ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.02 5月2日 スペイン
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第2戦ペインGP?
■開催日:2010年4月30日(金)1日目フリー走行、5月1日(土)予選、2日(日)決勝
■開催地:スペイン/ヘレスサーキット
CIRCUIT DATA
■開設:1985年?
■コース長:4.423km?
■サーキットレコードラップ:1分39秒818(2009年:V・ロッシ)?
■サーキットベストラップ:1分38秒189(2008年:J・ロレンソ)?
■2009年の優勝者:V・ロッシ
REPORT
ヨーロッパ・ラウンドへ
4月25日に予定されていた第2戦・日本GPがアイスランドの火山噴火による噴煙の影響で延期となったあと、モトGPは今週末、スペインでようやく2戦目を迎え、そのままヨーロッパ・ラウンドに突入する。カタールで行われたオープニングラウンドでは1-2フィニッシュを達成し、好調ぶりをアピールしたフィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシとJ・ロレンソも、戦いの再開を心待ちにしている。
ロッシはここヘレスで、多くの好成績を残している。すべてのクラスの合計優勝回数は7回。ヤマハに加入後は2005年、2006年、2009年の3回で、2009年のレースではD・ペドロサに追いついてシーズン初優勝を果たした。
今シーズンは開幕戦のカタールですでに勝利し絶好調のロッシだが、10日前にはトレーニング中のアクシデントで肩の筋肉を傷めて心配されていた。その意味では火山噴火によるレースの延期にむしろ助けられた部分もあるのかもしれない。思いがけずリハビリの時間を与えられたことで、少しでも良い状態まで回復してレースを迎えることができそうだ。
一方のロレンソも、この間に、オフシーズン中の手の怪我がほぼ完治。昨年は表彰台争いをしながら転倒リタイアとなってしまったため、今回はそのリベンジを狙う。ロレンソはここヘレスで、グランプリ出場最年少ライダーとして記録されたほか、2006年と2007年には250ccクラスで優勝も飾っている。ロレンソにとっても思い入れの強いコースのひとつである。
スペイン南部のアンダルシア地方にあるヘレス・サーキットは、モーターサイクル・レースの聖地で、モトGPのなかでも最多の観客動員数を誇る。毎年、約120,000人ものファンが南を目指して移動し、3日間のカーニバルを盛り上げる。コースはハードブレーキングを必要とするコーナーが少なく、フルスロットルで加速する場所も多くないが、そのなかでの各ライダーの抜き差しは見応えのあるものとなる。様々なタイプのコーナーがあるため、マシンの向き変えのための総合的なセッティングとフルバンク時のグリップ性が要求される。
COMMENT
V・ロッシ—“感動的な雰囲気と素晴らしいファンたち”
「ヤマハの本拠地、日本へ行けなかったのは、もちろん残念だったんだけど、これが10月に延期されたことで予定外の時間がもらえたことは、僕にとってはすごくラッキーだったよ。モトクロスの練習中に転倒して、そんなにひどかったわけじゃないけど肩を傷めてしまったから時間が必要だったんだ。今週末、どんな状態になっているかはまだわからないけれど、たぶん、あまり大きな影響はないだろうと期待している。カタールの優勝はうれしかったけれど、あのなかでもライバルたちに劣っている部分がいくつかあったので、これから解決していかなければならない。ヘレスは雰囲気が最高で、ファンのみんなも素晴らしいから大好きなんだ。去年は優勝していいレースを見せることができたので、今年もそうなるように頑張るよ!」
D・ブリビオ―“ヤマハもバレンティーノも相性最高”
「予定よりも長い休みが終わって、直接ヘレスへ行くことになった。残念なことに、バレンティーノはモトクロスでトレーニング中に怪我をしてしまったためベストの状態ではない。我々としては、ライディングにどの程度の影響があるかを注意深く見ていかなければならないが、それほどひどい状態ではないだろうと期待している。ヘレスはヤマハのマシンともバレンティーノとも相性が良く、何度も好成績を残してきた。今年はライバルも手強いので、前回のカタールと同様に見応えあるバトルになるだろう。また、ヨーロッパ・ラウンドも昨シーズン以来久しぶりなので、ヨーロッパのファンのみなさんに再会するのも楽しみだ」
J・ロレンソ—“歓声が聞こえる!”
「日本GPの延期は残念。だって僕は日本という国が大好きだし、去年はあそこで優勝できたから、今回もすごく楽しみにしていたんだ。でも僕らにはどうすることもできないし、いずれにしても10月には行けるんだからそれまで待つことにするよ。というわけで次はヘレス。ここは本当に素晴らしいコースで、レースをしながら観客たちの声援がしっかり聞こえるんだ。とくにニエト・コ—ナーやペルギル・コーナーでは応援してくれる彼らを感じることもできる。こんなところは世界中でも他にはない。去年は残念ながら、ストーナーをパスして表彰台をゲットしようとしたところで転倒してしまった。それまでの練習や予選は絶好調でポールポジションも獲得したんだけれどね…。だから今回こそは完走して、ひとつでも前へ行けるように全力を尽くすよ」
W・ズィーレンベルグ—“怪我が完治、力も戻ってきた”
「日本GPの延期は残念だった。しかしこの判断は正しかったと思っている。もしも半分のチームだけが日本にたどり着けたりなどしていたら大変なことになってしまうからね。ホルヘも日本GPをとても楽しみにしていたが、次のチャンスがあるし、彼の怪我の回復のためにも良いことだったのだ。カタールでは意志の強さを見せ、我々が思っていたよりもずっと早く上位グループに戻ってきてくれた。今回は彼にとってのホームレースでもあるので、より一層楽しみだ」