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Yamaha Motor Revs Your Heart

レース情報

ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.17 10月31日 ポルトガル

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第17戦ポルトガルGP
■開催日:2010年10月31日(日)決勝結果
■開催地:ポルトガル/エストリル(4.182km)
■周回数:28周(117.096km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:19度 ■路面温度:26度
■PP:J・ロレンソ(1分48秒522/ヤマハ)
■FL:J・ロレンソ(1分37秒928)

REPORT

ロレンソ優勝、ヤマハ3年連続三冠達成!

フィアット・ヤマハ・チームのJ・ロレンソとV・ロッシが、それぞれ1位、2位を獲得し、チーム、ライダー、コンストラクターの3冠達成に貢献した。ヤマハの3冠獲得は3年連続で史上初めて。

これまで悪天候に見舞われてきたエストリルは、決勝日の今日も早朝に雨が降ったため路面はところどころ濡れていたが、レースが始まる頃には明るい太陽が顔を出した。ロレンソはポールポジションから絶好のスタートを切って真っ先に第1コーナーへ。その後、1度はN・ヘイデン(ドゥカティ)に先行されたが、数秒後には再び抜き返してレースをリードした。4ラップ目にはチームメイトのロッシがロレンソを抜いてトップに浮上し、その後17周目までキープ。ロレンソはコーナー進入のブレーキングで見事なパスを見せると、そのままペースを上げて逃げ切った。ロッシは最終的に8秒離されて2位に入った。ロレンソはこれで、このコースで3年連続のポール・トゥ・フィニッシュを決めたことになる。またロッシにとっても、ここで10回目の表彰台獲得。シリーズポイントでは、C・ストーナー(ドゥカティ)がリタイアに終わったこともあり、ロッシがランキング3位に浮上。2位のD・ペドロサ(ホンダ)との差は19ポイント。

モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・エドワーズは7位。チームメイトのB・スピースは、サイティングラップで転倒して決勝は欠場。ドライ・コンディションでの走行は初めてだったためマシン・セッティングもタイヤ・チョイスも賭けのようなもの。そのなかでエドワーズは豊富な経験を生かして対応したが、とくに序盤は、ライディングやセッティングの技術だけでなくライダー自身の勇敢さも試される厳しいレースとなった。ほとんどの時間帯で5台のマシンによる3位争いの後方につけていたが、18周目にはR・ド・ピュニエ(ホンダ)をパスして7位に浮上。その時点で3位のM・シモンチェリ(ホンダ)に1.6秒差と近づいていたが、それ以上のポジションアップはならなかった。シリーズポイントではM・メランドリ(ホンダ)にわずか1ポイント差でランキング11位につけており最終戦で10位浮上を目指す。

一方、初めて走るエストリルのコースで、ここまで好調ぶりを発揮して注目されてきたスピース。決勝にも自信を見せていたがサイティングラップの2周目の第4コーナーで転倒し欠場を余儀なくされた。この転倒で左足首を脱臼したほか、シーズン序盤のルマンとシルバーストーンで負った怪我が悪化。このあとはスペインへ移動して足首のMRI検査を受ける予定。ベスト・ルーキーとしてのシーズンを良い形で締めくくるため、来週の最終戦、バレンシアでの復帰を目指している。

RESULT

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 J・ロレンソ Fiat Yamaha Team Yamaha 46'17.962
2 V・ロッシ Fiat Yamaha Team Yamaha +8.629
3 A・ドビツィオーゾ Repsol Honda Team Honda +26.475
4 M・シモンチェリ San Carlo Honda Gresini Honda +26.534
5 N・ヘイデン Ducati Marlboro Team Ducati +27.154
6 R・ド・ピュニエ LCR Honda MotoGP Honda +28.297
7 C・エドワーズ Monster Yamaha Tech 3 Yamaha +30.109
8 D・ペドロサ Repsol Honda Team Honda +44.947
9 M・メランドリ San Carlo Honda Gresini Honda +1'13.649
10 H・バルベラ Paginas Amarillas Aspar Ducati +1'17.721
11 A・バウティスタ Rizla Suzuki MotoGP Suzuki +1'17.908
12 青山博一 Interwetten Honda MotoGP Honda +1'33.025
13 L・カピロッシ Rizla Suzuki MotoGP Suzuki +1'39.752

LAP CHART

RIDERS RANKING

順位 ライダー マシン ポイント
1 J・ロレンソ Yamaha 358
2 D・ペドロサ Honda 236
3 V・ロッシ Yamaha 217
4 C・ストーナー Ducati 205
5 A・ドビツィオーゾ Honda 195
6 B・スピース Yamaha 163
11 C・エドワーズ Yamaha 99

CONSTRUCTORS RANKING

順位 コンストラクター ポイント
1 Yamaha 379
2 Honda 331
3 Ducati 266
4 Suzuki 101

COMMENT

J・ロレンソ選手談(優勝)

「ウォームアップラップのときに、まだコースの所どころに濡れた部分があることを確認していたから、初めのうちは慎重にいかなければならないと思っていた。スタートはとてもうまくいってトップに立ったけれど、そのあとバレンティーノに抜かれて少し離されてしまった。あの時のバレンティーノのほうが僕よりもペースが良かったからついて行くことができなかったんだ。でもそのうちに徐々に路面が乾いていって、僕もペースを上げられるようになったので、少しずつ差を縮めてついに抜き返すことができた。あのときはフィーリングがとても良くて、このコースで3回目の優勝を成し遂げられたことが、すごくうれしかったよ。優勝は久しぶりだったけれど、いつも自信を失っていなかったし、気持ちは強く保っていて心配したこともなかった。大好きなこのコースで勝てることはわかっていたんだ。また、今日はヤマハのトリプル・クラウンを達成することができた。チームのみんながこのために頑張ってくれたんだ」

W・ズィーレンベルグ、チーム監督談

「今日も奇妙なコンディションになってしまった。これまでずっと雨だったのに、決勝だけはドライで走らなければならなかったのだからね。タンクに燃料がいっぱいのときには、なかなか調子が上がらず、ホルヘはストレート・エンドで突っ込みすぎてしまって第1コーナーがあまりうまくいかなかった。それでも8ラップか9ラップが過ぎるとフィーリングが良くなって、バレンティーノに追いついてパスし、そのままチェッカーを目指すことができた。しばらく勝利から遠ざかっていたが、これで今季8回目の優勝を実現することができてうれしくおもっている。最終戦も優勝で飾ることができれば素晴らしいと思うので、これからも集中していかなければならない」

V・ロッシ選手談(2位)

「昨日も話したように、ウォームアップがウエットでレースがドライになってしまったから大変だったよ!このレースウイークはとても充実していて、ウエットでのセッティング作業がしっかりできたおかげで今朝のウォームアップでは最速だった。もしもそのままウエットのレースになっていれば、もっといいレースができただろうね。ドライ・コンディションに関してはまったく未知だったから、最初のうちは少しリスクをおかさなければならなかった。でも、それでもまだ足りなくて、ホルヘがリズムをつかんだときには僕より速くなっていて、何とかついていきたいと思ったけれどもどうにもならなかったんだ。いずれにしても、2位は悪くないし、ランキング争いでも役に立って3位に復活することができた。2位のペドロサとの差も大きくないしね。マシンのほうは、セッティングが良くなってきているとは言え、まだ改善すべきところも残っている。最終戦のバレンシアで優勝を狙うために、課題に取り組みたい」

D・ブリビオ、チーム監督談

「未知のセッティングでドライのレースを走り、好成績を得ることができたことはとても良かったと思う。でもその一方で、優勝にあそこまで近づいていながら実現できなかったことは非常に残念だ。2位という結果とともに今日は多くを学ぶことができたし、セッティングについても最終戦に向けて大きな収穫があった。またヤマハにとっても3冠達成といううれしい1日になった。みんなのおかげだ」

C・エドワーズ選手談(7位)

「ドライで走るのは初めてだから、賭けみたいなレースだよ。でもモンスター・ヤマハ・テック3チームのスタッフたちが素晴らしい仕事をしてくれたから、マシンはとてもいい状態に仕上がっていたんだ。もしも、何周か走ってもうまく対応できなかったとしたら大変なことになっていただろうし、ペースも上がらなかっただろうけど、今日の僕は初めからとてもフィーリングが良かったんだ。難しかったところは、どこでスライドしてしまうのかという限界がわからないこと。これで大勢が危ない思いをしていたよ。

前方のグループに追いついて3位が見えてきたけれど、それ以上はどうすることもできなかった。このことがすごく悔しいんだ。ブレーキングでは追いつくことができるのに、コーナー立ち上がりでは彼らのほうがパンチがある。だから近づくたびに、次のコーナーで離されてしまったというわけ。表彰台はすぐ目の前にあったのに、つかみ取ることができなかった」

B・スピース選手談(DNS)

「ドライでは1周も走ったことがなかったから、厳しいレースになることはわかっていたんだ。サイティングラップの1周目は順調だったが、2周目の第4コーナーでミスをしてしまった。青山とカピロッシが前にいて、彼らも同じことになりそうだったよ。タイヤの左側が十分に暖まっていなかったので、ちゃんと言うことを聞いてくれなかったんだ。ドライだったとしてもいいレースをする自信があったからとても残念。また左足首を傷めてしまい、今はかなり痛い状態だ。スペインへ行ってさらに検査をしてもらうことになるけれど、バレンシアへは行きたいしレースもしたい。そしてできることならテストもね。今後の状況を見守らなければならないけれど、今の僕の気持ちはそんなところ」

H・ポンシャラル、チーム監督談

「我々チームにとっては、良いことと悪いことがミックスした1日。コーリンは素晴らしいレースをして、常に表彰台争いのグループに加わっていた。そして最大限、力を尽くし、最終的には表彰台まであと少しというところまで迫ることができたのだ。初めてのドライでの走行で、ここまでやるのは大変なことだったに違いない。一方、ベンが転倒したことをグリッド上で聞いた。それまでずっと良い仕事をしていただけに、彼にとっては残念なことだった。このコースを見たこともなかった彼が、あのようなひどいコンディションのなかで常に上位をキープした。決勝でも表彰台を狙って行くのを想像することは不可能なことではなかったのだ。バレンシアまでに良くなってくれることを期待しているし、彼自身も走りたい気持ちでいることは分かっている。最後になったが、ホルヘの優勝を祝福したい。彼にとって、そしてヤマハにとって本当に素晴らしいシーズンになった」

中島雅彦MS開発部MotoGPグループリーダー談

「フィアット・ヤマハ・チームの久しぶりのワン・トゥ・フィニッシュとヤマハのコンストラクタータイトル確定で素晴らしい日となりました。ライダー、チームスタッフに心から感謝したいと思います。荒れた天候に翻弄され、ドライセッションの機会がないまま、いきなりのドライレースとなり、厳しい状況を予想されましたが、マシンはシミュレーションデータを基に準備してきた当初のセッティングが比較的良くワークし、ホルヘとバレンティーノも難しいコンディションの中、うまくマシンをコントロールしてくれました。コーリンも最後まであきらめない健闘を見せてくれたと思います。ベンがスタート出来なかったのは残念ですが、足首の怪我が大事に至らなかったのは不幸中の幸いです。次戦バレンシアはいよいよ最終戦、来年へつなげる上で重要なレースとなります。有終の美を飾れるように気持ちを切り替えて臨みたいと思います」

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