ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.06 6月26日 オランダ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第6戦アッセンTT
■開催日:2010年6月24日(木)フリー走行1
■開催地:オランダ/アッセン(4.542km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:27度 ■路面温度:44度
REPORT
ロレンソがトップタイム
シルバーストーンでの圧倒的勝利から4日、フィアット・ヤマハ・チームのJ・ロレンソはダッチTTのフリープラクティス初日にトップタイムをマーク。セッション開始直後から好調ぶりを見せ、後半を迎えてついにトップに立つと、その後も着実にタイムを更新しながら最後までトップのポジションをキープした。
この間にブリヂストンタイヤのソフト、ハード両方のコンパウンドを試したロレンソ。とくにフロントタイヤについて入念に取り組んで、昨年の同大会で悩まされた小さな問題に対処した。第6、第7コーナーのシケインが変更されたこともあり、ロレンソの今回のタイムは昨年のロッシのポールタイムよりも約1秒速くなっている。2位は0.011秒差でC・ストーナー。3位はさらにコンマ5秒遅れてN・ヘイデン。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・エドワーズとB・スピースも健闘し、それぞれ4位と8位。エドワーズはフロントエンドのジオメトリーを変更して臨んでおり、セッション開始直後からその効果が現れて本人も納得の走り。今シーズンはここまで苦しい状況が続いていたが、今回ようやく本来のポテンシャルを発揮することができた。その結果、エドワーズは1分35秒699のベストタイムをマークして非ファクトリー・ライダーのトップ。全体では4位でフリープラクティス初日を終えた。3位との差はわずか0.013秒。
チームメイトのスピースも好調ぶりを披露。スピースは前回のシルバーストーンでMotoGP初表彰台を獲得しており、その勢いを今回もそのまま維持している。終始、安定した速さをキープし、最後の10分間では一時4位まで浮上。その後8位まで後退したが、1分35秒942のベストラップは6位とわずか0.02秒差。気温が高く、路面温度も44度まで上昇していたなかで、スピースは終始ハード・コンパウンドのリアタイヤを装着し、決勝に備えてデータ収集を行った。今晩の作業でYZR-M1のコーナリング性能向上に努め、明日の公式予選では6位以内を目指す。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ロレンソ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'35.169 |
2 | C・スト―ナー | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'35.180 |
3 | N・ヘイデン | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'35.686 |
4 | C・エドワーズ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'35.699 |
5 | A・ドビツィオーゾ | Repsol Honda Team | Honda | 1'35.868 |
6 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'35.922 |
7 | A・エスパルガロ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'35.927 |
8 | B・スピース | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'35.942 |
9 | M・シモンチェリ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'36.002 |
10 | M・メランドリ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'36.269 |
11 | R・ド・ピュニエ | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'36.294 |
12 | H・バルベラ | Paginas Amarillas Aspar | Ducati | 1'36.735 |
13 | L・カピロッシ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'36.786 |
14 | M・カリオ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'37.261 |
15 | A・バウティスタ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'37.384 |
16 | 秋吉耕佑 | Interwetten Honda MotoGP | Honda | 1'41.332 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(フリー走行1番手/1分35秒169/28周)
「今日の走りには満足しているよ。マシンもとても調子がいいし、天気も完璧で、アッセンが大好きになった!新しいコーナーも、とてもハイスピードなところが気に入っている。シケインをあんなスピードで走り抜けるのは、かなり気分がいいものだよ!欲を言えば、もう少しトラクションが欲しいところだけど、まだ2セッション残っているから、明日の予選までに改善し、今回もいいグリッド・ポジションを狙いたい。チームのみんなも頑張ってくれていて、とても良い状態。僕らのピットのなかは今、最高の盛り上がりなんだ」
W・ズィーレンベルグ、チーム監督談
「アッセンでは天候に悩まされることが多かったが、今日はそれが信じられないくらいの好天。しかもとても安定していて、ホルヘの走りもそれを反映するように非常に落ち着いていた。セッション開始からすぐに走りをエンジョイできていたことが、タイムを見ればよくわかる。タイヤはソフト、ハードともに試し、とくに昨年問題になったフロントに力を入れた。その結果、今年はどうやら調子が良さそうだ。このコースは最終的には2秒ほど速くなると考えているので、明日はさらにペースアップが必要になるだろう。でも初日としてはとても良かった」
C・エドワーズ選手談(フリー走行4番手/1分35秒699/25周)
「開幕からずっと厳しい状況だったので、今日はいい走りができて正直ほっとしている。すべては、ここまで変わらずに僕を支え続けてくれたモンスター・ヤマハ・テック3のみんなのおかげだよ。アッセンは大好きなコースで、とくに裏のセクションの変更は、古いサーキットを思い出させる感じになっているね。マシンは今までと違っていて、とくにフロントのジオメトリーが大きく異なっている。今は楽にコーナリングできるようにすることだけを考えていて、いくらか自然な感じになってきたと思う。結局、バレンティーノやホルヘのものに近づいてきているんだ。前回のシルバーストーンは最悪だったから、あれと比べたら今は気持ちの持ちようがまったく違う。自信が持てるようになっているんだ。このコースは、流れるようなタイプなので、勢いをキープしていかなければならないが、それが僕のスタイルには合っているようだ。しかも前とは違って、マシンがうまく曲がってくれるようになった。今はマシンのフィーリングがとてもいいので、決勝が楽しみなんだ」
B・スピース選手談(フリー走行8番手/1分35秒942/29周)
「今日はとても順調だったと思うけれど、長いコーナーをうまく回れるようにするためには、いくつかの変更が必要だろう。シルバーストーンではセッティングがうまくいって、マシンがとても俊敏に走ってくれたので、今回も同じセッティングでスタートしたんだけれど、前回のようにはうまく機能してくれなかった。だから明日はセッティングを変更して臨む予定。自信はあるんだ。今日はおもにハード・コンパウンドの決勝用タイヤを装着して、いい感触がつかめたし、マシンのバランスにも満足している。あとはコーナー立ち上がりの加速で、もう少しうまく回ってくれるようになればいいと思う。コーナー進入は、かなりいい感じだけれど、長いコーナーでやや遅れてしまうんだ。明日の目標は2列目以内に入ること。それが今日はまだできていないからね。でもタイムは接近しているので、マシンを改善できれば目標も現実的になってくるだろう。最後の8ラップはかなりいいところまでいっていたので、明日以降も期待できると思っているよ」