ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.02 4月29日 スペイン
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第2戦スペインGP
■開催日:2012年4月27日(金)初日総合結果
■開催地:■開催地:スペイン/ヘレスサーキット(4.423km)
■コースコンディション:ウエット
■気温:18度 ■路面温度:18度
REPORT
雨に翻弄されたプラクティス初日
ヘレス・サーキットでのフリー・プラクティス初日は時折、雨が降る難しいコンディション。午前中、路面はウエットでもドライでもない状態で、セットアップのデータ収集に役立たないため、ほとんどのライダーが走行を取りやめた。午後になると雨が強まりウエット・コンディションとなったが、45分間のセッションのなかで徐々に回復して乾いていった。
前回優勝のJ・ロレンソは第2セッション、ウエット・タイヤを装着して走行をおこなったが、徐々に乾いていく路面で消耗しグリップ不足に悩まされた。チームメイトのB・スピースもセッション前半でタイヤのセッティングを集中的に行い、最適化を目指して細かい調整に取り組んだ。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのA・ドビツィオーゾとC・クラッチローも午前中は、レイン・タイヤを試すほどウエットでなく、スリック・タイヤをテストするほどドライではないとして走行を取りやめ。午後も難しいコンディションだったが、決勝日の天候も同様になる可能性があることから、おもにウエット・タイヤのテストを目的にコースに出た。
その午後のセッションで、ドビツィオーゾは1分53秒070を記録して6位。総合成績では7位となった。明日以降も雨が予想されているため、ウエット・コンディションでのリア・トラクション不足を解決していきたいところ。一方のクラッチローはドビツィオーゾに0.3秒届かず、1分53秒352で8位、総合9位となった。クラッチローもドビジオーゾ同様、明日のフリー・プラクティスと公式予選のなかでリア・グリップの改善を目指す。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | I・シルバ | Avintia Blusens | BQR-FTR | 1'54.748 |
2 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'50.780 |
3 | V・ロッシ | Ducati Team | Ducati | 1'51.440 |
4 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'51.873 |
5 | C・ストーナー | Repsol Honda Team | Honda | 1'52.106 |
6 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'52.254 |
7 | A・ドビツィオーゾ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'53.070 |
8 | A・バウティスタ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'53.166 |
9 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'53.352 |
10 | B・スピース | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'53.409 |
11 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'53.409 |
12 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 1'54.155 |
13 | M・パッシーニ | Speed Master | ART | 1'54.370 |
14 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | Ducati | 1'54.378 |
15 | H・バルベラ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'54.581 |
16 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | Suter | 1'54.707 |
17 | Y・エルナンデス | Avintia Blusens | BQR-FTR | 1'54.915 |
18 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda | 1'55.752 |
19 | M・ピロ | San Carlo Honda Gresini | FTR | 1'56.067 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(フリー走行総合4番手/1分51秒873/13周)
「午前中は走れず、午後はウエットからドライへと変わっていった。このようなコンディションではタイヤのまん中がどんどん消耗し、8ラップくらいするとグリップがなくなってペースを落とさざるを得なくなる。日曜日も同じような天気になる可能性もあるのだから、なんとか対処しなければいけないね。大雨になってしまえばまた話は別だけれど、今日のような状況ではトップに立つのは難しい。もっとリアグリップが必要だ」
B・スピース選手談(フリー走行総合10番手/1分53秒409/18周)
「悪くなかったよ。ウエット・コンディションだったのでタイヤに少しプレッシャーをかけながらゆっくり回った。感覚がつかめてからセッティングをいくつか変更し、気持ち良く走れるところを探していったんだ。その頃にはタイヤがひどく消耗していてタイムも落ちてしまったんだけれど、他のライダーたちと同ペースで安定して走り切ることができた。今は明日を楽しみにしているよ」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「プラクティス初日はかなり奇妙な展開。午前中は走行せず、午後はハーフ&ハーフ...つまり完全なウエットではなく最後には路面が乾いてタイヤに負担がかかってしまった。今日一日で何か収穫があったのかどうかわからない。明日を待って、完全なウエットか完全なドライで走れるよう期待するしかない。今日はその中間だったので、まったく収穫はなかったとは言わないが、ほとんどそれに近い状態だった...」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「天候に恵まれず残念だった。そのなかで午前中は何もできなかったが、午後はいい仕事ができたと思う。ベンの好みのマシン・バランスを見つけ、彼もセッティングに満足することができたので明日が楽しみになった。ホルヘのほうは、このコンディションのなかでリア・グリップの不足に悩んだが、明日はきっともう一歩前進できるだろう」
A・ドビツィオーゾ選手談(フリー走行総合7番手/1分53秒070/11周)
「頻繁にコンディションが変化したので、マシンのセットアップについてはほとんど何もすることができなかった。ドライの時間帯はまったくなく、逆に雨が降っているにもかかわらずフルウエットを走るチャンスもなかった。でも日曜日も同じような天気になってしまう可能性もあるので、少しでも走って情報を収集しておくべきだろう。だからこの状況でのマシンを経験しておくために走行したんだ。明日こそは意義あるテストができるよう祈っている。ドライでもウエットでもいいから、そのミックスにはならないでほしいんだ。そうすればマシン・セッティングに集中することができるからね」
C・クラッチロー選手談(フリー走行総合9番手/1分53秒352/15周)
「明日以降も同じようなコンディションになったとしたら、課題は非常に多くなってしまう。今日はリア・グリップが得られず苦労したんだけれど、決勝も同じことになる可能性があるので、どうしてもこの問題を解決しなければならない。このコースは路面が乾くのがとても速く、レイン・タイヤではスピンがひどくてどうにもならない状態だったんだ。このように厳しい状況ではあったんだけれど、最終的な順位には満足していて自信にもつながった。セッティングをもう少し改良していけば、いいところへ行けるだろう」