ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.16 10月16日 オーストラリア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第16戦オーストラリアGP
■開催日:2011年10月15日(土)予選結果
■開催地:オーストラリア/フィリップアイランド(4.448km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:17度 ■路面温度:33度
■PP:C・スト―ナー(1分29秒975/ホンダ)
REPORT
J・ロレンソ、予選2位フロントロウ獲得
ディフェンディング・チャンピオンのJ・ロレンソは、フリープラクティス初日に続いて2位を獲得。明日の決勝はフロントロウからスタートすることが決定した。予選セッション開始早々から好調な走りに見せてトップに立ち、そのまま後半までキープしていたが、C・ストーナーに逆転された。
チームメイトのB・スピースはスタートから3ラップ目、時速250km以上で走行中にマシンをスライドさせて転倒。ひどい打撲を負ったが、メディカル・センターで検査を受けたあとスペアマシンで再スタートし、見事7位を獲得した。決勝はグリッド3列目からスタートする。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・エドワーズとC・クラッチローは、それぞれ9位と14位。
エドワーズはマシン・セッティングを煮詰めていきながら、前後ともにソフト・コンパウンドのタイヤを装着して1分31秒237のベストラップを記録。フロントロウからコンマ7秒差でグリッド3列目を獲得した。昨年はここで7位を獲得しており、今年はそれを上回る成績を目指している。
一方のクラッチローは、チームクルーとともにマシンのフィーリング向上を追求していたが、懸命の努力にもかかわらず適切なセッティングを見つけられはいまま予選セッションを終了。バンピーな路面とグリップ不足に悩まされ、本来のポテンシャルを出し切ることができなかった。28ラップ目にベストタイムの1分32秒023を記録しており、わずか0.043秒差でV・ロッシの後ろにつけた。明日までにもう一度セッティング調整を行い、決勝ではトップ10入りを狙う。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | C・スト―ナー | Repsol Honda Team | Honda | 1'29.975 |
2 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'30.448 |
3 | M・シモンチェリ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'30.599 |
4 | A・バウティスタ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'30.714 |
5 | A・ドビツィオーゾ | Repsol Honda Team | Honda | 1'30.780 |
6 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'30.792 |
7 | B・スピース | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'30.835 |
8 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'30.871 |
9 | C・エドワーズ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'31.237 |
10 | L・カピロッシ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'31.583 |
11 | R・ド・ピュニエ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'31.635 |
12 | 青山博一 | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'31.889 |
13 | V・ロッシ | Ducati Team | Ducati | 1'31.980 |
14 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'32.023 |
15 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | Ducati | 1'32.054 |
16 | T・エリアス | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'32.503 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(予選2位/1分30秒448/24周)
「今日はとてもいい仕事にできた。たくさんのことを試すことができたので、決勝に向けて適切なセッティングを見つけることができたと確信している。明日の戦いのための最高のマシンを作り上げてくれたチームのみんなに感謝しているよ。厳しいレースになるだろうが、最も重要なのは決勝用のセッティングで、良いペースをコンスタントにキープすること。もちろん優勝を狙っていく。ここでケイシーに勝つのが簡単でないことは、よくわかっているけれど、とにかくトライしてみるよ!」
B・スピース選手談(予選7位/1分30秒835/20周)
「ちょっとラインを外れてしまったんだ。そうしたら路面が大きくうねっているところに当たってしまって、フロントが流れてしまった。ちょうど新しいセッティングを試しているところで、どうやら調子が良さそうだっただけに、この転倒は残念だったよ。3ラップ目のことだったんだけれど、あとでデータを見たら270km/hも出ていた。その分、グラベルの上を滑るスピードもとても速かったから、膝や肘や胸を激しく打ってしまったんだ。でも、いつもそんなものかな。マシン自体はとても調子がいいので、明日はスタートをうまくやりたいね。グリッド・ポジションは悪くないから、いいところへ行けるかもしれないよ!」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「予選結果はとても良かった。ホルヘは午前中からコンマ5秒も更新することができたので、我々としても非常に満足している。今日もまた奇妙な状況があって、コースのいくつかの部分で路面のグリップ性が落ちていたらしく、多くのライダーに影響した。タイヤについてはまだ決定していないが、マシンのほうはホルヘが良いフィーリングを得ているようなので心配していない。ケイシーを止めるのは簡単ではないが、我々としてもベストを尽くす」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「明日の決勝は楽な戦いにはならないだろう。このような状況のなかで、ホルヘがフロントロウに並べたことが重要だ。彼は、最後まで決してあきらめることはないだろう。そして27ラップの間ずっと、すべてを賭けて戦ってくれると信じている。ベンのほうは不運な転倒があったが、7位を獲得することができた。身体中に痛みがある状態にもかかわらず、懸命にプッシュし、ベストを尽くして走りきった。明日も彼にとっては厳しく辛い戦いになってしまうだろうが、我々は彼が100%の力で走り抜く人間だということを、よく知っているのだ」
C・エドワーズ選手談(予選9位/1分31秒237/29周)
「難しいコンディションだったから、そのなかで3列目を獲得できたことに満足しているよ。路面がとてもバンピーだったこともあるんだけれど、それよりも今日は、強い風のほうが問題だったんだ。ところどころで急に激しくなったりして、まったく予想がつかない。前のラップで右側から吹かれたと思って準備していると、次のラップでは反対から吹き飛ばされる、というような状況。こんなことがなければ、つまり毎ラップ思い通りのラインを走ることができたとすれば、みんなあとコンマ5秒は速くなっているだろう。すべては風のいたずらというわけ。
マシン自体は絶好調。モンスター・ヤマハ・テック3のチームもいつも通りに素晴らしい仕事をしてくれた。だからこそ僕は、明日の決勝でいい戦いができると確信しているよ。タイヤは前後ともソフト・コンパウンドを履く予定で、この組み合わせでマシンもよく走ってくれている。昨日はハード・コンパウンドを試したけれど、どうもうまくいかなかったんだ。決勝ではスタートでタイヤを酷使しすぎないように気をつけなければならない。レースを楽しんで、好成績を獲得したい」
C・クラッチロー選手談(予選14位/1分32秒023/28周)
「10位以内を狙っていたから、今日の結果は本当に残念。マシン・セッティングが最後までどうしてもうまくいかなかった。昨日の走行でも前後グリップが十分に感じられず、コーナリングにも問題が残ってしまったので、昨晩は長い時間をかけてデータを分析。それに沿って今日は大幅なセッティング変更をしたんだけれど、実際のところあまり効果は見られなくて、同じ問題が残ってしまったんだ。路面がバンピーなせいもあるけれど、それをうまく吸収することができないから、結局はグリップを得られずスピードを上げることができない。これらの問題が解決するためにいろいろなことを試してみたけれど、なぜかどれもうまくいかなかった。30ラップも走ったタイヤと、新品のタイヤとでタイムが変わらないような状態なので、今夜もう一度みんなで話し合い、明日の決勝までに何らかの解決策を見つけたい」