ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.15 10月10日 マレーシア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第15戦マレーシアGP
■開催日:2010年10月8日(金)1日目フリー走行、9日(土)予選、10日(日)決勝
■開催地:マレーシア/セパン
CIRCUIT DATA
■開設:1999年
■コース長:5.548km
■サーキットレコードラップ:2分02秒108(2007年:C・ストーナー)
■サーキットベストラップ:2分00秒518(2009年:V・ロッシ)
■2009年の優勝者:C・ストーナー
REPORT
J・ロレンソ&YZR-M1、チャンピオン獲得を目指してセパンへ
モトGPは今週末、アジアでの3連戦の第2戦となる、マレーシアはセパン・サーキットを訪れる。フィアット・ヤマハ・チームは先週の日本GPでロッシとロレンソが激しい3位争いを展開。そこで4位になったロレンソが、今回はチャンピオン決定の初めての‘マッチポイント'を迎える。
もてぎではロッシにわずかに届かず表彰台を逃すこととなったロレンソだが、タイトル獲得を目指す集中力に変化はない。そして今回、順当なポジションでゴールすることができれば、その時点でチャンピオンが決定することを本人もよく承知している。唯一のライバル、D・ペドロサ(ホンダ)はもてぎで鎖骨を骨折し、今回も欠場の可能性が高い。その場合には、ロレンソはあと6ポイントを獲得するだけで夢を実現させることができるのだ。ロレンソは高速で流れるようなレイアウトのこのコースがお気に入りで、2007年にはここで自己通算2度目のタイトルを決めている。また昨年はサイティングラップでトラブルがあり後方からの追い上げを強いられたが、その後12台を抜く見事なチャージで4位まで挽回した。
一方のロッシ。もてぎでは、心配していた肩の痛みが予想以上に少なく、ロレンソとのバトルを制して表彰台に復帰。今回のセパンはもてぎ以上に肩への負担が少ないと期待されている。マシンのセッティングも順調に効果があがっており、この勢いにのって、シーズン終盤戦を好調に走りきりたいところだ。ロッシとセパンとの相性は抜群。これまでに5回の優勝を成し遂げ、本人もフィリップアイランドと並んで大好きなコースとして挙げるほど。2007年と2009年はこのサーキットでタイトルを決定しているが、自己通算9度目となった2009年は、一時10位まで後退しながら、激しいチャージを見せて3位まで挽回しての快挙だった。
南国のセパン・サーキットは、モトGPコースのなかでは最もコース幅が広く、最大で16mにもなる。また高速での方向転換、タイトなヘアピンなどが、マシンセッティングに厳格さを要求する。さらには高温多湿な気象条件によって、ライダーの体力も試されることになる。なお今回で“マレーシアGP”開催20回目となる。
COMMENT
J・ロレンソ-"夢を叶える最初のチャンス"
「今、僕の頭のなかにあるのは、ただ次の日曜日のことだけ。そう、タイトルを獲れるのかどうか…ということ。長い間の夢だから、このセパンで実現するとしたら、本当にうれしいことだよ。僕はこのコースが大好きだし、テストでたくさんの周回を走行してきた場所。それに250ccでは2007年にここでタイトルを決定していて、とてもいい思い出になっているんだ。コースは長くて近代的、でもとても暑くて雨も降りやすいところだから、天気によっては問題も出てくるだろう。去年は雨で大変なことになって、僕は最後尾からスタートしなければならなくなってしまった。だから今年はどうしても晴れてほしいんだ。チームと僕と、全員が一丸となって同じ目標に向かって進んでいる。金曜日から懸命に取り組み、決勝日には表彰台、あるいは優勝を狙っていくよ。最高の成績を目指したい」
W・ズィーレンベルグ-"我らの目標実現を願って"
「我々の目標を実現するための、最初のチャンスがめぐってきた。全員の力でここまで来ることができて、本当にうれしく思っている。ダニはどうやら出場するのは難しそうだ。もしそうなれば、あと数ポイントを獲得するだけでチャンピオンが決定するという状況だ。我々としては冷静さと集中力をキープして、いつものようにベストを尽くし、良い結果が出るのを待ちたいと思う」
V・ロッシ-"お気に入りのコースのひとつ"
「前回の日本GPはすごく刺激的なレースだった。プラクティスからずっと好調で、すべてのセッションで上位をキープして、そして決勝でもいい走りができた。こんなことは、本当に久しぶりだったよ。今回、肩の調子がどうなるのか、走りだしてみないとわからないけれど、セパンは世界中でも2つか3つの好きなコースのひとつなので、ここを走るのはいつも楽しみなんだ。冬季テストも好調で、もちろんあれからいろいろなことが変化したけれど、先週の日本での好調を見れば、今回もきっといい展開が期待できると思っているんだ」
D・ブリビオ-"できることを見てみよう"
「もてぎは非常に好調だったので、次のセパンにも期待がかかるところ。バレンティーノの肩は、日本ではあまり支障がなかったようなので安心したが、マレーシアも同じとは限らない。セパンはまったく違うタイプのコースだから、走ってみた様子を見てから判断しなければならない。でも、今の我々はとても好調で、マシンのセッティングにも大きな進歩がみられる。ウイークを通じて順調に上位をキープできたところからも、そのことをわかってもらえただろう」