ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.10 7月24日 アメリカ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第10戦USGP
■開催日:2011年7月23日(土)予選結果
■開催地:カリフォルニア州/ラグナセカスピードウエイ(3.610km)
■コースコンディション:ドライ
■PP:J・ロレンソ(1分21秒202/ヤマハ)
REPORT
ロレンソがポールポジション
ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソがポールポジションを獲得。ロレンソは午前中に行われたフリープラクティス最終セッションで転倒しており、午後からの走行が一時は危ぶまれていたが、メディカル・センターの検査をクリアして公式予選で臨んだ。最初のタイムアタックで1分22秒を切る速さを見せ、その後も安定したペースをキープ。一度はチームメイトのB・スピースにトップを譲ったものの、すぐに抜き返してポールポジションを手中にした。ロレンソはこのなかでラップレコードも更新している。
スピースはセッション前半をマシンのセットアップにあて、後半から徐々にペースを上げて1分21秒578をマーク。これでロレンソを抜いて一時トップに立ったが、すぐに抜き返されてしまった。その後もフロントロウ獲得を目指して懸命の走行を続けていたが、第3コーナー進入のブレーキングでミスがあり、タイムアタックを終了した。結果はグリッド2列目の4位。ポールタイムとの差は0.376秒。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローとC・エドワーズはともにグリッド4列目を獲得。クラッチローはYZR-M1のリアグリップ向上を目指してセッティングを行いながら、1分22秒385を記録して10位。合計31ラップを走行して、決勝用タイヤの選択にも取り組んだ。ポールポジションとの差は1.183秒。明日の決勝では、カタルニアGPの7位以来のトップ10入りを目指す。
一方のエドワーズはひとつ後ろの11位。クラッチロー同様、マシンセッティングに時間を費やし、おもにリアグリップの向上に取り組んだ。ベストタイムは1分22秒520で、最終順位は本人の希望に届かなかったが、決勝ではさらに上を狙う。過去2年はともに7位を獲得している。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'21.202 |
2 | C・スト―ナー | Repsol Honda Team | Honda | 1'21.274 |
3 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'21.385 |
4 | B・スピース | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'21.578 |
5 | M・シモンチェリ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'21.696 |
6 | A・ドビツィオーゾ | Repsol Honda Team | Honda | 1'21.731 |
7 | V・ロッシ | Ducati Team | Ducati | 1'22.235 |
8 | H・バルベラ | Mapfre Aspar Team MotoGP | Ducati | 1'22.238 |
9 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'22.271 |
10 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'22.385 |
11 | C・エドワーズ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'22.520 |
12 | A・バウティスタ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'22.669 |
13 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | Ducati | 1'22.893 |
14 | 青山博一 | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'22.937 |
15 | R・ド・ピュニエ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'22.961 |
16 | L・カピロッシ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'23.876 |
17 | T・エリアス | Honda MotoGP | Honda | 1'24.156 |
18 | B・ボストロム | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'25.291 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(予選1位/1分21秒202/35周)
「午前中に転倒してしまっていたので、ポールポジションを獲得できるとは思っていなかった。でも幸いなことに、マシンに乗っているときは歩いているより痛みが少ないんだ。もちろんパーフェクトなコンディションではないし、腕により負担がかかるので疲労も早いだろう。でも転倒の状況を考えれば、この程度で済んだのは幸運。だからポールポジションは予想以上の素晴らしい結果なんだ」
B・スピース選手談(予選4位/1分21秒578/25周)
「悪くはなかったよ。予選セッションのなかでいくつかのことを試すことができたし、決勝用セットアップも良くなっている。しかも公式予選として、ラップタイムも上げることができたしね。でも、あの第3コーナーのブレーキングではミスをしてしまったんだ。何としてもフロントロウを獲得したいという思いがあって、頑張り過ぎてしまったからだ。何しろ、ヤマハのボスにフロントロウを期待していると言われていたから、そのせいでね...なんて冗談はさておき、僕は確かに全力を尽くしたんだ。それで小さなミスをしてしまった。ちょっと手を打ってしまったんだけれど、問題はない。決勝に向けて準備は整っているよ。朝のウォームアップで、さらにもう少し改善できるようにすれば、きっといい一日になる」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「最高にハッピーな一日だ! 信じられないような素晴らしい結果。今シーズンで一番だ! 転倒があったあとでポールポジションを獲得できるなんて、誰も想像しなかっただろう。ホルヘは2周目で21秒9を記録した。午前中にクラッシュしたマシンをここまでにしてくれたメカニックたちに、お礼を言わなければならない。かなりダメージがあったので、大変なハードワークだったに違いない。ラップタイムも安定しているので、ホルヘは明日、見事なロックンロールを見せてくれるに違いない」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「ホルヘのペースは素晴らしかった。そして最高のポールポジションを獲得したのだ。明日もトップを競うための、すべてのものが揃っている。ベンのほうは残念ながら最終ラップで転倒してしまった。マシンのセッティングは昨日よりも格段に良くなっていたので、我々もフロントロウを期待していたのだが、セカンドロウも悪くない。タイム差もコンマ3秒だけなので、ベンもホルヘとともに上位争いに加わることができるだろう。このあとはベンのコメントに沿ってデータをチェックし、決勝のためのリアタイヤを決める」
C・クラッチロー選手談(予選10位/1分22秒385/31周)
「トップ10に入れてうれしいよ。セッション終盤の大事なところで、やっと何かをつかむことができたみたいだ。決勝用セッティングのペースではトップ8と比べてもコンマ数秒の差だから、明日はスタートが肝心になる。タイヤはまだはっきり決めていない。ロレンソは走りがとてもスムースなのでハード・タイヤを履くことができるけれど、僕らはどうか、まだ悩んでいるんだ。たぶん僕らはハードでいくことになると思うけど、セッティングをチェックして、安定性をキープできるかどうか確認しないと。周回数が多いので、ソフト・コンパウンドは最高の策とは言えないからね。
今日は昨日よりも路面コンディションがずっと良かった。タイムも24秒台から22秒台前半に縮まっているんだけど、それは僕がコースを走り慣れてきたからだろう。僕のライディング・スタイルを少し変えなければいけないんだけれど、知らないコースでそれをするのは簡単じゃないんだ。それに暑さのなかでは僕の走り方が邪魔になることもあるから、ブルノに行ってからスタイル改造に取り組みたい。明日の目標は10位以内。そして経験を増やすこと。それから少しでも多くのポイントを獲得すること。また誰かとバトルするのもいいね。そこから何か学べるし、経験を積むことができるから」
C・エドワーズ選手談(予選11位/1分22秒520/31周)
「どういうわけかこんなことになってしまった。ホームGPでトップ10を外れるなんて、最も避けたかった事態だ。でも僕は確かに全力を尽くしたし、ここまで来るのも本当に大変だったんだ。どんなに努力しても、リアグリップが十分に得られなくて空回りばかりだった。午後からの公式予選前にセッティング変更を行ってみたけれど、それでも状況は改善されなかった。マシンが去年より良くなっていることはわかっている。だからこそ余計に不可解なんだ。リアは相変わらずとてもナーバスで、走っていてもまったく楽しめない。つまり今のセッティングはうまくいっていないということ。だから今晩は最初の設計図に戻って組み立て直し、明日までに新しいプランを練り上げるしかない。アメリカのファンたちに約束するよ。僕は100%の力を出し切って戦い、彼らのために好成績獲得を目指す。だって彼らのサポートは本当に素晴らしいからね」