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MotoGP

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.08 6月20日 ドイツ

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第8戦ドイツGP
■開催日:2021年6月20日(日)決勝結果
■開催地:ザクセンリンク/ドイツ
■コースコンディション:ドライ
■気温:28度 ■路面温度:39度
■PP:J・ザルコ(1分20秒236/ドゥカティ)
■FP:M・オリベイラ(1分21秒701/KTM)

REPORT

Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロは冷静さを維持し、最大限の力を出し切って3位でチェッカー。チームメイトのM・ビニャーレスはほとんどの時間帯で15位争いを展開したが、終盤で思うように伸ばせず19位で終えている。PETRONAS Yamaha Sepang Racing TeamのV・ロッシとF・モルビデリはそれぞれ14位と18位でチェッカーを受けた。

クアルタラロが3位表彰台を獲得

タイヤ制御が鍵を握ると考えられたザクセンリンクでの決勝直前、誰も予想しなかった雨が降り出したことで、状況はより一層、難しくなった。そのなかでクアルタラロは2番グリッドから好スタートを切ったあと、第1コーナー進入の混乱のなかで5番手に後退。オープニングラップでもうひとつ下げ、6番手のポジションを確保した。通常より多い30ラップで競われる今回は、タイヤの消耗を考慮して序盤のペースを抑える作戦だったが、9ラップ目に再び雨が降り始めると状況は一変。多くのライダーが慎重さを捨て去り、路面が乾いているうちに前へ出ようとペースを上げた。

クアルタラロは10ラップ目にJ・ザルコ(ドゥカティ)をパスし、4台による2位争いの最後尾へと浮上。17ラップ目にはA・エスパルガロ(アプリリア)を抜いて表彰台を視界にとらえ、さらに2ラップ後の第12コーナーでJ・ミラー(ドゥカティ)をパスしてついに3番手に浮上した。この時点で前方にはクリアスペースがあったため、クアルタラロは2位との差を詰めていこうと懸命にペースアップ。しかし十分に近づくことができないまま3位でチェッカーを受けた。トップとの差は6.672秒だった。

一方のビニャーレスは、GPコースのなかでも最もオーバーテイクが難しいザクセンリンクで21番グリッドからの挽回を目指した。安定した走りを維持し、少しでも前へ出ることが目標だった。

序盤はペースが上がらず苦戦したものの、ポジション争いが落ち着いたあとは13ラップ目にF・モルビデリをパス。さらに3台が転倒して戦列を離れたため、3台による15位争いの後方につけて一時は17番手まで浮上した。その後、再び19番手に後退したものの決してあきらめることなく、第1セクターのタイムを更新するなど全力の走りを継続。もう一度モルビデリに挑もうとチャンスを窺うが、序盤でのチャージの影響でタイヤを消耗しており、それ以上の挽回はならず。トップから24.715秒差の19位で終えている。

この結果、クアルタラロはチャンピオンシップのリードを22ポイントに拡大し、合計131ポイントでランキングトップをキープ。ビニャーレスは合計75ポイントで6位を維持している。ヤマハは合計159ポイントでコンストラクターズ・ランキング1位、Monster Energy Yamaha MotoGPも合計206ポイントでチーム・ランキング1位を守っている。

PETRONAS Yamaha SRTのロッシがポイント獲得

ときおり雨が降るなかで行われた決勝でロッシはスタートで出遅れ、最初の2~3コーナーで4つポジションを下げて19番手でオープニングラップを終了。しかし素早く挽回を図り、5ラップ目には14番手まで上げてポイント圏内へ。その後はコンスタントにペースを維持して最後まで走り切り、14位でゴールして2ポイントを手中にしている。

一方、17番グリッドのモルビデリもスタートで出遅れ、第1コーナーでは押し出される格好となり22番手まで後退。しかしここから、ロッシと同様にペースアップを図り18番手まで挽回した。その後、9ラップ目に雨が降り始めると一旦19番手に後退したが、終盤でひとつ取り戻して18位でチェッカーとなった。

第9戦オランダGPは6月25日~27日、アッセンTTサーキットで開催される。

RACE RESULT

LAP CHART

RIDERS RANKING

CONSTRUCTORS RANKING

COMMENT

Monster Energy Yamaha MotoGP

F・クアルタラロ選手談(3位)

「表彰台に立つことができ、うれしいです。実際のところ、私にとっては金メダルのようなものです。今週はずっと苦戦してきたので、チームの誰もが覚悟していたことでした。ウォームアップはいいペースで走れていましたが、やはり優勝するには不十分でした。だからこそ、最後まで全力で戦って勝ち取ったこの表彰台が、私には金メダルと同じなのです。私はすべてを賭けて戦いました。それがここまで一緒に苦しんだチームのためにとても重要だったと思っています。今回は本当にタフな戦いでしたが、今は次のアッセンを楽しみにしています。好きなコースですし、マシンもよく走ってくれるはずです。金曜日が待ちきれません」

M・ビニャーレス選手談(19位)

「序盤のマシンの不調については、原因がよくわかっていません。コーナー進入でハイサイドをおこしてしまったのです。何が起きたのかわからなかったので、タイヤの空気が抜けていないか確認しました。でもそのあとの2~3ラップはペースが良く、22秒台後半から23秒台前半が出ているのをダッシュボードで確認しています。しかしそのあとはドゥカティ勢に阻まれ、最後まで彼らを抜くことはできませんでした。これ以上、私に何ができたのかわかりません。リズムは悪くありませんでしたが、これ以上のことは不可能でした」

M・メレガリ、チーム・ディレクター談

「難しいレースになることは初めからわかっていました。タイヤに大きな負荷のかかるこのレースに向けて、チームはまさに全力で準備を整えてきたのです。頭上に雲が広がるのを見たときはうれしく思いました。雲がコースを冷やし、タイヤの温存のために大きな助けになってくれると思ったからです。しかしその時点で、雨を予想することとはできませんでした。クアルタラロ選手はこの状況に左右されることなく、素晴らしい仕事をしてくれました。100%の力でプッシュし、今日できるなかで最大限の成績を持ち帰ってくれました。決して得意ではないこのコースでの3位獲得は、彼の今シーズンの強さを改めて証明するものにもなりました。
ビニャーレス選手は、コース幅が狭く、オーバーテイクの難しいこのコースで本当に厳しい戦いを強いられました。序盤は少し遅れましたが、そのあと少しずつ順位を上げてきました。しかし小さなミスが、それまでの努力を無駄にする結果となってしまいました。次回アッセンは、ふたりともエンジョイできるコースなので、金曜日のウイーク・スタートを楽しみにしています」

PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team

V・ロッシ選手談(14位)

「午前中のウォームアップ・セッションで良いフィーリングをつかむことができました。よく乗れていてエンジョイできていましたし、セッション終盤まで好タイムを維持することができました。しかし決勝はそうはいきませんでした。好スタートが必須だったにもかかわらず、それがうまくいかず遅れてしまったため、大勢に前方を阻まれることになってしまいました。クリアスペースがあるときは好タイムが出るのですが、こうなってしまうと挽回は難しい状況です。実際、ペース自体は決して悪くなかったのですが、それではまだ足りませんでした。また終盤になるとリアグリップが低下し始めたため、ペースを落とさざるを得なくなりました。何とかポイントを獲得できましたが、本当はもっと上を狙っていました」

F・モルビデリ選手談(18位)

「コース幅の狭いこのコースで、スピードも不十分な状態で、グリッドのずっと後方から追い上げるのはとても難しいことだとわかっていました。そのなかでもブレーキングでの安定性向上を目指してセッティング変更を試み、何とか誰かをパスしたいと考えましたが、コーナーに近づくころにはすでに、残念ながら上位から大きく離されていました。コーナリングもそれほど良くならず、FP4よりもスピードが落ちてしまいました。でも次のアッセンは緩やかに流れるタイプのコースなので、もう少し自信を持って臨めそうです。楽しみにしています」

R・ラザリ、チーム代表談

「今回は、あまり良いところがなく、残念な気持ちでいっぱいです。しかしこの経験からできるだけ多くを学び、吸収し、次のアッセンではそれを結果につなげて本来の強さを取り戻したいと思います。実際のところペースは良かったですし、さまざまな改善も見られました。しかしもっと上を目指せるだけの実力があるはずなのです。それを夏休み前の課題としたいと思います」

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