ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.02 4月29日 スペイン
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第2戦スペインGP
■開催日:2012年4月28日(土)予選結果
■開催地:■開催地:スペイン/ヘレスサーキット(4.423km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:16度 ■路面温度:21度
■PP:J・ロレンソ(1分39秒532/ヤマハ)
REPORT
ロレンソがポールポジション獲得
ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソが、公式予選で気を吐きポールポジションを獲得。ヘレスは今日も天候変化が激しく、それにともなってトップが29回も入れ替わる展開となった。序盤は雨雲が立ち込め路面もところどころ濡れていたため、慎重な走りにとどめていたロレンソだが、セッティング変更を行いタイヤを新品に履きかえるとペースが上がり、一気にトップまで駆け上がった。その後もこのポジションをめぐって激しい戦いが続き、最終的にロレンソがD・ペドロサをおさえてポールポジションを獲得した。ふたりの差は0.135秒。
チームメイトのB・スピースは、転倒のリスクを避けながら最大限の力を注いで6位。コース上には水たまりになっているコーナーがいくつかあり、完璧なライン取りはほとんど不可能。スピースはロレンソ同様、初めは10位以下にとどまっていた。その後、少しずつペースを上げて一時は3位まで浮上したが、最もタイムが出るタイヤを早めに使ってしまっていたため、終盤の激しい戦いで上位をキープすることができなかった。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローは4位を獲得。午前中に行われた最終フリープラクティスは雨に見舞われ、午後からの公式予選も、ところどころに水たまりが残る状態だったが、クラッチローはスリックタイヤを装着してスタート。序盤の約20分間でトップをキープしていたが、再び雨が降り出すことを恐れた他のライダーたちも早めのタイムアタックを始め、クラッチローは3位に後退した。しかし結果的に状況はドライのままで、その後もタイムは更新された。クラッチローは残り18分の時点で1分41秒646の好タイムを記録して再びトップに浮上したが、第1コーナーで転倒。すぐに再スタートして最終的には1分40秒570まで記録を短縮して4位となった。3位との差はわずかに0.007秒だった。
チームメイトのA・ドビツィオーゾもフロントロウ獲得を目指していたが、セッティングが思うように煮詰まらず、本来の実力を発揮できないまま7位にとどまった。ベストラップは1分41秒180で、6位との差は0.090秒。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'39.532 |
2 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'39.667 |
3 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'40.563 |
4 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'40.570 |
5 | C・ストーナー | Repsol Honda Team | Honda | 1'40.577 |
6 | B・スピース | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'41.090 |
7 | A・ドビツィオーゾ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'41.180 |
8 | A・バウティスタ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'41.447 |
9 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'41.550 |
10 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 1'41.700 |
11 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | Ducati | 1'41.724 |
12 | H・バルベラ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'41.871 |
13 | V・ロッシ | Ducati Team | Ducati | 1'42.961 |
14 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 1'43.135 |
15 | M・ピロ | San Carlo Honda Gresini | FTR | 1'43.363 |
16 | M・パッシーニ | Speed Master | ART | 1'44.308 |
17 | Y・エルナンデス | Avintia Blusens | BQR-FTR | 1'44.467 |
18 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda | 1'44.645 |
19 | I・シルバ | Avintia Blusens | BQR-FTR | 1'44.717 |
20 | J・エリソン | Paul Bird Motorsport | ART | 1'45.724 |
21 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | Suter | 1'46.200 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(予選1位/1分39秒532/24周)
「難しいセッションだっただけに、このポールポジションがとてもうれしいよ!コースはいたるところに水たまりがあって、非常に危険な状態。簡単に転倒や怪我につながってしまうので、万全の注意をはらって慎重に行かなければならなかった。でも最終的にはこうしてトップに立つことができたので、あとは明日の決勝に期待するだけ。激しくコンディションが変わるなかでも、正しいセッティングをキープするため懸命に頑張ってくれたチームのみんなに感謝している」
B・スピース選手談(予選6位/1分41秒090/26周)
「実際、怖くて危ないセッションだった、誰にとってもね。コースは最初の頃濡れていて、そのあと少しずつコンディションが回復していったんだけれど、ちょうど行きたいラインにいくつか水たまりが残っていたんだ。ドライと言えるコンディションは今日が初めてだったのでハードに攻めていきたかったけれど、今日のセッティングはここでは実際に試したことがなく、データ上だけで検討していたもので、良いところもあったがそうでないところもあった。それとは別に、雨雲が近づいてきていたので、予選用タイヤを早めに使ってしまった。フロントロウをキープすることができず残念だったけれど、ミスをしたり、また転倒したりしてチームのみんなの仕事を増やしたくなかったんだ。今日の難しいコンディションを考えれば、ミスなく走り切り2列目につけることができたのだからハッピーだよ」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「このようなコンディションのなかでセッティングで賭けをしたり、セッティング変更のために何度もピットインしたことを考えると、最終的に最高の結果を得ることができて非常に満足している。初めは、そろそろ雨が降り出しそうに見えたので心配していたが、なんとかドライのままもってくれた。ライダーたちもリスクを負いながら懸命に走ってくれた。前回に続き2回目のポールポジション獲得をうれしく思っている」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「ホルヘのポールポジション獲得への執念が見えた。明日につながる素晴らしい走りだった。ベンのほうも終盤はマシンのフィーリングが良くなってきて、走りも力強いものになった。明日の決勝も天候が大きく左右することになるだろうが、我々チームは自信を持って臨むことができる。スタッフたちは、頻繁に変化するコンディションにしっかりついていき、マシンを常に良い状態に保ってくれた」
C・クラッチロー選手談(予選4位/1分40秒570/23周)
「とにかく大変なセッションで、転倒もしてしまったことを考えればこの4位には満足できるよ。ほんとうにつまらないミスをしてしまって、水たまりに乗ってしまったんだ。ハイサイドだったけれど、ほとんどスロットルも開けていなかった。リアタイヤを新品に換えて1周目だったと思うので、まだ十分に暖まっていなかったのだろう。モンスター・ヤマハ・テック3のチームスタッフが、2台目のマシンをちゃんと準備してくれていた。心から感謝している。雨が降り出したときのために用意してくれていたもので、おかげですぐにコースに戻ることができた。でも自分のミスによって少しでも時間を無駄にしてしまったことはとても悔しくて、もしもそれがなかったら、またフロントロウ獲得を目指すことができたはず...。4位も決して悪くないので明日の決勝に賭けたい。前回に続いて5位以内を目指す。ただ天候は晴れか雨かどちらかにしてほしい。昨日みたいに中途半端は一番いやだよ」
A・ドビツィオーゾ選手談(予選7位/1分41秒180/29周)
「昨日からずっと、天候変化に翻弄され続けている。ヤマハのマシンのフィーリングをつかむために、僕にはもっともっと時間が必要なのに...。トップ6にかなり近いところまで来ることができたけれど、マシンに乗っているときのフィーリングはまだ完璧ではない。だから本来の自信を持った走りができないんだ。もっと時間が必要なのに、今回はドライでの走行がわずかしかできなかった。今日のようなコンディションなら、いつもの僕ならもっと力強く走れるはず。ところが実際には、それができていないんだ。カルは好調で、モンスター・ヤマハ・テック3のマシンの強さを証明している。つまり原因は僕自身ということ。明日の決勝は晴れてほしい。そしてその次のエストリルもウイーク中ずっとドライで走りたい。少しでも多く走って、YZR-M1のベストを引き出せるようになりたいんだ」