モトクロス世界選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.10 6月5日 フランス
RACE DATA
■大会名称:モトクロス世界選手権 第10戦フランス
■カテゴリ:MXGP/MX2
■開催日:2022年6月5日
■開催地:エルネ・サーキット(1,517m)
REPORT
MXGP
シーワーが優勝、コルデンホフも3位に入り、ヤマハが3戦連続表彰台獲得
Monster Energy Yamaha Factory MXGPのジェレミー・シーワーが、エルネで開催されたFIMモトクロス世界選手権第10戦フランス・グランプリで見事な勝利を収めた。シーワーは両レースをそれぞれ1位と2位で終えて総合優勝を飾った。一方、チームメイトのグレン・コルデンホフはミスを冒して12位に終わったレース1から立ち直り、レース2を制して見事総合3位。地元フランス期待のマキシム・ルノーはチャレンジングなレースをそれぞれ9位と6位でフィニッシュして総合8位となった。シーワーとコルデンホフの活躍で、ヤマハは3戦連続のグランプリ優勝とダブル表彰台を記録した。
FIMモトクロス世界選手権は2017年以来初めてフランスのエルネに戻り、サーキットには39,000人ものフランスのファンが詰めかけ、熱狂と歓声に包まれた。
土曜日の荒天と打って変わって、グランプリ決勝が行われる日曜日には伝統的な粘土質のサーキットは最高のコンディションとなった。
レース1でシーワーは、信じられない程の復調ぶりを示すと共に、自身が持つ真のポテンシャルを見せつけた。選手権で直近のライバル、J・プラド(GASGAS)の後ろでスタートしたシーワーは、レース終了まで残り2周となったところで見事な追い抜きを見せて2022年初のレース優勝を果たした。
これと対照的に、ルノーとコルデンホフは第1ターンでクラッシュし、果てしない追い抜きを行わなければならないという課題に直面していた。ルノーはホイールの曲がりを修正するためにストップした後、9位、一方コルデンホフは12位でレースを終えるにとどまった。
レース2では3台のファクトリーYZ450FMがすべて好スタートを見せて全車トップ5圏内で1周目を終える。コルデンホフとシーワーは、トップを行くプラドに迫るが、ルノーは選手権ランキング1位のT・ガイザー(Honda)に押し出されて6番手に後退する。
鬼気迫る走りを見せるコルデンホフはプラドをパスし、今シーズン初のレース優勝を果たした。一方シーワーはレース終盤にスリリングな追い抜きを見せて2位でフィニッシュした。
地元フランスのライダーではあるものの、事実上馴染みのないコースに挑戦するルーキー、ルノーは、エルネの急な谷に位置し、極端にわだちが多く、要求の厳しいコースを前に、ペースを掴むのに苦労した。いくつか小さなミスをしながらも、ルノーは6位でレースを終え、総合8位となる。ランキングでは3位のチームメイト、シーワーと26ポイント差の2位をキープ。コルデンホフは依然5位につけている。
またヤマハは現在、マニュファクチャラー・ランキングでトップに2ポイント差の2位につけている。
次戦は来週末、6月11、12日にドイツのトイチェンタルで開催される。
MX2
グリーツとベニスタンが共に表彰台獲得
MX2クラスでは、Monster Energy Yamaha Factory MX2のヤゴ・グリーツとティボー・ベニスタンがそれぞれ総合2位と3位に入った。
エルネのラフでバンピーな上り坂と急でわだちの多い下り坂は、Ernee suited Monster Energy Yamaha Factory MX2の2人のライダー、グリーツとベニスタンにぴったり合っていた。両選手はフリーおよびタイムドプラクティスセッションでトップ3に入るラップタイムを記録し、それぞれの潜在力の高さを示した。
意地悪な暴風雨がエルネ・サーキットを襲い、予選レースはウエットでチャレンジングなコンディションのもとで行われることとなった。ベニスタンはチャンスを待ち、クレバーに慎重なライディングを見せて3番手となったが、グリーツはターン1でクラッシュして1周も完了することができず、25番手となった。
予選レースの結果により、アウト側のゲートからスタートすることになったグリーツは、YZ250FMのパワーとトルクのすべてを見事に活かし、トップ5圏内で第1コーナーへと進入するが、ベニスタンはゲートが完全に下りないという珍しいトラブルに遭ってしまう。
グリーツは序盤のトップグループを射程圏内に収めるべく、オープニングラップに素早い追い抜きを見せる。肩がこわばり、痛みを覚えているにもかかわらず、グリーツはポールポジションのS・ランゲンフェルダー(GASGAS)とK・ホーグモ(カワサキ)をかわして2番手に上がり、地元フランスのT・ヴィヤル(KTM)に迫る。
レースの折り返し点で、グリーツはトップを攻めている最中にフィニッシュライン手前の右コーナーで転倒を喫するが、再走を果たすと反撃に転じて追い上げ、トップのヴィヤルとわずか1.4秒差で2位のチェッカーフラッグを受けた。
ベニスタンはYZ250FMを駆って集団の中を追い上げ、8番手まで順位を上げたところでフィニッシュした。
レース2では、この日集まった39,000人のファンの目は、二人のフランス人ライダーとひとりのベルギー人ライダーによる三つ巴の争いに釘付けになった。ヴィヤルはホールショットを奪うが、すぐにヴィヤル同様、人気のフランス人ライダー、ベニスタンにパスされる。一方、グリーツは7番手から怒涛の勢いで3番手まで順位を上げた。
3周目、グリーツはランキング1位のヴィヤルを抜き、トップを行くチームメイトに照準を合わせ、追撃を展開。残り3周となったところではレース中の最速ラップタイムを記録する。コース上で最速のライダーであることを示したグリーツは、ベニスタンとの差を詰め、優勝に向けてこれに挑むが、最終ラップに周回遅れのライダーが現れてペースが落ち、優勝には届かず。ベニスタンは全周回で首位をキープする完璧な勝利を遂げて総合3位となり、表彰台に立った。一方、グリーツは1ポイント差でグランプリ優勝を逃して総合2位となった。
グリーツはMX2選手権ランキングで1位のヴィヤルとは11ポイント差の2位をキープしている。一方、ベニスタンは9位に浮上した。
FIMモトクロス世界選手権、次戦は3連続開催の3戦目。6月11、12日にもうひとつの伝統的なサーキット、ドイツのトイチェンタルで開催される。
MXGP RESULT Race.1
MXGP RESULT Race.2
MX2 RESULT Race.1
MX2 RESULT Race.2
RIDERS RANKING MXGP
RIDERS RANKING MX2
CONSTRUCTORS RANKING MXGP
CONSTRUCTORS RANKING MX2
COMMENT
MXGP
Monster Energy Yamaha Factory MXGP
ジェレミー・シーワー選手談(優勝/2位:総合優勝)
「最高の気分です! 一時は2レース優勝も可能ではないかと思いました。速さはあったのですが、残り2周となって、ここで総合優勝を棒に振るのはばかげていると思ったんです。すごくうれしいことに、必要としていたあとほんの少しのこと、をやっと見つけたのです。ここで速く走ることができ、自信もあって、今日それを結果として示すことができてうれしいです。あとはこのような状態をキープできることを願っています」
グレン・コルデンホフ選手談(12位/優勝:総合3位)
「この週末は実際、かなり調子が良かったんです。昨日のプラクティスですでにいい感触で乗れていました。今日は良い一日でした。1レース目は最悪でしたけどね。何をしていたのかわかりませんけど、序盤の数ラップで4回転倒しました。それでも速さはあって、12位でレースを終えました。レースとレースの間も、表彰台は、レース2で自分が勝ちでもしないかぎり、とても無理だろうと思っていたら、その通りになりました。レース1の結果は自分が望んでいたものではなかったにせよ、表彰台に戻れたことに興奮していますし、また連続表彰台というのは素晴らしいことです」
マキシム・ルノー選手談(9位/6位:総合8位)
「母国GPは厳しい週末になりました。ふたつの平均的な、というより実際には自分にとって"ひどい"レースでした。最初のレースは他のライダーがブレーキをかけなかったため、クラッシュで始まりました。それから、ホイールが曲がってしまったため、それをまっすぐにするためストップしなければならず、苦戦しました。レース2はスタートが悪くて、リズムも流れも掴めなかった。僕にとっては厳しい一日でした」
MX2
Monster Energy Yamaha Factory MX2
ヤゴ・グリーツ選手談(2位/2位:総合2位)
「今日はとても満足しています。特に昨日のクラッシュで、ライディングできるかどうかわからなかったのでなおさらです。理学療法士がすごく良くやってくれて、僕は2レースともに2位になりました。僕はかなりアウト側だったので、スタートはかなり厳しかったのですが、どうにか2回ともかなり良いスタートが切れて、2度2位でフィニッシュしました。全体的には良い一日でした。これから、来週末ドイツで選手権ポイントを取り戻すことに集中します」
ティボー・ベニスタント選手談(8位/優勝:総合3位)
「自分にとってかなり良い週末でした。フリープラクティス、タイムドプラクティス、そして予選レースと、本当に良い感触でした。今日は、レース1で小さな問題があって、他の選手たちと一緒にスタートすることができなかったので、ちょっと感情的になりました。なので、これについてはちょっと苛立ちましたし、できるだけ早く追い上げなければならなかったので、ハードな戦いを強いられました。2レース目ではすべてを出し切りました。ファンのみんなが応援してくれたのは素晴らしかったし、バイクの感触もすごく良かった。このレースは勝ちたかったので、それを何とか達成できて、最高の気分ですよ」