ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.02 5月2日 スペイン
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第2戦スペインGP
■開催日:2010年5月1日(土)予選結果
■開催地:スペイン/ヘレスサーキット(4.423km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:26度 ■路面温度:49度
■PP:D・ペドロサ(1分39秒202/ホンダ)
REPORT
ロレンソ、予選2位
フィアット・ヤマハ・チームのJ・ロレンソが予選2位を獲得。各車のタイムは非常に接近しており、10位までが1秒以内の差。チームメイトのV・ロッシは4位、ポールポジションはD・ペドロサとなった。ロレンソは午前中のフリープラクティス・セッションでも非常に安定した速さを見せ、1分39秒台前半をコンスタントにキープ。しかし午後になると気温がかなり高くなったこともあり、公式予選で午前中のタイムを更新することができなかった。残り20分の時点で一時トップに浮上したものの、すぐにペドロサに抜き返され、このコースで連続4年目のポールポジション獲得はならなかった。ペドロサとの差は0.285秒。ロレンソはしかし、明日の決勝に自信を持っており、同じく地元スペイン出身のペドロサとの好バトルをファンも期待している。
一方のロッシは肩の怪我が順調に回復しており、1日目と同様に痛み止めをうたずに好調に走りきることができた。怪我の心配がなくなったことで、チームも本人もマシン・セットアップのほうに気持ちを集中。昨日からのリアのトラクション不足の問題に取り組み、午後の公式予選開始までにマシンのフィーリングがかなり向上した。ロッシは40分にわたってトップタイムをキープ。その後ロレンソに抜かれ、さらに一時は6位まで後退したが、最終ラップでタイムを更新して4位に返り咲いた。3位のC・ストーナーとの差はわずか0.047秒。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・エドワーズとB・スピースは、それぞれ7位と8位でともにグリッド3列目。ふたりの差はわずか0.019秒だった。エドワーズは今日もマシンセッティングに取り組み、とくに電子制御システムの調整とフロントエンドのジオメトリー変更によってコーナー進入に自信を持てるようになった。一方のスピースは、初めてのコースであることを忘れさせるような見事な走りを見せ、トップから0.7秒差、フロントロウからはわずか0.4秒差という健闘ぶり。午前中のフリー走行では6番手で、また消耗したタイヤでコンスタントに速さをキープするなどで観客たちを驚かせた。明日は前回のカタールと同様の5位以上を狙っていく。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'39.202 |
2 | J・ロレンソ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'39.487 |
3 | C・スト―ナー | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'39.511 |
4 | V・ロッシ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'39.558 |
5 | N・ヘイデン | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'39.560 |
6 | R・ド・ピュニエ | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'39.591 |
7 | C・エドワーズ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'39.970 |
8 | B・スピース | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'39.989 |
9 | A・ドビツィオーゾ | Repsol Honda Team | Honda | 1'40.021 |
10 | M・メランドリ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'40.027 |
11 | L・カピロッシ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'40.206 |
12 | 青山博一 | Interwetten Honda MotoGP | Honda | 1'40.322 |
13 | A・バウティスタ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'40.416 |
14 | H・バルベラ | Paginas Amarillas Aspar | Ducati | 1'40.482 |
15 | A・エスパルガロ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'40.555 |
16 | M・シモンチェリ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'40.586 |
17 | M・カリオ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'40.803 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(予選2位/1分39秒487/27周)
「午前中はかなりいいタイムが出ていたから午後も期待していたけど、暑くなったこともあって思うようにペースをキープすることができなかったんだ。午前中は本当に自分の思い通りの走りができたから気分も最高だったけれど、予選はそのようにはいかなかったよ。とは言ってもタイム自体は決して悪くない。フロントロウを獲得することができたことに十分な価値があるんだ。だから明日に期待しているし、スペインのファンのみなさんに、必ず素晴らしいレースをお見せできると思っている。このコースは特別な場所。早くみんなの歓声を聞きたいね!」
V・ロッシ選手談(予選4位/1分39秒558/28周)
「もちろんフロントロウだったらもっと良かったんだけれど、4位なら悪くないし、それよりも午前中のセッションがとても充実していたことに満足しているんだ。ペドロサ、僕、そしてその後ろの5台は非常に接近しているけれど、今日はハード・タイヤでも39秒台が何度か出ているので期待できると思う。速さは十分に戻ってきたけれど、安定性がまだ足りない感じ。だからこの点については、これからまた明日までに作業が必要になりそうだ。肩のほうは、クリニカ・モバイルの先生たちのおかげで昨日よりもずっと良くなってきた。力がまだ入りにくいところがあるけれど、痛みはもうほとんど問題ないよ。明日はスペインのファンのみんなに、素晴らしいレースを見てもらいたい」
W・ズィーレンベルグ、チーム監督談
「午後になると気温が上がり、タイム争いも、いつも以上に熱くなっていた。結果的にペドロサとホルヘ、ふたりのスペイン人ライダーが上位につけたわけだが、その他にも手強いライバルが大勢いるというわけだ。午前中の好調に比べ、午後はそれほどでもなかった。でも予選はポイントもついてこないのだから気にすることなどない。それよりフロントロウにつけたことに満足しているし、初めからそれが目標だったのだ。決勝も今日の午後のようなコンディションになるだろうが、リズムはとても良かったのできっといいレースができると期待している」
D・ブリビオ、チーム監督談
「バレンティーノの肩の状態が驚くほど良くなっていて、今日も痛み止めをうたずに走りきることができたことに、チームのみんなが喜んでいる。予選は4位に終わったが、いつものように上位を狙っていくことができると確信している。そのために我々としては、決勝距離を通じて確実に今の状態をキープできるようにするだけでいい。マシンについては、タイヤがより良く機能するようにするために、もう少し調整が必要。それで準備は万端というわけだ」
C・エドワーズ選手談(予選7位/1分39秒970/26周)
「正直に言うと少し悩んでいたので、予選で7位を獲得できたことは評価していいと思う。とくに電子制御システム関係がなかなか上手くいかなくて、フィーリングがつかみにくかったんだ。それで何度も試した結果、最終的には大きな進歩を見ることができた。またフロントのジオメトリーをバレンティーノのセッティングに近づけて、よりフロントに荷重がかかるように変更した。これによってマシンのバランスが良くなり、フロントのフィーリングも伝わりやすくなったんだ。明日はきっと、ヘレス特有のレースになるだろう。まずは第1コーナーを無事に通過することが大切。それから自分の位置を確認し、それから戦いに入っていくというわけだ。間違いなく厳しいレースになるだろうが、モンスター・ヤマハ・テック3チームのために全力を尽くすよ」
B・スピース選手談(予選8位/1分39秒989/28周)
「今日の走りには満足。3列目の真ん中という位置も悪くない。だってここからなら、スタートで頑張ればいいところにつけるし、序盤の数周で様子を見て、チャンスがあればさらに上がっていくことができるからね。マシンは、タイムアタックでソフトタイヤを履いたときのセッティングよりも、決勝用のハードタイヤのもののほうが気に入っている。大きな問題やミスがあったわけではないけれど、なかなかアタック・モードに入っていけなくて、タイムもあまり上がらなかったんだ。
明日は、できるだけ上位に近づき、彼らがどんな走りをしているのか見てみたい。6位争いくらいまでは行けると期待しているけれど、簡単ではないだろう。でも、終盤になるほどリズムが出てきて走り易くなるだろうし、タイヤが消耗してからのフィーリングも良くなってくると思う。決勝までにもう少し作業をして、いい感じでコースに向かいたい。ヘレスでの初レースをとても楽しみにしているんだ」