ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.13 9月4日 サンマリノ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第13戦サンマリノGP
■開催日:2011年9月2日(金)初日総合結果
■開催地:イタリア/ミサノサーキット(4.226km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:30度 ■路面温度:44度
REPORT
ロレンソ、初日はトップタイム
ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソが、サンマリノGPのフリープラクティス初日にトップタイムを記録。第1セッションは調子が上がらなかったものの、大幅なセッティング変更が功を奏して第2セッションではスタート後すぐにトップに浮上。一時は2位以下に1秒以上の差をつけるなど圧倒し、そのまま最後までトップを守り切った。
チームメイトのB・スピースも好調な走り。第1セッションでは終盤までトップをキープしたが、最後に逆転されて0.286秒差で2位。第2セッションは様々なマシンセッティングを試したこともあり5位に後退した。トップのロレンソから0.54秒差。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・エドワーズとC・クラッチローは、それぞれ10位と15位。エドワーズはおもに、YZR-M1の高速安定性を追求し、午後からのセッションでは自己ベストタイムをコンマ3秒近く更新する1分35秒301を記録。また44ラップの走行のなかで、リアタイヤのソフトコンパウンドとハードコンパウンドの性能を確かめた。トップ6との差は0.3秒。一方のクラッチローは、スーパースポーツ、スーパーバイクでの経験を生かして第1セッションから好調。トップ10にコンマ2秒差と迫った。第2セッションでは0.3秒以上もタイムを短縮したが、ポジションアップにはつながらず15位に後退。明日はリアタイヤのフィーリングとグリップ性の向上に取り組み、公式予選で10位以内獲得を目指す。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'33.929 |
2 | C・スト―ナー | Repsol Honda Team | Honda | 1'34.005 |
3 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'34.205 |
4 | M・シモンチェリ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'34.444 |
5 | B・スピース | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'34.466 |
6 | A・ドビツィオーゾ | Repsol Honda Team | Honda | 1'34.989 |
7 | A・バウティスタ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'35.023 |
8 | H・バルベラ | Mapfre Aspar Team MotoGP | Ducati | 1'35.111 |
9 | 青山博一 | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'35.282 |
10 | C・エドワーズ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'35.301 |
11 | V・ロッシ | Ducati Team | Ducati | 1'35.331 |
12 | R・ド・ピュニエ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'35.418 |
13 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'35.419 |
14 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | Ducati | 1'35.423 |
15 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'35.622 |
16 | L・カピロッシ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'35.826 |
17 | T・エリアス | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'36.196 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(初日総合1番手/1分33秒929/43周)
「午後からのセッションでは、セッティング変更のおかげでとても走りやすくなった。セッティングを優勝したムジェロのときのものに近づけたんだけれど、これによって1秒以上も短縮できたのには正直なところ驚いたよ。今は優勝にかなり近いところに来ていると思うよ!ケイシーもダニもとても速いけれど、少なくとも僕も彼らと同じところにいるからね」
B・スピース選手談(初日総合5番手/1分34秒466/42周)
「悪くなかったと思う。第2セッションはあまりタイムが上がらなかったけれど、試しておきたいことがたくさんあったから仕方がないんだ。インディーの前からライディング・ポジションの改良に取り組んでいて、それがかなり効果をあげてきている。さらに前へ進もうとトライしていたんだけれど、今日はちょっと行きすぎだったみたい。それ以外にもタイヤをすべて試し、良いタイムも出ていた。だから総合的に見て、今日は良くできたと思う。試したことのいくつかは成功、いくつかはあまりうまくいかなかったという感じ。マシンのフィーリングにもスピードにもほとんど満足しているけれど、明日はもっと頑張って、もう少しグリップレベルを上げたいと思っているんだ」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「午前中のセッションをしっかり分析し、午後からは大幅なセッティングを行って第2セッションに臨んだ。これによってトラクションが上がり、マシンの制動がうまくできるようになり1秒以上も短縮することができた。でもこれで完成というわけではない。課題はまだあるので、明日はさらに改善していきたい。今日は決して楽ではなかったが、チームスタッフが本当によく頑張ってくれた」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「今回はとても良いスタートができた。ベンについては午後のセッションで様々なセッティングとタイヤを試し、いくつか課題を残したものの、総合的にはほぼ満足。ホルヘは第2セッションで速さと安定性を見せてくれた。明日もこの調子で作業を続け、決勝のためのセッティングの最終調整を行う」
C・エドワーズ選手談(初日総合10番手/1分35秒301/44周)
「今日はとくに大きな問題もなく、充実した一日。ただ高速での安定性には問題があって、3つの右高速コーナーでタイムをロスしてしまうんだ。また午後のセッションではフロントが切れ込みやすく、まるで扁平タイヤで走っているような感じになることも何度かあった。これらを改善するために、いくつかセッティング変更をしてみたけれど、結局、時間の無駄に終わってしまったようだ。だから今夜はデータを見ながら皆で話し合い、明日の作戦を練るよ。依然として自信は失っていないし、十分に気持ち良く乗れているので、セッティングをいくつか変更してうまくいけば爆発的に良くなるはず。またリアのハードコンパウンドも、もうちょっとフィーリングが欲しいところ...。コーナー進入でまだグリップが不十分なので、明日はそれも改善していきたい。すでにいくつかアイディアがあるので、明日はもっと速く走れるようになるよ!」
C・クラッチロー選手談(初日総合15番手/1分35秒622/42周)
「ウイークのスタートは絶好調というわけにはいかなかった。15位という結果は、まだ僕らの本当のポテンシャルを現してはいないよ。リアのハードコンパウンド・タイヤがうまく働いてくれず苦しんだので、明日もこれが最大の課題になると思う。ソフトコンパウンドのほうは好調で、午前も午後も同じものを使って36ラップも走ったあとも、新品のハードコンパウンドと同じくらいのタイムが出ているんだ...。ロレンソはハードタイヤで1.5秒も速いのだから、僕らはマシンのセッティングを見直して、インディアナポリスで使ったものに近づけてみたいと思っている。まずは今晩、データを分析して明日までに何ができるか考えたい。そしてベストを尽くして頑張るだけ。あとコンマ5秒で8位に届くところにいるのだから、決して遠くはないよ」