ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.05 6月20日 イギリス
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第5戦イギリス
■開催日:2010年6月19日(土)予選
■開催地:イギリス/シルバーストーン(5.902km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:16度 ■路面温度:27度
■PP:J・ロレンソ(2分3秒308/ヤマハ)
REPORT
ロレンソ、今季初のポール発進
3レース続いて予選2位に留まっていたフィアット・ヤマハ・チームのJ・ロレンソが、ついにポールポジションを獲得。ライバルのR・ド・ピュニエとD・ペドロサは終了2分前に転倒し、それぞれ2位、3位となった。
午前中のセッションではペドロサにコンマ4秒差をつけられたロレンソ。しかし午後になると、セッション前半でさらにコースの確認を行ったあと、後半は徐々にタイムを上げていき、残り20分でついにトップに浮上した。その後、一度はド・ピュニエに逆転されたものの、一旦ピットに戻って準備を整え最後のタイムアタックに臨むと、見事な走りでタイムを大きく更新しトップを奪い返した。ド・ピュニエとペドロサは最終ラップで転倒した。
今季初のポールポジションは、ロレンソにとってはモトGPで10回目、自己通算36回目の記録。決勝ではチャンピオンシップのリードを拡大するために全力を尽くす。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのB・スピースは今季最高の予選7位を獲得。スピースは午前中のセッションで転倒し、先月のルマンで傷めていた足首の怪我を悪化させてしまったが、このことによって自信を失うことはなく、午後からの公式予選ではそれまでにも増して決意を固めた走りを見せた。そしてセッション終盤を迎えるまで順調に6位をキープしていたが、最終ラップではド・ピュニエが目の前で転倒したため思うようにタイムを伸ばすことができなかった。それでもこのときの2分04秒477がベストタイムとなり、7位が決定した。グリッド2列目獲得には0.083秒届かず、M・メランドリ、M・シモンセリとともに3列目からスタートする。
一方、チームメイトのC・エドワーズはマシン・セッティングに悩み、本来の実力を出し切ることができず10位に留まった。しかし2分05秒035のベストタイムは6位からわずかコンマ5秒差。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ロレンソ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 2'03.308 |
2 | R・ド・ピュニエ | LCR Honda MotoGP | Honda | 2'03.434 |
3 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 2'03.586 |
4 | A・ドビツィオーゾ | Repsol Honda Team | Honda | 2'03.995 |
5 | N・ヘイデン | Ducati Marlboro Team | Ducati | 2'04.332 |
6 | C・スト―ナー | Ducati Marlboro Team | Ducati | 2'04.394 |
7 | B・スピース | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 2'04.477 |
8 | M・メランドリ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 2'04.555 |
9 | M・シモンチェリ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 2'04.868 |
10 | C・エドワーズ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 2'05.035 |
11 | H・バルベラ | Paginas Amarillas Aspar | Ducati | 2'05.354 |
12 | 青山博一 | Interwetten Honda MotoGP | Honda | 2'05.712 |
13 | A・エスパルガロ | Pramac Racing Team | Ducati | 2'05.748 |
14 | L・カピロッシ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 2'05.821 |
15 | A・バウティスタ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 2'06.607 |
16 | M・カリオ | Pramac Racing Team | Ducati | 2'06.980 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(予選1位/2分03秒308/26周)
「今シーズン初めてのポールポジション獲得だからとってもうれしいよ。でもそれよりもっとうれしいのが、YZR-M1のフィーリングが非常に良かったことなんだ。フロントロウに並ぶことが何より重要で、そうすれば決勝で表彰台を狙うチャンスが出てくると思う。今日はハードコンパウンドのタイヤで連続18ラップを走行し、そのあとソフトコンパウンドで8ラップ。どちらも好調だったけれど、路面温度が低かったせいでタイヤが暖まるまでに時間がかかってしまった。だからタイヤチョイスの最終決定は明日の天気を見るまでわからないね。今のところ非常に順調。明日の決勝を楽しみにしているよ。ここまで頑張ってくれたチームのみんなに感謝する」
W・ズィーレンベルグ、チーム監督談
「ポールポジションを獲ってしまうとプレッシャーがかかってくるから2位のほうがいい、と今まで何度かコメントしてきた。でも今日はこのポールポジション獲得を心から喜んでいる!ホルヘは最初の13ラップから14ラップまでコースを研究し、限界点を見極めようと懸命に頑張っていた。実はこのことが非常に重要だったのだ。ド・ピュニエとペドロサも速かったが、最後に転倒してしまった。その一方でホルヘは最後まで安全に走り切った。ポールポジションを獲ってもポイントにはならないが、ライダーがこのように好調で、マシンの状態が安定していて、ラップタイムが速いのだから良かったと思う。明日もいいレースを期待したい」
B・スピース選手談(予選7位/2分04秒477/22周)
「予選は悪くはなかったんだけれど、本当ならもっと上手くできたはずなんだ。僕としては本当に一生懸命に走ってグリッド2列目まであと少しというところだったんだけれど。このタイムがもう少し楽に出せなければいけないのかもしれない。トップスピードの順位では少し下がってしまうので、その影響があるようだ。決勝で、もしスタートがうまくいかなかったら、そこからポジションを上げていくのは難しいだろう。
走り自体には満足しているし、セッティングは順調でラップタイムも安定している。最終ラップではあとコンマ1秒縮められると思っていたんだけれど、目の前でド・ピュニエが転倒して少し遅れてしまった。実はあのとき、ピットに戻ろうと思っていたんだ。コースでは何台かが転倒していて、僕はいつもの70%くらいのスピードしか出せていなかったからね。でもレースではこういうことが起こるものなんだ。幸い足首の痛みはそんなにひどくないし、明日も問題ないと思う。すべてを出し切れるように頑張るよ!」
C・エドワーズ選手談(予選10位/2分05秒035/21周)
「今日はかなり大変だった。自分の走りができないんだ。気分よく乗ることができないし、これだけ頑張っても10位までしか届かないのだから気持ちがおさまらないよ。去年までなら楽に勝てたはずのライバルたちに、今日はついていくことができない。しかもそれは、僕の努力が足りないせいではないんだ。この状況で冷静でいるのは難しいけれど、とにかく自分にできる限りのことをして、少しでもスピードを引き出せるように頑張るだけ。現時点ではスピードに悩んでいて、シャシーのセッティングも最高というところまではいっていない。10位という結果にも満足できないけれど、いつものようにハードワークを続けてくれているモンスター・ヤマハ・テック3のみんなのためにも、明日は何とかこの状況を打開するべくベストを尽くすよ」