ってきたためタイムを上げることができなくなってしまった。コースを回りながら、雨が止むのをしばらく待っていたんだけれど、結局それもならなかった。でも4位は決して悪くないし、改善のためのアイディアもいくつかある。明日はウエット・コンディションになりそうだし、風も強くなるらしいから、大変なレースになるだろう。心を落ち着け、冷静に、これからの展開を見守ろう」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「予選はとてもいい結果。それは順位ではなく、マシンが昨日よりもずっと安定したことが良かったと思っている。それでもまだ、さらなる改善の余地は残っていて、依然として、我々が望んでいるものに至ってはいない。セッション終盤はもっと熱い競り合いになると思っていたので、そこで雨が降ってしまったのは残念だった。決勝は接近戦にな
るだろう」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「フロントロウ獲得は非常に良かった。ポールポジションも不可能ではなかったが、ベンが少しミスをしてチャンスを逃してしまった。また最後の5分で雨が降り出したことも不運。ホルヘはこれでフロントロウから遠ざかってしまった。マシンはペースも良く、すべてが順調に運んでいる。明日の天気が気になるところだが、どちらにしても楽観しており、決勝を楽しみにしている」
A・ドビツィオーゾ選手談(予選8位/2分04秒304/21周)
「セッション終盤で雨が降ってしまったのは、とっても残念。もっと上の順位を獲得する自信があったからね。スターティング・グリッドから第1コーナーまでがかなり短いので、8位からのスタートは楽ではないだろう。スタートの混乱を避け、序盤でしっかりついていくために、少しでも前に出ていなければいけないんだ。予選のコンディションはあまり良くなくて、昨日と同様に風が非常に強く、限界ぎりぎりまで攻めるようなことはできなかった。マシンに気持ち良く乗ることができなかったので、普段通りのリラックスができず、身体が固まってしまったような感じだったんだ。風がとくに強い場所ではマシンのコントロールも難しかった。それでも、雨が降り出す前のラップタイムは悪くなかったので、決勝ではもっと上位を走れると確信している。天候が気になるところだけれど、僕はイギリスGPとは相性がいいから、明日もまた好成績を目指して記録を伸ばしたい。カルが出場できるよう願っている。モンスター・ヤマハ・テック3の全員が彼の帰りを待っているんだ。彼にとってはとても大切なホームレースなので、怪我でレース出場を妨げられるようなことがないよう祈っている」