ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.04 5月20日 フランス
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第4戦フランスGP
■開催日:2012年5月18日(金)初日総合結果
■開催地:フランス/ルマン(4.185km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:17度 ■路面温度:23度
REPORT
J・ロレンソが初日総合3番手
ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソとB・スピースは、フランスGPのフリープラクティスを走行。コース上空は雨雲に覆われ今にも降り出しそうだったが、幸運にも最後までドライ・コンディションのまま走り切ることができた。ロレンソはコーナー進入でのリアグリップ不足に悩まされたが、セッティング変更により状況は好転し、総合3位を獲得した。
一方のスピースは第2セッションの中盤、第2コーナー進入で転倒。幸い怪我はなく、スペアマシンですぐにコースに戻って走行をつづけた。コンスタントにハイペースをキープして好調ぶりをアピールし、総合5位で1日目を終了した。
モンスター・ヤマハ・テック3チームにとっては、非常に重要なホームレースとなる今回のフランスGP。A・ドビツィオーゾは午前中の第1セッションで1分35秒065を記録して3位を獲得。第2セッションではタイヤのグリップ性と耐久性の向上を目指してセッティング作業に取り組みながら、午前中のタイムをコンマ5秒近く短縮する1分34秒585。総合順位は6位となった。明日はさらに一歩前進し、公式予選では、決勝で表彰台を狙えるポジションの獲得を目指す。ドビツィオーゾはここル・マンで多くの好成績を残しており、表彰台には合計7回、上っている。
チームメイトのC・クラッチローも好調なスタート。午前中のセッションで1分35秒318を記録したあと、第2セッションでは自らのタイムを0.7秒以上も短縮してドビツィオーゾに続く総合7位を獲得した。ドビツィオーゾとの差はわずか0.025秒。クラッチローがこのコースを走るのはまだ2回目で、YZR-M1の旋回性向上を目指しながら、経験を積むことに多くの時間を使っている。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | C・ストーナー | Repsol Honda Team | Honda | 1'33.740 |
2 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'34.005 |
3 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'34.136 |
4 | A・バウティスタ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'34.437 |
5 | B・スピース | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'34.467 |
6 | A・ドビツィオーゾ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'34.585 |
7 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'34.610 |
8 | H・バルベラ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'35.079 |
9 | V・ロッシ | Ducati Team | Ducati | 1'35.112 |
10 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'35.132 |
11 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'35.201 |
12 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | Ducati | 1'35.787 |
13 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 1'36.438 |
14 | Y・エルナンデス | Avintia Blusens | BQR-FTR | 1'36.928 |
15 | M・パッシーニ | Speed Master | ART | 1'37.093 |
16 | M・ピロ | San Carlo Honda Gresini | FTR | 1'37.310 |
17 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 1'37.585 |
18 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda | 1'38.255 |
19 | I・シルバ | Avintia Blusens | BQR-FTR | 1'38.260 |
20 | J・エリソン | Paul Bird Motorsport | ART | 1'38.395 |
21 | C・バーミューレン | NGM Mobile Forward Racing | Suter | 1'39.383 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(フリー走行総合3番手/1分34秒136/20周)
「午前中のセッションではコーナー進入がうまくいかず、マシンを信頼しきれないまま走っていた。でも午後にはリアまわりのセッティングを変更してフィーリングが良くなり、ラップタイムも大幅に短縮できたんだ。決勝の半分の距離でシミュレーションを行い、いいペースで周回することができた。これでドライ・コンディションについては準備ができたけれど、明日は雨になると皆が言っている…。そうなったらまったく状況が変わってしまうんだけれど…」
B・スピース選手談(フリー走行総合5番手/1分34秒467/18周)
「今日はまぁまぁというところ。エストリルのあとだし、このコースでは今までいいところがなかったのに、今日は両セッションとも5位以内に入ったんだから良かったよ。でも午後のセッションではちょっとミスをしてしまった。第1コーナーにハイペースで進入、次の第2コーナーも進入が速すぎて回り切れなかったんだ。スペアマシンに乗り換えたあとは、かなり多く周回したあともフロントタイヤが速さをキープすることができたから良かったとおもう。今回はマシンがとても良く走ってくれているので、明日もこの調子をキープしていきたい」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「プラクティス初日は決して楽な展開ではなかった。午前中はブレーキング時のリアのトラクションに悩まされた。エストリルでも同じ問題があって、いろいろ勉強していたので、今回はいくらかうまく対応できたようだ。その結果、午後のセッションではハンドリング性能が大きく改善された。明日はさらに一歩、前進したい。でも今日のペースには満足している」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「ベンは第2セッションで転倒があったが、それ以外は好調なスタートができたと言っていいだろう。幸い怪我もなかったので、走行を続けることができた。古いフロントタイヤでさらに多くの周回を重ねられたことは、決勝に向けて良い材料になる。ホルヘのほうは午前中はリアグリップに悩んだが、すぐに解決して調子を上げた。明日はさらに良くなってくれることを期待している。天気予報がはずれてくれることを祈ろう。さもないと今日の苦労が報われなくなってしまう…」
A・ドビツィオーゾ選手談(フリー走行総合6番手/1分34秒585/43周)
「ドライ・コンディションになったので、マシンのセットアップに専念することができてうれしい。ヤマハのマシンのフィーリングがかなり良くなってきたよ。午前中は3位につけることができたけれど、両セッションとも決勝用セッティングで、とくにタイヤの耐久性向上に力を入れていたんだ。リアタイヤを23周走らせたところでベストラップが出ているので、決勝ペースがかなり良くなっていることがわかるだろう。
今の状態でとくに大きな問題があるわけではないので、明日も大幅な変更を試みるのではなく、セッティングをさらに煮詰めていくだけ。そのなかでもフロントタイヤのフィーリングがもう少し良くなればいいと思う。明日も晴れて、またドライ・コンディションで作業を続けたい。でももしも雨になったとしても、すでに十分にいいところまで来ている。日曜の決勝では好成績を狙っていくよ」
C・クラッチロー選手談(フリー走行総合7番手/1分34秒610/41周)
「小さな問題がいくつかあったんだけれど、決勝までに解決できないようなものではない。コーナー進入で思うようにマシンを曲げることができなくて、そこで少し遅れてしまうんだ。今夜、チームで話し合い、旋回性を向上させるためのセッティングを見つけたい。
正直に言えば、ル・マンはとても難しいコースだと思っているし、良い思い出もない。去年、初めて走って、決勝で転倒してしまったので、今日は少しでも多く周回を重ねてコースレイアウトをしっかり叩き込むことがおもな目標だった。その意味では、とても順調に進んでいて、アンドレアやベンに近づくことができたので、マシンの旋回性の問題が解決できたらもっといい走りができるに違いない。明日は天気があまり良くなさそうだけれど、どんな状況になっても準備はできている。テック3とモンスターのためにベストを尽くすよ」