ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.05 6月3日 カタルニア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第5戦カタルニアGP
■開催日:2012年6月2日(土)予選結果
■開催地:スペイン/カタルニア(4.727km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:31度 ■路面温度:52度
■PP:C・ストーナー(1分'41秒295/ホンダ)
REPORT
ロレンソ、クラッチローがフロントロウ発進
第5戦カタルニアGPの公式予選は、上位陣が接戦を繰り広げる激しい展開となった。そのなかでヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソは速さを見せ、1分41秒441を記録して2位を獲得。トップのC・ストーナーとの差は0.146秒。チームメイトのB・スピースも順調に走りきり4位を獲得。フロントロウにはわずかに0.004秒届かなかった。トップとの差は0.257秒。また5位のD・ペドロサには0.104秒差をつけた。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローが、今季3度目のフロントロウを獲得する大健闘。クラッチローはセッションの残り10分の時点で1分41秒922を記録してトップに浮上。その後タイムアタックが激しくなると4位以下に後退したこともあったが、最終的にはフロントロウに返り咲きセッションを終了した。終盤になってブリヂストン製ソフト・コンパウンドのリアタイヤに履き替えタイムアタックを開始したクラッチロー。一気に1分41秒548まで短縮して2位に浮上したが、最後の瞬間にロレンソが上回り、クラッチローは3位となった。
チームメイトのA・ドビツィオーゾは、午前中に行われた最終フリープラクティスで1分41秒966の好タイムを記録して好調をアピール。午後からの公式予選でもフロントロウを目指して順調に走行を続け、残り20分でタイムアタックを開始すると、すぐさま1分41秒931に上げてトップに浮上した。その後さらに1分41秒687まで短縮したが、順位では6位に後退し、グリッド2列目を獲得して終了した。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | C・ストーナー | Repsol Honda Team | Honda | 1'41.295 |
2 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'41.441 |
3 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'41.548 |
4 | B・スピース | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'41.552 |
5 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'41.656 |
6 | A・ドビツィオーゾ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'41.687 |
7 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'42.029 |
8 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'42.065 |
9 | V・ロッシ | Ducati Team | Ducati | 1'42.175 |
10 | A・バウティスタ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'42.356 |
11 | H・バルベラ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'42.375 |
12 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | Ducati | 1'43.266 |
13 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 1'43.500 |
14 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | Suter | 1'44.024 |
15 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 1'44.041 |
16 | M・ピロ | San Carlo Honda Gresini | FTR | 1'44.356 |
17 | J・エリソン | Paul Bird Motorsport | ART | 1'44.763 |
18 | M・パッシーニ | Speed Master | ART | 1'44.764 |
19 | Y・エルナンデス | Avintia Blusens | BQR-FTR | 1'44.833 |
20 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda | 1'45.730 |
21 | I・シルバ | Avintia Blusens | BQR-FTR | 1'45.962 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(予選2位/1分41秒441/24周)
「今日の公式予選では、全員が限界ぎりぎりまで攻めていた。そのなかでフロントロウを獲得できたことがとても重要。ラップタイムは接近しているけれど、僕自身とても良い走りで好タイムを出している。タイムアタックを始めてすぐのT3のセクションではあやうく転倒という場面もあったので、こうして最終的に2位を獲得することができて本当に良かったと思っているよ。マシンについては、フロントのフィーリングをもう少し改善したいところ。今はいくつかのコーナーでまだやりにくりところがあるので、これを解決しないと決勝では難しいことも出てくるだろう。もちろんポールポジションを獲得できたらもっと良かったけれど、2位も十分にハッピー!」
B・スピース選手談(予選4位/1分41秒552/24周)
「とても好調だったよ。ただあるセクションでコンマ何秒か遅れてしまったことが悔しい。それさえなければフロントロウを獲得できていたと思うんだ。T1からT2の間は、ソフト・コンパウンドのタイヤでグリップが良すぎてしまう感じ。でもマシン自体はとても好調で、チームのみんなもセッティングのために頑張ってくれているので、明日は自信を持ってハイペースをキープし上位争いに加わっていきたい。タフなレースになるだろう。雨にならないことを祈るよ」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「非常にエキサイティングな展開になった。そのなかで2位、フロントロウを獲得できたし、ラップタイムも十分に速かった。しかし改善すべき点はまだ残っており、今日の時点でベース・セッティングに完全に満足しているとは言えない状況だ。ホルヘはフロントロウ獲得のために必死で戦わなければならず、その結果として激しい展開になった。明日に期待したい」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「今日の結果には満足している。ポールポジションを目標にしてきたことは確かだが、それが達成できなくても、十分にいいペースで走りきることができた。ベンのほうは、昨日の時点ですでにほとんど仕上がっていたが、チームはさらにセッティングを磨きこみ、また一歩前進することができた。その意味で、明日の決勝は必ずうまくいくと確信している。天気予報によれば、やや違う展開もありそうだが、どうなったとしても対応できるだけの準備が整っている」
C・クラッチロー選手談(予選3位/1分41秒548/24周)
「フロントロウに復帰することができて本当にうれしい。しかもこのコースを走るのはまだ2回目だということを考えれば、なおさら気分がいいよ。もちろん上位を目指していたし期待していたけれど、実際にどのあたりまで行けるかは、はっきりわからなかったんだ。モンスター・ヤマハ・テック3のチームのみんなが今日も素晴らしい仕事をしてくれた。おかげでスピードと安定性が向上して、この結果を得ることができたと思う。明日の決勝を楽しみにしているけれど、今日のような暑さが続けば、かなり厳しい戦いになるだろう。でも、もう準備はできているよ!
今日の午前中のフリープラクティスでは、僕が唯一、リアに古いソフト・コンパウンドを使っていた。それでも十分に速かったので、新品タイヤを履けば、もっとずっと速くなることははじめからわかっていた。セッティングのフィーリングはまだ完璧ではないけれど、ラップタイムは十分に満足できるもの。今日はとてもいい仕事ができたので、明日も同じように頑張りたい。決勝ではフロントにハード、リアにソフトを履く予定」
A・ドビツィオーゾ選手談(予選6位/1分41秒687/24周)
「ここまでの仕事の内容には十分に満足しているけれど、フロントロウを獲得できていたらもっとうれしかったはず。でも6位は決して悪くないし、決勝用セッティングでのペースが安定して速いことが、僕にとってはとても重要なことだと思うんだ。今日の午前中のフリープラクティスでは昨日よりずっと速くなっていたので、ここまでの作業がすべて、明日の決勝でも生かされるよう期待している。とくにレース後半が問題で、もしも今日と同じように暑ければ、タイヤチョイスが重要な課題になる。
どうやら僕のマシンは、ソフト・タイヤと同じようには、リアのハードタイヤが合わないようだ。でも、ロレンソはソフトタイヤが合わないようで、ここがちょっと複雑なんだ。僕としてはモンスター・ヤマハ・テック3のスタッフとしっかり話し合い、タイヤに関する戦略を立てたい。このコースはこれまでも得意だったので、決勝はいいレースができると期待している」