ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.01 4月8日 カタール
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第1戦カタールGP
■開催日:2012年4月6日(金)フリー走行総合結果
■開催地:カタール/ロサイル・サーキット(5.380km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:26度 ■路面温度:24度
REPORT
ロレンソがフリー走行総合トップと好発進
2012シーズン開幕戦のフリープラクティスが木曜日から計3回行われ、ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソがトップタイムをマークした。今日の最初のセッションは2位に留まりC・ストーナーに0.214秒差をつけられたが、次のセッション終盤でリアタイヤをソフト・コンパウンドに交換するとさらにペースが上がりトップに躍り出た。2位にはテック3ヤマハのC・クラッチローが入り、その差は0.154秒。
一方、ロレンソのチームメイトのB・スピースは残念な結果。決勝を想定したロングランを行うなかで、おそらくフロントタイヤが暖まっていなかったことが原因で転倒してしまった。怪我はなく、一度ピットに戻ってから再スタートしたが、スペアマシンに不具合が出たため途中で走行を切り上げることとなった。3回目のフリー走行では1分57秒030と11番手だったが、総合では今日の最初のセッションで出した1分56秒671により9番手となった。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローとA・ドビツィオーゾは、それぞれ2位、4位と健闘。これでトップのロレンソを含めて、4位までに3台のヤマハ勢が入る好調ぶり。
クラッチローはロレンソにわずか0.154秒差と迫る1分55秒456の好タイムをマーク。走りにも自信をつけており、明日の公式予選では自身初のフロントロウ獲得を狙う。一方のドビツィオーゾも順調にペースを上げてきている。今日の最初のセッションでは1分56秒648のタイムでストーナー、ロレンソに続く3位。強風がおさまり路面グリップも向上した最後のセッションでは、さらにコンマ7秒更新して1分55秒905を記録した。明日の予選ではクラッチロー同様、フロントロウ獲得を目標にしている。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'55.302 |
2 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'55.456 |
3 | C・ストーナー | Repsol Honda Team | Honda | 1'55.674 |
4 | A・ドビツィオーゾ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'55.905 |
5 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'56.114 |
6 | H・バルベラ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'56.163 |
7 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'56.402 |
8 | V・ロッシ | Ducati Team | Ducati | 1'56.535 |
9 | B・スピース | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'56.671 |
10 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'56.751 |
11 | A・バウティスタ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'56.771 |
12 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | Ducati | 1'57.223 |
13 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 1'58.261 |
14 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | Suter | 1'58.310 |
15 | M・ピロ | San Carlo Honda Gresini | FTR | 1'58.800 |
16 | Y・エルナンデス | Avintia Blusens | BQR-FTR | 1'59.087 |
17 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 1'59.169 |
18 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda | 1'59.517 |
19 | I・シルバ | Avintia Blusens | BQR-FTR | 2'00.035 |
20 | M・パッシーニ | Speed Master | ART | 2'00.226 |
21 | J・エリソン | Paul Bird Motorsport | ART | 2'00.563 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(フリー走行総合1番手/1分55秒302/17周)
「昨日までのタイムを大きく更新することができたので満足している。それにカルが2位に入ったこともとてもうれしいんだ。今年のマシンの好調ぶりがわかるからね。これからもっと磨きあげて、明日にはさらにポテンシャルを上げることができると思う。コーナー進入に課題が残っているけれど、今のところいいペースをキープできている。明日の予選ではベストを尽くし、どこまでやれるのか確かめてみたい」
B・スピース選手談(フリー走行総合9番手/1分56秒671/8周)
「昨日まではずっと順調だったのに、最も大事な今日のセッションが大荒れになってしまった。決勝のシミュレーションを行うために走り出したが、どうやらフロントタイヤをうまく暖められなかったみたい。データを分析してみないと確かなことはわからないけれど、原因はすべて自分にあったと思っているよ。スペアマシンがうまく走ってくれなかったので、今日は大切な時間が無駄になってしまった」
W・ズィーレンベルグ、ファクトリー・ヤマハ・レーシング・チームマネジャー談
「フリープラクティスは非常に順調だった。スピードも十分に出ていたし、昨日までのいくつかの課題を解決することもできた。始めは方向性を間違えていたが、すぐに正しい道が見つかったんだ。明日の課題もはっきりとわかっている。路面コンディションが良ければコーナー進入の走りを向上させて、日曜日の決勝に備えることができるだろう」
M・メレガリ、ファクトリー・ヤマハ・レーシング・チームマネジャー談
「今日のフリープラクティスは、まったくうまくいかなかった。ベンは転倒してしまい、そのあとはいろいろなセッティングを試すことができなかった。スペアマシンで再スタートしたが、電気系に不具合が出てしまい、それ以上走行を続けることは不可能だった。もちろん修理を試みたが、時間内に終わるようなものではなかったため、結局はセッションのほとんどを無駄にすることとなってしまったのだ。チームスタッフたちはこのあと、明日の走行に備えるため長い夜を過ごすことになるだろう。ベンのほうも明日はきっと頑張って、好ポジションを獲得してくれるだろう。ホルヘは非常に好調。激しく攻めながら安定していた」
C・クラッチロー選手談(フリー走行総合2番手/1分55秒456/18周)
「今日の2位にはとても満足しているよ。でもこれで終わりではなくて、明日は何としてもフロントロウを獲得したい。狙えるだけの力があると確信しているんだ。そして決勝では6位以内でバトルしながら、去年よりもさらにトップに近づきたいと思っている。今日は序盤でシャシー・セッティングの方向性を間違えてしまったので、フィーリングの良かった以前のセッティングに戻してみた。また終盤ではタイヤをソフト・コンパウンドのものに交換し、フロントはハード・コンパウンドをそのまま使用した。フロントはかなりプッシュしていったけれど、ラップタイムはとても良かったんだ。ファステストラップでは、最終コーナー立ち上がりでCRTのマシンにつかまってしまって3速から4速へのシフトチェンジがいつもより少し遅れて加速が鈍ったようだった。最速タイムが出ていただろうなどと言うつもりはないが、かなり近づけたと思う。でもホルヘにコンマ1秒差で2位という結果は、十分、自信につながった。モンスター・ヤマハ・テック3のスタッフたちが頑張ってくれたおかげ。明日も好位置を目指して戦うよ」
A・ドビツィオーゾ選手談(フリー走行総合4番手/1分55秒905/18周)
「今日もとてもいい走りができた。走るたびにヤマハのマシンに対するフィーリングが良くなってきて、自信を持てるようになってきた。レースウイークのなかでは、あまり多くの周回を重ねることができないけれど、それでもフィーリングの向上など大きな前進が見える。マシン・セッティングを大幅に変更したわけではないのに、ヤマハのマシン性能の引き出し方がわかってきた分、僕の走りは確かに良くなっているんだ。明日の予選も自信を持って臨めそう。フロントロウ獲得は簡単じゃないけれど、とにかくベストを尽くしてチャレンジしてみるよ。明日は路面コンディションが良くなるはずなので、ラップタイムも上がってくるだろう。僕自身、コースのどこで速く走れるかもわかっている。今日はモンスター・ヤマハ・テック3チームとって、とてもいい一日になった。明日もきっと、いい戦いができるだろう」