ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.16 10月16日 オーストラリア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第16戦オーストラリアGP
■開催日:2011年10月14日(金)初日フリー走行総合結果
■開催地:オーストラリア/フィリップアイランド(4.448km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:21度 ■路面温度:44度
REPORT
J・ロレンソ、初日総合2番手
輝く太陽と暖かい空気に恵まれ、第16戦オーストラリアGPがスタート。ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソはフリープラクティスで好調をアピールし、第1セッションでは順調にペースを上げてC・ストーナーに0.269秒差と迫る2位を獲得。午後から行われた第2セッションは、路面コンディションの変化でリアグリップが低下したこともあり、タイムを更新することができずに3位に留まった。トップとの差は0.576秒。
ロレンソのチームメイトのB・スピースは、第1セッションはマシン・セッティングに苦しみペースを上げることができなかったが、第2セッションではセッティング変更が功を奏してタイムを大幅に更新。第1セッションの8位から4位まで上げて終了した。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・エドワーズが4位獲得と健闘。第1セッションではスタートからセッティングが決まって素早くペースを上げ、1分31秒480を記録して4位。第2セッションも好調のまま臨みポジションキープを目指したが、セッティング変更が裏目に出る形となり、タイムを更新することができなかった。ベストラップは1分31秒805、順位は9位に留まったが、両セッションの総合で4位獲得が決定した。コーナリング性能では課題も残っているため、チーム・スタッフと相談しながら明日までに改善を目指す。
チームメイトのC・クラッチローは1分31秒969のベストタイムを記録して総合12位。ワールドスーパースポートとワールドスーパーバイクではフィリップアイランドを走った経験があり、コース自体は熟知しているが、主にモトGPマシンでのスピードに慣れることに時間を費やした。第1セッションのベストタイムは1分32秒583。第2セッションでは、わずか4ラップでこれを更新した。最終的にはコンマ5秒以上も短縮し、エドワーズにコンマ4秒差まで近づいた。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | C・スト―ナー | Repsol Honda Team | Honda | 1'30.475 |
2 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'30.744 |
3 | M・シモンチェリ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'30.912 |
4 | C・エドワーズ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'31.480 |
5 | B・スピース | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'31.495 |
6 | A・ドビツィオーゾ | Repsol Honda Team | Honda | 1'31.532 |
7 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'31.543 |
8 | 青山博一 | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'31.582 |
9 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'31.662 |
10 | R・ド・ピュニエ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'31.670 |
11 | A・バウティスタ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'31.777 |
12 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'31.969 |
13 | V・ロッシ | Ducati Team | Ducati | 1'32.014 |
14 | L・カピロッシ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'32.052 |
15 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | Ducati | 1'32.360 |
16 | T・エリアス | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'32.639 |
17 | D・カドリン | Pramac Racing Team | Ducati | 1'33.658 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(初日総合2位/1分30秒744/24周)
「午前中はとても好調だったんだけれど、午後のセッションはそれほどでもなくて、同等のタイムを出すことができなかった。コンマ5秒も遅れてしまった理由ははっきりわからないけれど、おそらく路面のコンディションが変わったせい。いずれにしても、明日もう一度走って様子を見るしかない。ケイシーはこのコースでいつもとても速いんだけれど、今日は実はそうでもなかった。決勝では優勝を狙っていって、もしだめでも表彰台を目指すよ」
B・スピース選手談(初日総合5位/1分31秒495/36周)
「フィーリングはとても良かったよ。午前中は2台ともあまりうまく走ってくれなかったから、何らかの変更が必要だった。第2セッションになるといくらか良くなったんだけれど、それでもまだ、いくつかの部分でちょっと足りない感じ。明日までにこのところを何とかしなければならないんだけれど、それができたら、あとコンマ5秒は簡単に縮められるはずなんだ。問題点はわかっているので、あとはそれをどうやって直すかということだけ。マシンのほうはチームのみんなに任せて、僕は自分のベストを尽くす。そして大勢のファンに楽しんでもらえるように頑張るよ」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「今日はとても順調。とくに午前中は良かった。でも不思議なことに、今日はあまり風もなかったのに、他のライダーも含めてストレートのスピードがあまり伸びていないようだった。ホルヘは自信を持って走っているが、リアグリップなどで改善の余地も残っている。ケイシーとの差はわずかなので、1日目としては満足できるものだ」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「ベンは午前中のセッションで問題を抱えていたが、午後には一部、解決することができ、かなり走りやすくなったようだ。依然として課題は残っているが、何をすべきかはよく理解している。明日もドライ・コンディションが続いてくれれば、セッティング変更が成功するかどうか見極めることができるだろう。全体のペースは悪くないし、タイヤ・チョイスもほぼ完了したので、フリープラクティス初日の仕事はしっかりできたということだ。ホルヘのほうは午前中から好調ぶりを見せてくれた。まだ完璧というところまでは行っていないが、明日はきっとまた一歩前進できると確信している」
C・エドワーズ選手談(初日総合4位/1分31秒480/36周)
「午前中は始めから絶好調で、ゲートから飛び出すようにスタートしたよ。ところが午後になると、そのペースに追いつくことができないんだ。午前中はフロントタイヤに十分なグリップがあったんだけれど、午後になって気温が上がると路面がちょっと滑りやすくなっていた。だから午後はフロントをハードコンパウンドに換えて様子を見てみたんだけれど、このコースでは、うまくできるところとできないところの境界線がはっきりしていることがわかったよ。マシンについては、小さな変更をひとつ行っただけなのに、すごく乗りにくくなってしまった。コースがバンピーで震動が激しく、第2セッションでは第1セッションのように気持ちよく走ることができなかったんだ。セッティングを最初のものに戻して、その上でいくつか微調整を加えてみる。とくにフロントが路面のでこぼこに対応できるものにしなければならない」
C・クラッチロー選手談(初日総合12位/1分31秒969/43周)
「結果表を見れば、それほど悪くない感じかもしれない。順位は12位だけれど、タイムではコーリンとの差がコンマ5秒以下で、彼は4位にいるんだからね。でも正直に話せば、グリップが不十分だったことやコーナリングがうまくいかなかったことなど、今日は実はとても苦しかったんだ。しかもちょっとラインを外れて路面の荒れたところに行ってしまうと転倒しそうになってしまう。だから今夜はメカニックたちとよく話し合って、明日までに改善策を探さなければならない。午前中のセッションのあとでセッティング変更を行い、おかげで少し速くなったけれど、気分良く、自信を持って走れるようになるまでにはまだ長い道のりがありそうだ。おそらく、何か劇的な変更が必要だと思う。でも僕らは必ず答を見つけられると信じているよ。そして予選では10位以内を目指したい」