ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.04 5月20日 フランス
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第4戦フランスGP
■開催日:2012年5月19日(土)予選結果
■開催地:フランス/ルマン(4.185km)
■コースコンディション:ウエット
■気温:16度 ■路面温度:19度
■PP:D・ペドロサ(1'33.638/ホンダ)
REPORT
ヤマハ勢は1列目と2列目を確保
モンスター・エナジー・グランプリ・フランスの公式予選は天候の変化に翻弄された。ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソとB・スピースは、ウエットから次第にドライへとかわっていくコンディションのなか、懸命にタイムアタックに挑み、最終的に4位と6位を獲得した。ロレンソは昨日の自らのタイムを更新したが、クリアラップが取れずフロントロウには届かなかった。一方のスピースは、昨日の転倒でタイヤを1セット使ってしまっていたこともあり、午前中に行われた最終のフリープラクティスでセッティングを詰め切れなかった。
モンスター・ヤマハ・テック3チームは、そのホームレースで好調ぶりをアピール。A・ドビツィオーゾとC・クラッチローが、明日の決勝での表彰台獲得に自信を見せている。ドビツィオーゾは予選3位。モンスター・ヤマハ・テック3チームがフロントロウに並ぶのは開幕以来3度目。セッションは後半になってコンディションが回復し、路面がドライになるとスリックタイヤでタイムを伸ばしたドビツィオーゾとクラッチローが一時は1位と2位を確保。残り8分ではドビツィオーゾが1分34秒099を記録し、2位以下にコンマ9秒もの差をつけた。最終的には1分33秒976まで伸ばして、ヤマハで初めてのフロントロウを獲得。2位のC・ストーナーとの差はわずか0.035秒だった。クラッチローもセッション序盤でトップに立つなど好調で、今季3度目のフロントロウ獲得にあと少しと迫ったが、わずかに届かず5位で終えた。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'33.638 |
2 | C・ストーナー | Repsol Honda Team | Honda | 1'33.941 |
3 | A・ドビツィオーゾ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'33.976 |
4 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'34.104 |
5 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'34.178 |
6 | B・スピース | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'34.669 |
7 | V・ロッシ | Ducati Team | Ducati | 1'34.907 |
8 | A・バウティスタ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'34.922 |
9 | H・バルベラ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'34.950 |
10 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | Ducati | 1'35.250 |
11 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'35.291 |
12 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 1'35.694 |
13 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'35.862 |
14 | M・ピロ | San Carlo Honda Gresini | FTR | 1'36.646 |
15 | Y・エルナンデス | Avintia Blusens | BQR-FTR | 1'37.202 |
16 | J・エリソン | Paul Bird Motorsport | ART | 1'37.666 |
17 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 1'37.760 |
18 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda | 1'37.767 |
19 | I・シルバ | Avintia Blusens | BQR-FTR | 1'38.198 |
20 | M・パッシーニ | Speed Master | ART | 1'38.511 |
21 | C・バーミューレン | NGM Mobile Forward Racing | Suter | 1'38.658 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(予選4位/1分34秒104/22周)
「残念な結果。最低でもフロントロウを獲得したかったのに、それができなかった。アンドレアが今日はとても速かったんだ。僕は結局、1度もパーフェクト・ラップができないまま終わってしまった。もしもできていればコンマ3、4秒は縮まったはずなんだけれど、今日は路面コンディションが難しかったから転倒してけがをする恐れもあったからね。今日は4位だったが、明日は表彰台と優勝を目指して戦っていけると思う。そのためにまず、スタートをばっちり決めることだね」
B・スピース選手談(予選6位/1分34秒669/23周)
「今日はコンディションが変わりやすくて難しく、それがリスクになったよ。最後になってようやく路面の状態が良くなってきたけれど、そこでタイムを上げることができたのは、他の人よりちょっと勇敢なライダーだったようだ。ここの路面は、場所によってはウエットかドライか判断しにくいところがあるんだ。そのなかで僕もベストを尽くして、なんとか2列目を確保したということ。このような路面コンディションのときに110%の力を注いでいくのは簡単なことじゃない。その意味では、まずまずの結果だと思うよ」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「コンディションの変化に翻弄された。最初は路面がかなり濡れていたが、そのあと少しずつ乾き始めたので、変化のなかのどのタイミングで何をすればいいのかの判断が難しかったのだ。昨日までは非常にいいペースで走れていただけに、今日の予選でフロントロウを獲得できなかったのは残念だ。マシンの状態は良くなってきているが、路面が乾いてからも、いくつかのコーナーが濡れていたので、そこで無理をするのはリスキーだった」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「ベンは昨日の転倒の影響もあって、今日の午前中のフリープラクティスでは苦労していた。つまり新品タイヤを使うことができず、通常のセッティング作業ができなかったのだ。そんななかで2列目を確保できたのは非常に良かったと思う。決勝がドライになれば問題はない。それはもう準備ができているのだ。だから何とか晴れてくれるように祈るしかない。ホルヘのほうは昨日より前進したが、このようなコンディションのなかでは、やはりフロントロウ獲得は難しかったようだ」
A・ドビツィオーゾ選手談(予選3位/1分33秒976/23周)
「ヤマハ・テック3で初めてのフロントロウを獲得することができて本当にうれしいよ。今回は初日からとてもいい仕事ができたと思う。どのセッションも速さをキープできたし、今日も予選セッション序盤の難しいコンディションのなかで力を発揮することができた。ラップタイムも楽に上がってきたんだ。最後の5分は、ちょっとした問題があって走ることができなかったから、それまでにフロントロウのタイムが出ていてよかった。最後の5分はタイムアタックのための重要な時間帯だから、そこを走れなかったのは残念。もしかしたらポールポジションのチャンスもあったかもしれないのにね。だから最後の5分を走らずに3位に入れたのはすごいと思う。明日は自信を持って臨めるよ。上位に食い込むだけのペースは持っているので、チームのホームレースで前を走れたら最高なんだけれど...。テック3と、僕らのメインスポンサーであり大会のスポンサーでもあるモンスターのためにも明日はベストを尽くして戦うよ」
C・クラッチロー選手談(予選5位/1分34秒178/22周)
「予選5位は悪くない結果だけれど、本当はいつものようにポールポジションを目指したかった。タイムアタックでいくつか小さなミスをしてしまい、それが原因になって最後の伸びが引き出せなかった。またマシンのセッティングもベストの状態ではなかったんだ。予選のために少しモディファイを行ったが、序盤のウエット・コンディションで、それが正しかったのかどうか判断がつかなくなってしまった。もしかしたら午前中のセッティングのままのほうが良かったのかもしれないね...。でもここまでの仕事には満足しているし、トップとのタイム差も大きくないので、決勝ではいい戦いができると信じているよ。アンドレアも今日は本当に素晴らしかった。テック3ヤマハのふたりがフロントロウを目指して競いあえたのはうれしいこと。ふたり揃って、テック3とモンスターのために好成績を獲得したい」