ロードレース世界選手権 MotoGP（モトGP）

RACE DATA

■大会名称：MotoGP第6戦アッセンTT
■開催日：2010年6月25日（金）予選
■開催地：オランダ／アッセン（4.542km）
■コースコンディション：ドライ
■気温：23度　■路面温度：42度
■PP：J・ロレンソ（1分34秒515／ヤマハ）

REPORT

J・ロレンソ、今季2度目のポールポジション

フィアット・ヤマハ・チームのJ・ロレンソがポールポジションを獲得。最終ラップの完璧な走りで後続を0.282秒突き放した。2位はR・ドプニエ、3位はC・ストーナー。またモンスター・ヤマハ・テック3チームのB・スピースが、自己最高の予選4位を獲得した。

午前中のセッションではロレンソが唯一、34秒台を記録。午後からの公式予選でも真っ先に34秒台に入れて、伝統あるアッセンのコーナーを優雅に走り抜けていく。途中、ドプニエにトップを譲る時間帯もあったが、残り10分でまた逆転すると、その後は後続を寄せ付けなかった。そして最終ラップにはさらにタイムを更新し、今季2度目となるポールポジションを獲得した。

モンスター・ヤマハ・テック3チームのB・スピースとC・エドワーズは、それぞれ4位と9位。前回のシルバーストーンでモトGP初表彰台を獲得して波に乗るスピースは、グリッド2列目から、もう一度表彰台を目指す。

スピースのマシンはフロントエンドのセッティングを変更したことでコーナリング性能が向上。ブリヂストンのソフト、ハードいずれのコンパウンドでも安定した速さを見せ、予選セッション残り1分で1分34秒926を記録して4位を獲得した。3位のストーナーとの差はわずか0.123秒。ポールポジションからは0.4秒差。スピースはブリヂストン、テック3のクルーとともにデータを分析し、明日までに使用タイヤを決定する。

一方のエドワーズは、フリープラクティス1日目に4位を獲得したあと、フロントエンドのセッティングにさらに調整を加えた。2日目の今日は新しいジオメトリーに適応することに専念し、最終的に1分35秒393の9位でセッションを終えた。

COMMENT

J・ロレンソ選手談(予選1位/1分34秒515/31周）

「2回目のポールポジションを獲得できてとてもうれしいよ。しかも今回はフリープラクティスからずっと、すべてのセッションでトップを記録することができたから、とても自信になっている。明日はかなりおもしろいレースになると思う。もちろん優勝を狙いたいね。でも最大の目標はやっぱり、いつもと同じで完走してポイントを獲得すること。逃げ切れれば最高だけど、もしそれがだめなら表彰台を目指していくよ。ポイントで大きくリードしている分、冷静でいられることは確かだけれど、それでも僕らは常にベストを尽くして今のレベルをキープできるように頑張らなければならない。リラックスなんかしていないよ」

W・ズィーレンベルグ、チーム監督談

「今回も非常に順調。そして2度目のポールポジションを獲得することができて非常にうれしい。昨日の晩、マシン・セッティングを少し調整したが、それが功を奏して今日はコンマ数秒もタイムが縮まった。ホルヘの走りも非常に安定しており、すべてがうまくいっている状態だ。唯一、残っている課題は決勝用のタイヤを決めること。ブリヂストン・タイヤは今回、どのコンパウンドもとてもいいので、明日の天候と気温を見て、ウォームアップでチェックしてから決定することになる」

B・スピース選手談(予選4位/1分34秒926/21周)

「今までで最高の予選セッションだった。今はとてもうれしい気持ちだよ。2列目を狙っていたけど、その後ろになってしまうんじゃないかという不安もあったんだ。ソフト・コンパウンドのタイヤでどこまで行けるか確信がなかったんだけれど、いざ履き替えてみるとペースが上がった。ここまでとても調子がいいし、タイヤはハードもソフトも問題ないので、あとは明日の天気を見て、それからブリヂストンの意見を聞いて決めることにするよ。ソフトタイヤならレース序盤からペースを上げていけるけれど、そのあとは逆に厳しくなるかもしれないね。

この予選結果から見れば、もう一度表彰台に上ることも現実的な目標になったと言っていいだろう。トップのホルヘとの差はまだまだ大きいけれど、3位から6位くらいまではかなり接近しているからね。僕はちょうどそのなかにいて、うまくいけば3位が可能な位置なんだ。でも激しいドッグファイトになるから、簡単に6位や7位まで落ちてしまうというわけ。ラップタイムではシルバーストーンのときよりも差が小さいのだから、不可能なことはないはずなんだ」

C・エドワーズ選手談(予選9位/1分35秒393/32周)

「2台のマシンはフロントエンドのジオメトリーが異なっていて、片方はあまり好きになれなかったけれども、もう片方はフィーリングが良くしっかり攻めていくことができた。昨日までのセッティングから、さらにホルヘのものに近付いていて、フロントを気にすることなく思い通りの位置に持っていくことができるんだ。それでもセッティングは依然として完璧ではなくて、フロントフォークがまだちょっと硬いので、今晩はそこを改善するべく作業を続ける予定。

僕自身は全力を尽くしているし、マシンのフィーリングもとてもいい。それでも9位までしか上げられないことを見れば、今年のモトGPの厳しさがよくわかる。それでも今回は、これまでのどのコースよりも良い状況なので、明日はとにかく好スタートを狙っていきたい。そのためにも決勝ではソフトタイヤを履くことを、ほぼ決定している。ソフトタイヤの20ラップ目で35秒台中盤が出ているので、それを使おうと思っているんだ。ハードタイヤはサイドグリップが不十分で、その分ラップタイムが上がっていかなかったからね」