ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.13 9月4日 サンマリノ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第13戦サンマリノGP
■開催日:2011年9月3日(土)初日結果
■開催地:イタリア/ミサノサーキット(4.226km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:29度 ■路面温度:39度
■PP:C・スト―ナー(1分33秒138/ホンダ)
REPORT
ロレンソが予選2位
ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソが予選2位を獲得。午前中に行われた最終フリープラクティスでは、ほとんどの時間帯で2位をキープしながら終盤で3位に下げたロレンソ。午後からの公式予選では序盤からトップに立ち、残り11分でC・ストーナーに先行を許した。その後も懸命にタイム更新を図りストーナーを追い、はじめは0.578秒あった差を0.120秒まで短縮した。
一方、チームメイトのB・スピースは午前、午後ともにリアのグリップ性向上を追求しながら、最終的には4位まで上げて公式予選を終了した。ポールポジションとの差は0.809秒。チームは明日の決勝までに、さらにセッティングを煮詰めてベストの状態に近づけるべく徹夜の作業を続ける。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・エドワーズは予選7位を獲得。セカンドロウには0.028秒届かなかったが、今回も非ファクトリー中トップの座をキープし、決勝の目標である6位以内獲得に期待をつなげた。午前中の最終フリープラクティスでエドワーズは、フロントのジオメトリー変更が功を奏し、昨日までのタイムを1秒近く更新して5位を獲得。午後からの公式予選では、セッションの4分の3が終了したところで1分34秒356を記録して5位に浮上。その後さらにコンマ3秒短縮したが、ポジションを上げることはできず、今季3度目のセカンドロウ獲得は実現しなかった。
チームメイトのC・クラッチローは午前中のフリープラクティスでホイールベースを変更し、昨日のタイムを1秒近く更新して9位。午後からの公式予選でも10位以内をキープして順調に走行していたが、1分34秒791まで上げたところで転倒。一度ピットに戻りスペアマシンで再スタートしたが、セッション終盤で再び転倒してしまった。幸い2度とも怪我はなく、クラッチローは前向きな気持ちを失うことなく明日に備えている。決勝では10位以内を目指す。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | C・スト―ナー | Repsol Honda Team | Honda | 1'33.138 |
2 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'33.258 |
3 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'33.318 |
4 | B・スピース | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'33.947 |
5 | M・シモンチェリ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'33.990 |
6 | A・ドビツィオーゾ | Repsol Honda Team | Honda | 1'34.026 |
7 | C・エドワーズ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'34.054 |
8 | A・バウティスタ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'34.360 |
9 | H・バルベラ | Mapfre Aspar Team MotoGP | Ducati | 1'34.592 |
10 | 青山博一 | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'34.637 |
11 | V・ロッシ | Ducati Team | Ducati | 1'34.676 |
12 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | Ducati | 1'34.727 |
13 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'34.791 |
14 | R・ド・ピュニエ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'34.870 |
15 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'34.995 |
16 | L・カピロッシ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'35.502 |
17 | T・エリアス | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'36.167 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(予選2位/1分33秒258/30周)
「今日はいい一日になったよ!もちろんポールポジションがほしかったけれど、フロントロウならスタート位置として少しも悪くない。セッションのなかでいくつかのことを試しながら、予選ではほとんどずっとトップを走っていた。チームの努力のおかげでマシンの状態がとても良く、僕はハイペースを維持することができたんだ。明日もいい戦いができると思う。そしてケイシーの前でゴールすることが目標だね。今回は天気が厳しくて、明日はもしかしたら雨が降るかもしれない。レースはいろいろな面でとても難しくなりそうだよ」
B・スピース選手談(予選4位/1分33秒947/30周)
「正直なところ、思っていたよりずっと厳しい展開になってしまった。残念だよ。ライディング自体は決して悪くなかったと思うけれど、マシン・セッティングの面でいろいろなものを試しても、なかなかいいものが見つからない。今もコースのいくつかの場所でうまく乗れないところがあるんだ。良いところと悪いところの差が激しくて、こうして4位まで上がるためにはかなり無理をしなければならなかった。何とかセカンドロウにつけたことは良かったけれど、それまでにおかしたリスクを考えるとハッピーな気持ちにはなれないね。マシン自体は素晴らしい。ホルヘも速く走れているし、僕だってフィーリングは悪くない。あとはセッティングを煮詰めていくだけ。今日は徹夜で作業を続けることになるだろう。そして明日は何ができるか状況を見守りたい」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「2位は悪くない。ホルヘはペースが良く、マシンにも満足しているので、決勝に向けての準備はすでに整ったということだ。タイヤ・チョイスもしっかりできたので、ギャンブルのようなこともしないで済む。ホルヘは持ち前の安定した走りができていて、とてもスムースなので、決勝でどこまでやれるか楽しみだ」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「フロントロウはとても良い位置。そして何より、ホルヘが非常にいいペースで走れている。このことが重要なのだ。ベンについてはより良いセッティングを追求してきたが、まだ十分とは言えず、リアのグリップに依然として課題が残っている。明日までに何らかの答を準備し、午前中に行われるウォームアップ・セッションで試したい。明日は天気にも疑問符がつくが...」
C・エドワーズ選手談(予選7位/1分34秒054/29周)
「今日の走りにはとても満足しているよ。でもチームみんなの努力にもかかわらずセカンドロウを獲得できなかったことは残念。昨日までの問題点はよくわかっていたので、フロントのジオメトリーを変更して高速セクションでの安定性を向上させた。メカニックたちが、僕のためにこんなに素晴らしいマシンを作り上げてくれたのだから、今回もまた彼らにお礼を言わなければならない。彼らは彼らの仕事をしっかりやった。だから僕も僕の仕事をしなければならない。今日は何とかそれができたと思う。4位から7位までは大きな差はなくて、ファクトリーマシンに乗るホルヘからコンマ1秒離されただけ。よく頑張ったと思うよ。
今は明日の決勝が楽しみ。リアにはソフトコンパウンドを履く予定で、これが完璧なチョイスだと思っている。でも実際にはハードコンパウンドのほうがあまりうまくいかなかったんだ。フィーリングが硬くて、僕のほうまで固まってしまう感じで...。6位以内を目指しているけれど、ライバルたちの状態やそのマシンを見れば決して楽な戦いではないだろう。僕はまず好スタートを切ること。そして最初のいくつかのコーナーでミスをしたりトラブルに巻き込まれたりしないことが大切だと思っているよ」
C・クラッチロー選手談(予選13位/1分34秒791/23周)
「最終ポジションは最悪。2回のクラッシュさえなければ、もちろんもっと上へ行けたはずだ。午前中はとても好調で、昨日のタイムを1秒も短縮。昨晩の徹夜の作業のおかげでフロントのフィーリングが向上していたからね。転倒前は8位につけていたのだから、トップ10は確実だったと思う。最初の転倒は第3コーナー。リアにソフトコンパウンドのタイヤを履いてコースに出たばかりで、まだ暖まっていなかったためにハイサイドを起こしてしまった。幸い怪我もなかったから、すぐにピットに戻ってスペアマシンにまた新しいソフト・タイヤを装着して再スタート。でもフロントのほうはすでに25ラップ走ったものだったんだ。僕はタイム更新のために必死になっていたんだけれど、決勝距離をほぼ走り終わったフロントがついてきてくれなくて、また転倒してしまった。
とても悔しい結果になったけれど、どちらも僕のミスなのだから文句は言えないね。本来ならもっと上へ行けたはずだと思っているし自信は失っていないので、明日はまたトップ10入りを目指してベストを尽くすよ。いつも僕を支えてくれるモンスター・ヤマハ・テック3チームのみんなには本当に申し訳なく思っている。彼らに応えるためにも、明日は何としても好成績を目指したい」