ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.07 6月30日 オランダ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第7戦ダッチTT
■開催日:2012年6月28日(木)初日総合結果
■開催地:オランダ/アッセン(4.542km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:26度 ■路面温度:40度
REPORT
スピースがフリープラクティス初日でトップ
ヤマハ・ファクトリー・レーシングのB・スピースが、アッセンで行われている第7戦のフリープラクティスでトップタイムをマーク。昨年のウイナーでもあるスピースは、午後の第2セッションでハード・コンパウンドのタイヤを試し、その後ソフト・タイヤに交換して1分34秒866を記録した。
チームメイトのJ・ロレンソも好調で、午前中に行われた第1セッションでトップ。第2セッションもほとんどの時間帯でリードしていたが、ライバルたちがソフト・タイヤでタイムアタックに臨んだなか、ハード・タイヤで走り切り5位で終了した。トップのスピースとの差はコンマ2秒弱。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローが迫力ある走りを見せて2位を獲得。前回のシルバーストーンで左足首の骨折と脱臼を負ってからわずか11日、クラッチローはその勇敢さと卓越したライディング・スキルをアピールし、トップのスピースに0.006秒差と迫る好タイムを記録した。午前中のセッションでは9位に留まっていたが、午後になると1.2秒も短縮して1分34秒872をマーク。アッセンの決勝までに身体のコンディションをベストの状態に戻そうとするクラッチローの決意が実った形だ。未だ100%には届いていないものの、2日後の決勝では6位以内を目標にしている。
チームメイトのA・ドビツィオーゾは、フロントの安定生向上に取り組んだ。順位では8位に留まったが、1分35秒257のベストタイムは、トップのスピースからわずか0.391秒の差。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | B・スピース | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'34.866 |
2 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'34.872 |
3 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'34.968 |
4 | A・バウティスタ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'35.008 |
5 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'35.057 |
6 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'35.080 |
7 | C・ストーナー | Repsol Honda Team | Honda | 1'35.181 |
8 | A・ドビツィオーゾ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'35.257 |
9 | V・ロッシ | Ducati Team | Ducati | 1'35.296 |
10 | H・バルベラ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'35.298 |
11 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'35.337 |
12 | A・エスパルガロ | Power Electronics Aspar | ART | 1'36.615 |
13 | R・ド・ピュニエ | Power Electronics Aspar | ART | 1'36.871 |
14 | M・ピロ | San Carlo Honda Gresini | FTR | 1'37.057 |
15 | Y・エルナンデス | Avintia Blusens | BQR-FTR | 1'37.572 |
16 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | Ducati | 1'37.628 |
17 | M・パッシーニ | Speed Master | ART | 1'37.657 |
18 | C・エドワーズ | NGM Mobile Forward Racing | Suter | 1'37.669 |
19 | J・エリソン | Paul Bird Motorsport | ART | 1'37.973 |
20 | I・シルバ | Avintia Blusens | BQR-FTR | 1'38.279 |
21 | D・ペトルッチ | Came IodaRacing Project | Ioda | 1'38.373 |
COMMENT
B・スピース選手談(フリー走行総合1番手/1分34秒866/45周)
「今日は、いい一日だったよ。午前も午後もとても順調だった。第2セッションでは、決勝が雨になる可能性を考えて、レース距離のほとんどをタイヤを交換せずに走ってみた。ラップタイムもなかなか良かったので、セッション終盤になってソフト・タイヤに履き換えたんだ。フロントはレース距離を超えていたけれど、非常にいいタイムが出て良かったと思う。マシンのフィーリングは素晴らしいので、このまま進めていって、明日はさらに一歩前進したい」
J・ロレンソ選手談(フリー走行総合5番手/1分35秒057/26周)
「マシンのフィーリングはとてもいいよ。始めからとても好調で、第1セッションではトップに立つことができた。第2セッションもずっとトップを走っていたんだけれど、最後のタイムアタックでソフト・タイヤに交換したライダーたちが僕の前に出て行った。僕のほうは決勝用のタイヤでペースを上げていくことに集中していて、そちらのほうはとてもうまくいったと思っているよ。マシンはよく仕上がっている。マシンを信頼して走れているので不安はない」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談:
「アッセンの初日はとてもいい一日。天気も最高!マシンの動きも非常に良く、午前中のセッションではホルヘがトップ。午後にはそのタイムをさらに更新した。ここまで非常に安定しているので満足している。チームもライダーもハッピー!」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談:
「絶好のスタートを切ることができた。ベンはレース距離のロング・ランを成功させ、マシンのセッティングにも非常に満足している。あとは細かいところで、もうちょっと磨けるところがあると思うが、すでに十分に完成に近い。ホルヘ
C・クラッチロー選手談(フリー走行総合2番手/1分34秒872/40周)
「シルバーストーンで転倒してしまい、身体の状態は完璧ではない。そのなかで2位を獲得できたことは、とても良かったと思う。でも午前中のセッションは、正直ちょっとショックだったんだ。治療の一環で故郷のマン島をサイクリングしたりしていたんだけれど、今日、いざマシンに乗ってみたらかなりきつい…。足首の痛みが引かず、リズムをつかむまでに時間がかかってしまったんだ。
もっと走りこんでいけば少しずつ良くなってくるはずだけれど、今日は足首をかばった分、腕上がりもしてしまって…。でも午後になると、そんな心配はすべてなくなってしまった。リアタイヤにハードとソフトを試し、両方とも好感触を得ることができた。そしていつもどおりに、いい仕事ができたんだ。今週の目標は、常に6位以内に入ること。今日はそれを達成することができた。これで弾みをつけ、ポジティブな気持ちで明日を迎えることができる」
A・ドビツィオーゾ選手談(フリー走行総合8番手/1分35秒257/41周)
「このコースの特徴として、ラップタイムがかなり接近していたんだけれど、使っているタイヤをよく調べれば、本当に速いのが誰かはすぐにわかる。もちろん、8位という順位に満足しているわけではないけれど、決勝用セッティングでのペースは悪くないと思っているよ。そして、これからさらにセッティングを煮詰めていく。とくに気になっているのがフロント・エンドで、いつものような安定感がない。コーナー進入でアグレッシブに飛び込めず、気分よく走ることができないんだ。でもラップタイムではトップから0.3秒しか離れていないのだから、これから詰めていくことができるはず。明日はもっと順位を上げたい」