ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.14 9月18日 アラゴン
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第14戦アラゴンGP
■開催日:2011年9月16日(金)初日フリー走行1結果
■開催地:スペイン/モーターランド・ アラゴン(5.078km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:25度 ■路面温度:28度
REPORT
ロレンソ暫定2番手、停電で第2セッションは中止
第14戦アラゴンGPのフリープラクティス初日は、停電のために突然の中断。このためモトGPの第2セッションは中止となってしまった。明日、午前中に予定されているフリープラクティス第3セッションは、時間を延長して行われることとなった。
午前中に行われた第1セッションではJ・ロレンソが好調な走りを見せて2位を獲得。トップのD・ペドロサからは0.449秒差。またロレンソのチームメイトのB・スピースは、ソフトコンパウンドのタイヤで3位まで浮上したが、その後、他のライダーたちがさらに速いタイヤに交換したため順位を下げ、最終的には11位でセッションを終えた。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・エドワーズとC・クラッチローは、午前中のセッションを順調に終え、午後からの第2セッション開始を待っていた。しかしスタート直前に停電となり走行は中止。それから2時間以上が経過し、現地時間の午後4時20分になってようやく回復したため、ふたりはレザースーツに着替えて再開に備えたが、またすぐに停電してしまった。これでオーガナイザーは今日の走行中止を決定し、明日に延期された。明日は予定を30分延長し、75分間のプラクティスが行われる。
このレースで150回目のモトGP出場となるエドワーズ。第1セッションでは1分51秒826を記録して9位につけた。本人はマシンのベースセッティングに満足しており、午後から試す予定にしていたモディファイにも自信を持っていた。一方のクラッチローは貴重な時間を費やしてコースを覚えることに専念したため、第2セッションの中止は痛手。それでも見事なスピードを見せて1分52秒580を記録して14位につけた。セッションを通して前後タイヤにソフトコンパウンドを履いていたが、硬めのものに交換していれば10位以内に入る自信があった。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'50.281 |
2 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'50.730 |
3 | C・スト―ナー | Repsol Honda Team | Honda | 1'50.806 |
4 | M・シモンチェリ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'50.893 |
5 | A・ドビツィオーゾ | Repsol Honda Team | Honda | 1'51.091 |
6 | R・ド・ピュニエ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'51.376 |
7 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'51.418 |
8 | V・ロッシ | Ducati Team | Ducati | 1'51.676 |
9 | C・エドワーズ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'51.826 |
10 | 青山博一 | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'51.859 |
11 | B・スピース | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'51.911 |
12 | H・バルベラ | Mapfre Aspar Team MotoGP | Ducati | 1'52.016 |
13 | A・バウティスタ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'52.224 |
14 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'52.580 |
15 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | Ducati | 1'53.158 |
16 | T・エリアス | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'53.440 |
17 | L・カピロッシ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'53.842 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(初日2番手/1分50秒730/16周)
「午前中のセッションはとても好調で、トップのダニからわずかコンマ4秒差で2位につけることができた。でも今日は路面がとても汚れていて普通の状態ではなかったから、結論を出すのはまだ早いと思う。誰が一番速いのかが分るのは明日になってからだね。今日は試したいことがたくさんあったから、午後のセッションが中止になってしまったのは残念。でもその分は明日多めに走れるということだから、そこでいいペースをつかみたいね」
B・スピース選手談(初日11番手/1分51秒911/17周)
「午前中のセッションは実際とても好調で3位まで上がることができた。でもそのあと僕たちはタイヤを交換しない選択をして、その分セッティングのほうに集中することにしたんだ。他のライダーたちは終盤になって硬めのコンパウンドのタイヤに履き替えてタイムを上げた。だから今は、明日それを使うのを楽しみにしているんだ。今日はセッティングのほうに力が入れていたから、最終順位は低かったけれど、これはこのマシンの本来の実力ではない。明日はきっとうまくいくよ。午後のセッションが中止になってしまったのは本当に残念。誰のせいでもないけれど、悔しくてしかたがないよ」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「第1セッションは順調。グリップにやや悩まされたが、最終的に2位を獲得することができたのだから悪くない。他のクラスが走行したあと路面がかなりきれいになってきていたので、午後のセッションを楽しみにしていたが、電気が来ないのでは走ることは不可能。その分、明日に期待するよ」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「プラクティスは1回だけ。第1セッションで2セットのタイヤを使いたくなかったので、タイヤ交換は行わなかった。マシンのセッティング自体は悪くなかったが、もともと午後からのセッションで適切なタイヤを試す予定にしていたからだ。今日は半分しか走ることができなかったので明日に期待するが、忙しい一日中になりそうだ。ホルヘは第1セッションで2位につけて順調なスタート。明日がますます楽しみだ」
C・エドワーズ選手談(初日9番手/1分51秒826/19周)
「一日中うちにこんなに何度もスーツを着たり脱いだりすることになるとは正直、思っていなかったよ。でも午前中はとても順調。去年はこのコースにあまり良い印象がなかったから、いいスタートができて喜んでいたんだ。去年はリアタイヤのグリップに悩まされ、決勝ではフロントにソフトコンパウンドを試して改善を期待した。でも今朝は前後ともハードコンパウンドを装着して初めからとても好調だったので、マシンのセッティングもさらに煮詰めていけると自信を持っていたんだ。ところが午後のセッションは電気のトラブルで中止。見に来てくれたファンの皆さんにとっても残念なことになってしまった。でも判断は正しかったと思うので、今日はよく休んで明日に備えたい」
C・クラッチロー選手談(初日14番手/1分52秒580/19周)
「午前中の走りにはとても満足しているんだ。充実したセッションになったし、コースをエンジョイすることができた。もう少しタイムを上げたかったところだけれど、最後まで前後タイヤをソフトコンパウンドのもので通してしまったからね。他のほとんどのライダーたちはハードコンパウンドを使用していたし、コーリンもハードコンパウンドに替えて1秒も短縮した。だから僕も同じことをしていれば、いつも目標にしている10位以内に入れたと思うんだ。それだけに第2セッションが中止になってしまったのは残念。他の誰よりも大きな痛手だよ。僕はコースも覚えなければならないというのに、そのチャンスも止められてしまったんだからね。第1セッションを終えて自信をつかみ、第2セッションを楽しみにしていた。でも自分ではどうにもならない事態だから仕方がない。もっと走りこめば必ず順位は上がってくるさ」