ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.11 8月14日 チェコ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第11戦チェコGP
■開催日:2011年8月12日(金)初日総合結果
■開催地:チェコ共和国/ブルノ(5.403km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:23度 ■路面温度:32度
REPORT
初日、J・ロレンソとB・スピースは4番手、6番手
短い休暇が終了し、モトGP第11戦はチェコのブルノで再開。そのフリープラクティス1日目、ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソとB・スピースはマシンがセットアップに力を注いだ。
ロレンソがおもに取り組んだのは、コーナー進入でのブレーキング性能とコーナリング性能を向上させること。第1セッションはトップから1.259秒離されたが、第2セッションでは0.720秒に短縮した。順位は両セッションともに4位。一方のスピースは、第1セッションでトップから1.575秒差の6位。第2セッションは1.177秒に短縮したが、やはり6位にとどまった。スピースは首に痛みから左腕にしびれが出ており、セッション終了ごとに診療所で処置を受けている。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローとC・エドワーズは、それぞれ9位と12位。クラッチローはスーパーバイク選手権でこのコースを走ったことがあるため、今回は初日からマシン・セッティングだけに集中することができた。そして午後からの第2セッションではタイムをコンマ5秒以上も短縮して1分57秒859とし、一時は6位まで浮上。最終的には9位となったが、トップ5にわずか0.3秒差と迫っており、十分な手応えを感じて初日を終了することができた。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'56.328 |
2 | C・スト―ナー | Repsol Honda Team | Honda | 1'56.831 |
3 | M・シモンチェリ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'57.136 |
4 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'57.174 |
5 | A・ドビツィオーゾ | Repsol Honda Team | Honda | 1'57.535 |
6 | B・スピース | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'57.631 |
7 | V・ロッシ | Ducati Team | Ducati | 1'57.745 |
8 | A・バウティスタ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'57.857 |
9 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'57.859 |
10 | J・ホプキンス | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'57.880 |
11 | H・バルベラ | Mapfre Aspar Team MotoGP | Ducati | 1'58.120 |
12 | C・エドワーズ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'58.313 |
13 | R・ド・ピュニエ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'58.454 |
14 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'58.568 |
15 | L・カピロッシ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'58.573 |
16 | 青山博一 | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'58.607 |
17 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | Ducati | 1'58.999 |
18 | T・エリアス | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'59.157 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(初日総合4番手/1分57秒174/27周)
「今日は期待通りの結果というわけにはいかなかった。ブレーキングがあまりうまくいかなくて、そこで大きく遅れてしまうんだ。今のままではトップからかなり離されてしまっているので、明日は午前中でマシンを作り上げて、午後からの公式予選までに準備を整えたい」
B・スピース選手談(初日総合6番手/1分57秒631/31周)
「今日はまずまずというところ。実際、最終順位には満足しているんだ。首の神経に違和感があって体調的には完璧とは言えないんだけれど、そのなかでも僕自身は全力投球しているよ。ラップタイムはそんなに悪くないと思うけれど、好タイムを何度も連続して出すことができない。今回は毎日ドクターに診てもらいながら改善していかなければならない。決勝日までには必ず、気分良く乗れるようになると思うよ!」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「午後のセッションは、午前中よりは良くなったが、やはりまだフロントのフィーリングが十分ではないようだ。原因ははっきり言えないが、フロントのグリップが不足しているように見える。コーナリング性能はいくらか良くなってきたが、これもまだ十分ではない。次までに解決しなければならない課題だ。明日は、よりはっきりとした方向性を見つけたい。1日目として4位は悪くないが、前に3台居ることは事実で、それだけの課題が残っているということなのだ」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「マシン・セッティングはうまくいっているが、ベンは左腕に問題があってハードに攻め切ることができない。このこと以外は、マシンもタイヤも良い状態なので本人の満足できているようだ。今夜も治療を続け、明日はまたサーキットの診療所で診てもらう。それで決勝日までにどのくらいプッシュできるようになるか、ということだ。ホルヘのほうは順調にスタートすることができた。しかしまだフロントエンドのフィーリングに悩んでおり、日曜までに解決しなければならない」
C・クラッチロー選手談(初日総合9番手/1分57秒859/33周)
「今日はとても順調だったよ。ここ数戦はフロントエンドのフィーリングに自信を持てなかったんだけれど、これがかなり良くなってマシン性能が向上。またハンドルバーのポジションを変えて手前に近づけてみたら、これも正解だったようだ。まだ完璧というわけではないけれど、明日またいろいろなセッティング変更を試して、さらにコーナリング性能を上げていきたい。本当ならもう少しタイムを短縮できるはずだったけれど、最終ラップでちょっとミスをしてしまったんだ。うまくいっていれば7位は確実だったんだけれど...最後にバレンティーノとアルバロ・バウティスタに抜かれてしまったからね。でも決勝では7位争いあたりを目指していけるということ。今回はコースを一から覚える必要がないので、それが大いに助けになっていると思うんだ。コースを知っていれば、モトGPのベテランライダーたちだって抑えられることを証明できたしね。前はコースも知らずにハードに攻めすぎていたのかもしれない。今日はペースが安定していて、充実したプラクティスになったと思う」
C・エドワーズ選手談(初日総合12番手/1分58秒313/33周)
「今日は正直、ちょっと難しかったよ。12位よりは上を期待していたんだけれど...問題解決のために一生懸命に頑張ったつもりだけれど、マシンのセットアップがなかなかうまくいかなかった。それで結局、自信を持ってプッシュしていけるところまでは到達できなかったんだ。一番の問題はリアグリップで、タイヤが十分に路面に吸いついてくれず、今はほんの小さな接地面で走っているよう感じ。その結果としてフロントのフィーリングにも影響してしまって、タイムを上げていくことができない状況なんだ。コーナーでどうしてもはらんでしまうので、それを避けるためにはコーナリング・スピードを下げるしかない。でもそれをすれば、もちろんラップタイムはどうすることもできない。だから今夜はスタッフたちと話し合って、マシンの変更のプランを練りたい。良い結果につながればいいのだけれど...」