MotoGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.09 6月27日 オランダ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第9戦オランダGP
■開催日:2021年6月27日(日)決勝結果
■開催地:アッセン/オランダ
■コースコンディション:ドライ
■気温:24度 ■路面温度:34度
■PP:M・ビニャーレス(1分31秒814/ヤマハ)
■FP:F・クアルタラロ(1分32秒869/ヤマハ)
REPORT
Monster Energy Yamaha MotoGPがアッセンTTサーキットで1-2フィニッシュを達成し、ヤマハにとって最高峰クラス750回目および751回目となる表彰台を獲得した。F・クアルタラロは完璧なタイミングでプッシュし、トップを奪って今季4勝目。M・ビニャーレスは序盤やや出遅れながらも挽回し、クアルタラロに続いてチェッカーを受けた。ファクトリーチームの1-2フィニッシュは2017年のアルゼンチンGP以来となる。
F・モルビデリに代わりPETRONAS Yamaha Sepang Racing Teamから出場したG・ガーロフが、MotoGP初レースで17位を獲得。チームメイトのV・ロッシはポジション挽回中の7ラップ目に転倒し、リタイアとなっている。
クアルタラロが今季4勝目、ビニャーレスが2位表彰台でヤマハがワンツー!
2番グリッドから絶好のスタートを切り、ホールショットを奪ったクアルタラロ。しかしそのまま逃げることはできず、序盤はF・バグナイア(ドゥカティ)と激しいバトルを展開した。オープニングラップを2番手で終了したクアルタラロは決して離されまいと懸命に食らいつく。そして何度も仕掛けるもかなわず、5ラップ目に3度目のトライでようやく抑え込みに成功した。続く7ラップ目は1分32秒897にペースを上げて走行し、一気に0.648秒のアドバンテージを構築した。
後続集団を引き離したあとは単独走行を楽しみながら最後までミスなく走り切り、2位に2.757秒差をつけてチェッカー。今季4度目の優勝と6度目の表彰台を獲得している。
一方のビニャーレスはポールポジションからスタート後、第1コーナーで5番手まで後退。オープニングラップを4番手で終えると、トップ3を視野にとらえながら、同時に後ろから迫るJ・ザルコ(ドゥカティ)を抑える難しい展開となった。
しかしウイーク初日以来の好調ぶりを発揮して懸命の挽回を図り、14ラップ目には中上貴晶(ホンダ)をとらえ、さらにバグナイアのロングラップ・ペナルティーによって15ラップ目でついに2番手に浮上した。前方が開けると、フロントのソフト・コンパウンドとM1の敏捷性を最大限に活用。18ラップ目には自己ベストとなる1分33秒045を記録するなどペースを上げ、クアルタラロのリードを縮めにかかった。しかしその差は大きく、ビニャーレスは最後まであきらめずにプッシュするも届かず、2位でチェッカーを受けた。
この結果、クアルタラロはチャンピオンシップ・ポイントを合計156に伸ばし、アドバンテージを34ポイントに拡大してランキングトップをキープ。ビニャーレスは合計95ポイントでランキング6位を維持している。ヤマハは合計184ポイントでコンストラクターズ・ランキング1位、Monster Energy Yamaha MotoGPも合計251ポイントでチーム・ランキング1位をキープしている。
2021シーズン前半戦を好成績で終了し、Monster Energy Yamaha MotoGPチームは5週間の夏休みを迎える。次回、第10戦は8月6~8日、オーストリアはシュピールベルクで開催される。
PETRONAS Yamaha SRTのガーロフがMotoGPデビューで健闘
ガーロフは好スタートを切って集団について行き、序盤は21番手につけて順調に周回。ペースを維持してL・マリーニ(ドゥカティ)とバトルを展開し、ついにはパスに成功すると、リードを守るため懸命に闘い続けた。そして最終的にはその差を13.578秒まで拡大して17位でゴール。MotoGPデビュー戦でポイント圏内まであと2つというところまで迫る健闘を見せた。
一方のロッシは12番グリッドからスタートするも、その優位性を活かせず21番手まで後退。ここから挽回を図り、2ラップ目に19番手、さらに3ラップ後には17番手まで浮上した。しかし7ラップ目の第7コーナーで転倒。そのままリタイアとなり、ランキング19位を維持してシーズン前半戦を終了した。
RACE RESULT
LAP CHART
RIDERS RANKING
CONSTRUCTORS RANKING
COMMENT
Monster Energy Yamaha MotoGP
F・クアルタラロ選手談(優勝)
「このウイーク中に何度もスタート練習を行いましたが、まったくうまくいかず、そのことが気になっていました。それだけに今日は本当にうれしいです。いつもチームとともに問題解決に取り組み、最高の状態で決勝を迎えることを目指しているわけですが、今日はそれがとてもうまくいったのです。そして本当にいいレースができました。厳しい戦いではありましたが、私たちは成し遂げたのです。この優勝でシーズン前半戦を締めくくることができたのは、まさにパーフェクトと言っていいでしょう。すぐに家族に会いに行ってこの喜びを分かち合い、そのあとしばらく一緒に過ごします」
M・ビニャーレス選手談(2位)
「私にとっては最高の日曜日になりました! かなり長い間、表彰台に上っていなかったので、今日は本当にうれしいです。実際、レース後半は絶好調で、ラップタイムも上がりハイペースで周回することができました。もっと前からこの速さを発揮できていたら良かったのですが、序盤で10ラップにわたって中上選手の後ろについてしまい、タイヤも消耗したため、その時点でチャンスを逃したことはわかっていました。ザルコ選手の追撃を抑え、中上選手との差をコントロールしながら、同時にタイヤのオーバーヒートを避けなければならないという状態ですから、本当に難しいレースでした。それでも最後には2位を獲得でき、いい一日になりました」
M・メレガリ、チーム・ディレクター談
「チームにとってまさに完璧なウイークとなりました。そしてシーズン前半戦をこのように完璧な形で締めくくることができ、うれしく思っています。ビニャーレス選手とクアルタラロ選手の一騎打ちを予想していましたが、結果的にそのようにはなりませんでした。クアルタラロ選手はバグナイアをパスしたあと、一気にリードを拡大しました。作戦は素晴らしく、それを完璧にやり遂げて25ポイントを持ち帰りました。ビニャーレス選手はスタートで遅れたことで優勝争いのチャンスを逃しましたが、今日は彼のマルチタスク・スキルを称賛したいと思います。彼はザルコ選手を抑え込みながら同時に中上選手をパスする方法を探っていました。非常に難しいバランス行動であり、それを完遂して最終的に2位を獲得したのですから本当に素晴らしい結果だと思います。ヤマハの1-2達成は、関わってきた全員のハードワークの結果です。ヤマハ通算750回目と751回目の表彰台でもあり、これから夏休みを迎える私たちにとって、うれしいプレゼントにもなりました。シーズン後半戦も楽しみです」
PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team
G・ガーロフ選手談(17位)
「スタートの手順や、冷たいタイヤでの第1コーナーへの進入方法など、私にとっては困難がたくさんありました。そのなかで最後まで走り切り、チェッカーを受けられたことはとても良かったと思っています。しかし、これほど大きく離されてしまったことには悔しい気持ちもあります。スタートでマリーニ選手について行くことができましたが、もっと早くパスできていたら良かったと思います。その前のグループはすぐ目の前にいたので、彼らについて行くことができたかもしれません。それでも今日は、MotoGP初レースで完走できてハッピーです。PETRONAS Yamaha SRTのマシンに乗るチャンスを与えてくれたチームに感謝し、モルビデリ選手の回復を祈っています」
V・ロッシ選手談(DNF)
「今回はウイークを通じて調子が良く、いいレースができるチャンスだっただけに、非常に残念な結果になりました。スタートで大きく出遅れてしまったため作戦を変更しなければならず、それによって100%のフィーリングは得られなくなっていました。後方から追い上げるときにはフロントの負担が大きくなり、グリップが低下してしまうのです。何とか数台をパスしてバトルに加わろうとしましたが、そのなかでフロントから転倒してしまいました。高速からの転倒だったにもかかわらず、怪我がなかったことは幸いでした。シーズン前半戦はもっといい戦いを期待していました。実際に何度か手応えを感じられるレースもありましたが、このような形で終了することになり残念です」
R・ラザリ、チーム代表談
「モルビデリ選手の代役として出場したガーロフ選手は、MotoGP初参戦で17位獲得と健闘しました。ロッシ選手は今週、ペースが良かっただけに、転倒に終わり残念です。チームはこのあと5週間の夏休みに入ります。身体を休めてエネルギーを回復し、シーズン後半戦の戦いに備えます。モルビデリ選手の早い回復を祈っています」