ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.05 6月3日 カタルニア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第5戦カタルニアGP
■開催日:2012年6月1日(金)初日総合結果
■開催地:スペイン/カタルニア(4.727km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:29度 ■路面温度:51度
REPORT
初日、ロレンソがトップタイム
ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソが、母国ファンの目の前で熱い走りを披露。フリープラクティス初日の第2セッションでトップタイムを記録した。ロレンソは唯ひとりセッションのほとんどで1分42秒台をマークしてトップをキープ。一時的に2位に後退することもあったが、ベストタイムを1分42秒099に更新してすぐにトップに復帰した。2位との差は0.207秒。
チームメイトのB・スピースは、カタルニア・サーキットでの走りをエンジョイしながら少しずつスピードを上げていった。第2セッションでは真っ先にロレンソに迫り、またロレンソに続く2番手で1分34秒台の壁を破った。コンスタントにハイペースをキープする好調ぶりで、最終タイムは1分42秒802。総合7位につけた。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローとA・ドビツィオーゾも好調ぶりをアピールし、それぞれ3位と4位を獲得した。クラッチローは大接戦となった第1セッションで4位。午後からの第2セッションでは、路面温度が50度を超える厳しいコンディションに対応するためセッティングを改良し、午前中のタイムを0.8秒も更新する1分42秒477を記録して3位を獲得した。トップのロレンソとの差はわずか0.348秒。
一方のドビツィオーゾも順調な滑り出し。午前中のセッションでは9位に留まっていたが、第2セッションはペースを上げて4位まで浮上した。クラッチローと同様、第1セッションのタイムをほぼ0.8秒短縮して1分42秒592を記録。3位のクラッチローとの差は0.145秒だった。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'42.099 |
2 | A・バウティスタ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'42.306 |
3 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'42.447 |
4 | A・ドビツィオーゾ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'42.592 |
5 | H・バルベラ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'42.639 |
6 | C・ストーナー | Repsol Honda Team | Honda | 1'42.775 |
7 | B・スピース | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'42.802 |
8 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'42.870 |
9 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'42.943 |
10 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'43.057 |
11 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | Ducati | 1'43.315 |
12 | V・ロッシ | Ducati Team | Ducati | 1'43.537 |
13 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 1'44.738 |
14 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 1'44.771 |
15 | M・ピロ | San Carlo Honda Gresini | FTR | 1'45.631 |
16 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | Suter | 1'45.868 |
17 | M・パッシーニ | Speed Master | ART | 1'46.234 |
18 | Y・エルナンデス | Avintia Blusens | BQR-FTR | 1'46.450 |
19 | I・シルバ | Avintia Blusens | BQR-FTR | 1'46.500 |
20 | J・エリソン | Paul Bird Motorsport | ART | 1'46.836 |
21 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda | 1'47.149 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(フリー走行総合1番手/1分42秒099/31周)
「フィーリングがとてもいいよ!午前中のセッションではケイシーにコンマ2秒遅れていたんだけれど、午後は初めからトップに立つことができた。日曜日の決勝のことを考えて、今日もリアにハードコンパウンドを装着。かなりのハイスピードでコーナーに突入している分、ブレーキングではもう少し改良すべきところが残っているけれど、全体的には非常に良い状態にあると思う。自分の家からすぐ近くにあるコースで行われるこのレースは、僕にとって特別なもの。僕を見に来てくれる大勢のファンのために、決勝では表彰台、そして優勝を懸命に狙っていくよ」
B・スピース選手談(フリー走行総合7番手/1分42秒802/33周)
「今日は良かった。満足しているよ。びっくりするような記録が出たわけじゃないけど、十分に速いタイムだったし、何より気分よく順調に走ることができた。でもこれをさらに良くしていくために、明日までにやらなければならないことがある。それはつまり、もう少しほかのセッティングを試すことなんだ。マシン自体は素晴らしい。チームも頑張ってくれている。あとはセッティングを調整することによって、もっとハードに攻めていけるようにしたいんだ」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「午後のセッションはとても順調だった。とは言え、まだ完璧とは言えない状態で、とくにブレーキングには問題が残っている。ストレート・エンドでもう少しうまく制動できるようにしなければならない。全体的には順調で1位という結果にも満足している。ここまではとても良かったので、明日はさらに一歩先に進めるよう力を注ぐ」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「今日はふたりともとても良かったと思う。ホルヘは見るからに調子が良く、マシンの基本的なセットアップは出来上がっている。またベンのパフォーマンスにも我々は十分に満足している。第1セッションの初めから積極的に攻めていくなど真剣に取り組んでいるので、明日を楽しみにしている。マシンのほうは調整の余地が残っているが、全体的には非常に良い状態だと思う」
C・クラッチロー選手談 (フリー走行総合3番手/1分42秒447/38周)
「ウイークのスタートとして、とてもうまくいったと思う。両セッションで速さと強さをキープすることができた。マシンも初めからとても順調だけれど、明日以降、それをさらに良くしていきたい。とくに最後のふたつのコーナーで、もっと速く走れるようにしたいんだ。タイムの面では、そこも決して悪くないんだけれど、マシンに乗った感触が完璧ではない。だからそこを改善するためには、セッティングを変えていく必要があるだろう。トップから大きく離されたわけではなく、ペースはもっと上げていくことができると確信しているけれど、今日の僕のタイムはソフト・コンパウンドのタイヤを装着して記録したもの。ダニやケイシーはハード・タイヤを履いていたようなので、実際にはもっと速くなるということを忘れるわけにはいかない。もちろん、今日の自分のパフォーマンスには満足している。ウイーク初日に順調なスタートが切れたことが自信につながっている」
A・ドビツィオーゾ選手談(フリー走行総合4番手/1分42秒592/41周)
「今日の僕たちの仕事ぶりにはとても満足しているよ。タイムも十分に良かったと思っているけれど、それをもっと伸ばせるだけの余裕もあったんだ。ベストラップはリアにソフト・コンパウンドのタイヤを履いて記録したものだが、フロント・タイヤはセッションの間ずっと換えていない。もしも前後ともに新品タイヤを装着していたら、間違いなくもっとタイムが上がっていただろう。でも今日の段階では、そこまでハードにプッシュする必要はなかったんだ。今日はおもにタイヤの耐久性向上に取り組んだ。そして、レース後半になってタイヤのグリップが落ちてきたときにも順調な走りをキープできるようなセッティングを探すことに集中した。このような暑さのなかでは、タイヤのグリップを最も良い状態で最も長くキープできるライダーが、勝利のチャンスをつかむだろう。だからこの部分に多くの時間を割いて、結果、重要なデータを得ることもできたと思う。最後に、先日のイタリアでの地震で犠牲になった方々に哀悼の意を伝えたい。この困難な時、僕の心と祈りは常に彼らとともにある」