ロードレース世界選手権 MotoGP（モトGP）

RACE DATA

■大会名称：MotoGP第15戦マレーシアGP
■開催日：2010年10月8日（金）初日結果
■開催地：マレーシア／セパン（5.548km）
■コースコンディション：ドライ
■気温：37度　■路面温度：54度

REPORT

YZR-M1に乗るV・ロッシとJ・ロレンソが1、3番手

マレーシアGPのフリープラクティス初日、フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシがトップタイムをマーク。チームメイトのJ・ロレンソも3位と健闘した。

例年通りの暑さに加え、一定期間、使用されていなかったコースは非常に滑りやすくなっており、ライダーたちにとっては路面のグリップ不足が最大の問題となった。タイヤのフル・ポテンシャルを使いきることは難しかったが、そのなかでもヤマハのふたりは素早くペースをつかみ、ほとんどの時間帯でそろって3位以内をキープ。最終的にはロッシがトップを獲得し、ロレンソもわずかコンマ2秒差で3位となった。タイヤのゴムが路面になじんだ明日は、グリップレベルの向上も期待されており、ふたりは再度、タイム更新を目指す。

モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・エドワーズとB・スピースは、それぞれ6位と9位。

前回の日本GPでは今季最高の5位を獲得したエドワーズ。気温38度のまとわりつくような暑さのなかで行われたフリープラクティス1回目は、おもに前後タイヤのグリップ力向上に取り組み、数種類のサスペンション・セッティングを試した。そのなかで2分03秒393のタイムを記録。5位との差はわずか0.055秒だった。

一方のスピースは、セッションスタート直後に10位。その後はエドワーズと同様にグリップ性向上に努めながら、一時は4位まで浮上した。最終的には2分03秒477で9位となったが、6位からコンマ1秒以内の差に留まっている。

COMMENT

V・ロッシ選手談（フリー走行1番手/2分2秒724/21周）

「今回も初日から好スタートを切ることができた。セッティングもすぐにうまくいって、とても気分良く乗れているし、肩のほうも今のところ問題ない。路面はかなり汚れていたけれど、明日になればもっと状態がよくなるはず。僕はこのコースが大好きで、ここを走るときはいつもとても楽しいんだ。明日はもう一歩前進できるように頑張って、公式予選ではフロントロウを狙っていきたい」

D・ブリビオ、チーム監督談

「前回に引き続き、トップでウイークをスタートすることができた。バレンティーノは始めからスピードがあり、とても充実したセッションになったと思う。でも、まだ1日目に過ぎない。これからまだ、やるべきことがたくさんあるのだ。今日は路面が滑りやすくコンディションに問題があったが、これは日ごとに改善されていくだろう。このあとは予選に備えてタイヤチョイスに取り組み、またセッティングをさらに煮詰めていきたい」

J・ロレンソ選手談（フリー走行3番手/2分2秒898/ 22周）

「気温が高かったことと、路面が汚れていたこととで、今日はとても難しいコンディションだったんだ。それでも走りはとても好調で、速さもあり、タイムでもトップに近づくことができたから満足しているよ。今日は古いほうのエンジンを使ったんだけれど、明日はニューエンジンを試すつもり。4つめのセクションで少し遅れてしまうので、明日はこの部分に集中して、さらに改善していきたい」

W・ズィーレンベルグ、チーム監督談

「コースがしばらく使用されていなかったため、グリップが不足し、とても滑りやすいという印象だった。これに対応するために2種類のセッティングを試してみたが、どちらもあまり変わりがなかった。明日はもう少し状況が良くなると考えられるが、コースの改善ばかりを頼りにせず、マシンのセッティングのほうも、しっかりと取り組んでいかなければならない。それでも今日もスピードは十分にあったし、トップとの差もわずか。明日は、さらにもう少し前へ進むことができればいいと思っている」

C・エドワーズ選手談（フリー走行6番手/2分3秒393/24周）

「5位にほんの僅差の6位という結果はとてもうれしいけいれど、課題がまだたくさん残っているんだ。フロントとリアのグリップに悩まされ、通常のテストなら1日かかってやることを、たった1時間のセッションのなかで、できるだけやったけれど、まだ不十分。フロントの信頼感が得られなかったので、フロントの荷重を減らしてみたり、トラクション向上のために前後サスペンションをいろいろ変更したりした。それでもマシンを気持ちよく傾けることができなかったんだ。このような状況のなかでの6位だから、決して悪くはない。タイムが伸びないところはわかっているから、また徹夜でマシンに取り組み、明日はもっと上を目指していくよ」

B・スピース選手談（フリー走行9番手/2分3秒477/27周）

「マシンのフィーリングのわりに、タイムは悪くなかったよ。だって実は、最後尾かもしれないと思っていたくらいだからね。いつものように全力でプッシュしていくだけの自信が持てなかったんだけれど、タイムを見れば、それほど大きく離されたわけじゃなかった。だからマシンをいつものように仕上げることができれば、もっとポジションを上げていけるはず。今日は前後グリップに悩まされたし、マシンのバランスも完璧ではなかったけれど、改善のためのアイディアはたくさん持っているので、明日は必ず速くなるよ。そして決勝で5位以内を目指すために、予選で好位置を目指す」