ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.09 7月25日 アメリカ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第9戦USGP
■開催日:2010年7月23日(金)初日結果
■開催地:カリフォルニア州/ラグナセカスピードウエイ(3.610km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:24度 ■路面温度:41度
REPORT
ロレンソが2位、復帰2戦目のロッシは6位スタート
太陽がさんさんと降り注ぐラグナセカがMotoGPを歓迎。フィアット・ヤマハ・チームのJ・ロレンソはフリープラクティス初日を好調のうちに終え、2位のタイムを記録した。チームメイトのV・ロッシは6位。ふたりのYZR-M1は今回、間近に迫ったアメリカでのフィアット500販売開始を祝う特別のカラーリングになっており、500人のファンの顔とふたりのレザースーツが描かれている。
ロレンソは昨年、一昨年も好調だったが、今年はそれ以上に順調な様子。走行開始とともに素早くペースをつかみ、リズムに乗った。トップのC・ストーナーとの差はわずか0.233秒だが、明日はこれを埋めるために、特徴的なこのコースに自らのライディングスタイルを合わせていく努力が必要だと話している。
一方のロッシはコースの特性上、とくにコークスクリュー手前のブレーキングで前回よりも痛みが強くなっている。しかしそのこと以外は順調に運んでおり、今日の走行で得られたデータが明日以降のさらなるポジションアップに役立つものと自信を見せている。
ホームGPを迎えているモンスター・ヤマハ・テック3チームのB・スピースとC・エドワーズは、それぞれ5位と8位。スピースは新スペックのエンジンが投入されたYZR-M1で1分22秒640を記録。4位との差はわずかコンマ1秒だった。スピースは以前にこのコースでMotoGPに出場したことがあるが、このような状況は今シーズン開幕以来、初めてのこと。テキサス州旗のカラーリングが施されたマシンを駆るスピースは、コースの十分な知識を生かして、すぐにペースをつかむとポジションを上げていった。結果はディフェンディング・チャンピオンのロッシを0.02秒上回る5位。ノン・ファクトリーライダーのなかでは最速だった。ラグナセカのバンピーな路面によりスムースに対処できるようにするため、今晩の作業でマシンの安定性の向上を目指す。それによって明日の公式予選で上位グリッドを狙えるようになるだろう。
エドワーズも新しいエンジンの優位性を生かし、セッションのほとんどの時間帯で5位以内をキープする好調ぶり。タイヤは前後ともにソフトとハードを両方試し、フロントにハードタイヤを履いたときに明らかに安定性が向上。このコンビネーションで1分22秒971のベストタイムを記録して8位となった。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | C・ストーナー | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'21.699 |
2 | J・ロレンソ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'21.932 |
3 | A・ドビツィオーゾ | Repsol Honda Team | Honda | 1'22.225 |
4 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'22.559 |
5 | B・スピース | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'22.640 |
6 | V・ロッシ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'22.660 |
7 | N・ヘイデン | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'22.902 |
8 | C・エドワーズ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'22.971 |
9 | M・メランドリ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'23.021 |
10 | A・エスパルガロ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'23.693 |
11 | M・カリオ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'23.825 |
12 | M・シモンチェリ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'24.002 |
13 | H・バルベラ | Paginas Amarillas Aspar | Ducati | 1'24.326 |
14 | A・デ・アンジェリス | Interwetten Honda MotoGP | Honda | 1'24.615 |
15 | L・カピロッシ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'24.710 |
16 | A・バウティスタ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'25.031 |
17 | R・ヘイデン | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'25.432 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(フリー走行2番手/1分21秒932/31周)
「プラクティス初日としてはとても良かったと思う。大きな問題は何もなくて、すべてのことが順調に運んだという感じ。でもこのコースはケイシーがとても強いと言われているから、彼に追いつくために明日以降、必死で頑張らないとね。マシンのセッティングを大幅に変更するということではなく、僕のほうがライディングスタイルを少し変えていく必要があると思うんだ。それによってコンマ何秒か縮められれば、日曜日の決勝もきっといい戦いができるだろう。変えられることはたくさんある。明日はもっと上へ行けるように頑張るよ!」
W・ズィーレンベルグ、チーム監督談
「プラクティスは順調。大きな問題はなかったので、2台を乗り比べて良いほうを選ぶことができた。それでもフロントとリアのバランスをもう少し改善したいと思っているので、もうちょっと時間が欲しい。このコースにはコークスクリューという、かなり特徴的なコーナーがあるので、すべてをパーフェクトに仕上げるのは難しいことだとわかってはいるが...。初日を2位で終われたことはとても良かった。ストーナーとの差は0.2秒だけなので問題はない。明日はさらに良い走りができるよう、チームのみんなで協力して頑張っていく」
V・ロッシ選手談(フリー走行6番手/1分22秒660/31周)
「このコースは、僕にとっては前回のザクセンリンクよりも難しいね。とくにコークスクリューに入る前のブレーキングで足首と肩に痛みが出てしまうんだ。でもこのこと以外は順調で、明日はさらに良くなってくると思う。今日の時点ではまだフルポテンシャルを出し切れなかったんだけれど、もしあと数ラップ多く走っていれば、順位はだいぶん上がったはず。終盤はハードタイヤを使ったんだけれど、路面が汚れていたので、ちょっと合わなかったみたい。明日はフロントにもソフトタイヤを試してみようと思っている。それからカラーリングは、ちょっと特別な感じで楽しいものになっているところが気に入ってるよ。明日は揃いのヘルメットもお見せするよ!」
D・ブリビオ、チーム監督談
「今日はセッティングをいくつか試し、タイヤも両タイプを履いてみた。感触は悪くなかったが、明日はこれをひとつにまとめ、ベストのものを見つけ出さなければならない。バレンティーノの怪我の状態は、確かに前回のドイツに比べればきついだろうが、そんなにひどいというわけでもない。ただ、今日は1セッションだけだったが明日は2セッション走ることになるので、やはり注意深く状況を見守っていかなければならない。セッション終盤でハードタイヤを履いたが、タイムを上げるためにはこれはあまり良いやり方ではなかったようだ。でもあらゆるコンビネーションを試しておくことが重要で、今日収集したこれらのデータが、明日以降の作業に役立ってくれるものと信じている」
B・スピース選手談(フリー走行5番手/1分22秒640/33周)
「このコースはとてもよく知っているんだけれど、しばらく走っていなかったから、やっぱり思い出すのにちょっと時間がかかったよ。最初のセッションで5位につけることができたのはうれしいし、最終的なラップタイムにも満足している。母国に帰って来て、こうして地元のファンたちの目の前で走ることができるのだから、不満なんか言えないよね。マシンに関しては簡単に改善できるところが何箇所かあるので、これから必ずもっと良くなってくる。もう少し路面の凹凸をうまく吸収してくれるようになってくれればいいとは思っているんだけれど、それも別に大きな問題にはなっていないんだ。エンジンが改良されたことはヤマハに感謝。おかげでいい戦いができそうだ。あとはラップタイムでコンマ数秒欲しいところ。明日はきっと、上位にもっと近づいていけるだろう。終盤で続けて何周か走ったとき、タイムは特別に速かったわけではないけれども非常に安定していたのが良かったと思う」
C・エドワーズ選手談(フリー走行8番手/1分22秒971/29周)
「母国に戻り、アメリカのファンの前でレースができることがとてもうれしい。それにプラクティス・セッションが順調に運んだことにも満足しているよ。マシンは好調で、ようやく自分の本当のポテンシャルを発揮することができるようになったと思う。セッションの序盤は前後ともにソフト・コンパウンドのタイヤを履いていたんだけれど、コーナリングが思うようにいかなかったんだ。それで終盤でハードに替えたら、ほぼコンマ5秒も速くなった。だから決勝でもフロントはハードタイヤを使おうとすでに決めていて、あとはその他の変更によって、さらにフィーリングが良くなってくると確信している。とにかくハードタイヤは信頼できるんだ。マシン自体の性能も素晴らしくて、このことについては、いつも僕を支えてくれるヤマハに心からの感謝の気持ちを伝えたい。スペックの改良によってフィーリングがさらに向上。楽にタイムを上げることができるようになっているんだ。だから今回はきっとうまくいくと信じているよ」