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Yamaha Motor Revs Your Heart

レース情報

ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.09 7月17日 ドイツ

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第9戦ドイツGP
■開催日:2011年7月17日(日)決勝
■開催地:ドイツ/ザクセンリンク(3.671km)
■周回数30周(110.13 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温: 21 度■路面温度: 29度
■PP:C・スト―ナー(1分21秒681/ホンダ)
■FL:D・ペドロサ(1分21秒846/ホンダ)

REPORT

ロレンソ、最終ラップの逆転で2位表彰台

第9戦ドイツGPは、今シーズンで最もエキサイティングな展開となった。ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソとB・スピースは最終ラップまで激しいバトルを続け、それぞれ2位と5位を獲得した。

ロレンソは終始、C・ストーナー、D・ペドロサとトップ争いを展開。スタートで2位につけたロレンソは残り17ラップでストーナーを捉えて一時はトップに浮上したが、その後ペドロサに、さらにストーナーにも抜かれて3位に後退した。しかし最終ラップの最終コーナーで再度、勝負をかけ、ストーナーから2位を奪い返してそのままチェッカーを受けた。

一方のスピースは、スタートで順位をひとつ下げて6位。その後もグリップ不足に悩まされてペースが上がらず、早々に上位グループから離されてしまった。それでも安定したペースを維持してたんたんと周回を重ねるうちに、M・シモンチェリとA・ドビツィオーゾの後方まで浮上。ザクセンリンクのツイスティーなコースでは、前方でバトルする2台を抜くことは簡単ではなかったが、スピースは最終ラップまでチャンスを待ち、最終ラップでついにシモンチェリを捉えて5位をもぎ取った。数秒前にチームメイトが見せた鮮やかなパスの再現だった。ストーナーの2位を阻止したことで、ロレンソはポイント差を短縮。合計獲得ポイントを153に伸ばし、ストーナーとの差は15ポイントとなった。一方のスピースはランキング6位をキープし、ランキング4位のV・ロッシまであと13ポイント。

モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・エドワーズとC・クラッチローは、好バトルの末にそれぞれ10位と14位を獲得。エドワーズはのどの痛みの影響もあるなかで、A・バウティスタ、V・ロッシ、N・ヘイデンのファクトリー勢と7位争いを展開。そのまま終盤を迎えたが、残りの4ラップになって左コーナーでのリアグリップに不具合が出たためバトルを続けることができなくなってしまった。結果は10位となったが、ザクセンリンクの自己ベストのタイムを記録しており、走り自体には本人も満足している。自信を持って、次回のホームGPに臨む。

一方のクラッチローは持ち前の積極性でR・ド・ピュニエ、H・バルベラ、K・アブラハムを追い詰めていく。しかし26ラップ目の第3コーナー進入でラインをキープすることができず、14位に後退した。すぐにペースを取り戻したものの順位の挽回にはいたらず、そのままゴール。11位との差はわずかコンマ5秒だった。

RESULT

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 D・ペドロサ Repsol Honda Team Honda 41'12.283
2 J・ロレンソ Yamaha Factory Racing Yamaha +1.477
3 C・スト―ナー Repsol Honda Team Honda +1.568
4 A・ドビツィオーゾ Repsol Honda Team Honda +10.513
5 B・スピース Yamaha Factory Racing Yamaha +10.719
6 M・シモンチェリ San Carlo Honda Gresini Honda +10.923
7 A・バウティスタ Rizla Suzuki MotoGP Suzuki +27.451
8 N・ヘイデン Ducati Team Ducati +27.510
9 V・ロッシ Ducati Team Ducati +27.576
10 C・エドワーズ Monster Yamaha Tech 3 Yamaha +33.491
11 H・バルベラ Mapfre Aspar Team MotoGP Ducati +38.944
12 K・アブラハム Cardion AB Motoracing Ducati +39.148
13 R・ド・ピュニエ Pramac Racing Team Ducati +39.415
14 C・クラッチロー Monster Yamaha Tech 3 Yamaha +39.477
15 青山博一 San Carlo Honda Gresini Honda +54.516
15 T・エリアス LCR Honda MotoGP Honda +1'12.335
16 S・ギュントーリ Pramac Racing Team Ducati ー1Lap

LAP CHART

RIDERS RANKING

順位 ライダー マシン ポイント
1 C・スト―ナー Honda 168
2 J・ロレンソ Yamaha 153
3 A・ドビツィオーゾ Honda 132
4 V・ロッシ Ducati 98
5 D・ペドロサ Honda 94
6 B・スピース Yamaha 85
7 N・ヘイデン Ducati 85
8 M・シモンチェリ Honda 60
9 C・エドワーズ Yamaha 59
15 C・クラッチロー Yamaha 34

CONSTRUCTORS RANKING

順位 コンストラクター ポイント
1 Honda 210
2 Yamaha 184
3 Ducati 107
4 Suzuki 45

COMMENT

J・ロレンソ選手談(2位)

「最高にうれしいよ!今日はとてもいいレースができた。中盤ごろから左手がとても疲れてきてしまって、最後までプッシュし続けるのは難しいんじゃないかと思い始めていたんだけれど、最後のふたつのコーナーでケイシーのペースが落ちたので勝負をかけたんだ。そしてスロットルをフルオープンして、最終コーナーで前に出た。奇跡みたいなパスだったよ! このレースはとても重要なので、2位を誇りに思うし、とてもハッピー。僕に素晴らしいマシンを用意してくれたヤマハのスタッフたちに感謝しなければいけない」

B・スピース選手談(5位)

「残念ながら、上位グループに追いつくのが遅すぎたね。でも最大限、ハードに攻めたつもりだよ。序盤はリアグリップが不十分でどうしてもついていくことができなかったから、自分なりにコンスタントなペースをキープしながら、前のほうから落ちてくるのを待っているしかなかった。この間は、これまでの経験のなかで最もタイムが安定していたんじゃないかと思うよ。そうするうちに残り3ラップまできて、前との差が詰まってきたんだ。

シモンチェリもドビツィオーゾをパスしようとチャンスをうかがい始めていて、僕がしかけようとするたびに、ひとりはこっち、もうひとりはあっちにいるような複雑な状態! みんなとてもフェアーで、それぞれのレースを頑張っていたんだけれど、僕としては作戦がめちゃくちゃになっちゃったんだ。でもシモンチェリが最後に大きくはらんだので、最終ラップで彼をパス。そのままドビツィオーゾにもしかけたかったけれど、時間切れになってしまった」

W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談

「見事な成績だ。もちろん優勝できれば一番いいが、ダニの強さは明らかだった。彼はこのコースが得意らしく、去年も同様に強かったのだ。我々としては、最終ラップの最終コーナーで4ポイント多く勝ちとったことが素晴らしい。これはホルヘの精神的強さの賜物だ。シーズン後半を迎え、差を縮め始めている。残りのレース数を考えればチャンスは十分だ」

M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談

「ストーナーとの差を縮めることができたことはとても与かった。ホルヘは素晴らしい仕事をしてくれたし、なかでも最終ラップは非常に印象的だった。彼はドアが開いているのを見つけ、ただそこに入っただけ。とてもクリーンなパスで完璧な仕事だった。ベンのほうはグリップ不足に悩まされたが安定性をキープした。最初から最後まで、ほとんど同じペースを守っており、あとコンマ1秒でも上げることは難しかっただろう。そうしたなかでの5位は決して悪くないし、もしあと数ラップあったら4位も可能だったと思っている。今はもう、次のラグナセカを見ている。彼らはきっと、また一歩、前進するだろう」

C・エドワーズ選手談(10位)

「難しいレースだったよ。前に何台もいて、それをパスしたら一気にたくさん順位が上がる、でもそれがなかなかできない、という展開だったからね。僕がレースのほとんどをバレンティーノ、ニッキー、アルバロとバトルしていたけれど、何をやってみても、どうしてもパスするまでには届かなかった。このコースはとても短いから、コンマ1秒の差が100万秒くらいに思える。しかも、まるでずっとバンジーをやっているみたいな感覚。第4コーナーから始まる左コーナーの連続では彼らのほうが速かったようで、マシン長2、3台分も離される。でもそのあとの第12コーナーと最終コーナーのハードブレーキングで取り返すんだ。

ブレーキングではマシンがとても安定していたから良かったけれど、離されて追いついての繰り返しばかりで、その先はどうすることもできなかった。残り数ラップの第2コーナーでスロットルを閉じた途端にリアが急激に回り込んだ。それ以降はグリップが落ちてしまい、わずかに振動も出てきてライバルたちについて行くことができなくなってしまったんだ。それでもなんとかついて行こうとしたら、さらにミスを重ねた。だから結局、10位に終わったんだ。順位は良くないけれど、以前のことを考えれば決して悪くない。これまでここではまったくいいところがなかったので、今日は前より速く走れるようになって良かったよ。だから自信を持って次のホームGPに臨める。ファンの前でレースのするのが楽しみだ」

C・クラッチロー選手談(14位)

「トップ10を狙っていたから、14位は満足できるわけがない。でも、この厳しいレースのなかで良かったことを探すとすれば、僕よりずっと経験豊富でコースを熟知しているライダーたちと、最初から最後までバトルすることができたこと。何とか11位を獲得したかったけれど、終盤ではらんでしまった。ここのようなツイスティーなコースで3台をパスするのは簡単なことじゃないけれど、最後まであきらめずに全力でプッシュした。そしてもう少しで挽回できそうだったんだ。

グリップが十分じゃなかったから、あれ以上に激しく攻めることはできそうになかった。ウイークを通じていろいろな変更をしたけど、なかなか改善が見られなかったのは残念。でも今回も多くを学ぶことができ、今後に生かしていきたい。次のラグナセカではまたトップ10に入りたい」

H・ポンシャラル、モンスター・ヤマハ・テック3チーム・チームマネジャー談

「結果以上にフィーリングは良かった。コーリンは力強い戦いを見せてくれた。スタートも良く、ドゥカティーやスズキのファクトリー勢とずっと互角にわたりあった。ペースを良かったので、これ以上にやれることはほとんどなかったと思う。彼にとっては厳しいコースだったが、ペースはとても安定していた。カルのほうは14位に終わり、本人も不満がのこったようだ。また沢山のことを学んだことだろう。辛さを乗り越えて、最後にチェッカーフラッグをくぐったことが、彼に何かを与えてくれるはずだ。

14位に満足だとは言いたくないが、ランディーや他のドゥカティー勢とのバトルをなかで学んだことは大きい。シーズン序盤は何度か素晴らしいパフォーマンスがあったが、ここで忘れてならないのは、彼がルーキーであること。そして今日のように14位に留まらざるを得なくなった時、彼はそこから何かを学ばなければいけない。今シーズンの我々の目標は、時に思うような成績を得られないとしても、彼をより良いモトGPライダーにすることなのだ。今は次のラグナセカに集中したい。コーリンとモンスターにとって非常に重要なレースなので、好成績を目指せるようにチーム一丸となって努力していく」

辻 幸一、MS開発部 モトGPグループリーダー談

「ザクセンリングサーキットは単純なレイアウトながら起伏に富んでおり、ライダー、マシンの小さな積み重ねが重要なコースです。ウイークエンド中は久しぶりに一度も雨に降られることもなく、順調にマシンのセッティングを詰めることのできたロレンソ選手がレースでは、最終ラップに一時離される場面もありましたが、最後まで諦めない気持ちが勝り最終コーナーで2位となりそのままチェッカーを受けました。チャンピオンシップポイントも15ポイント差に縮まりました。相棒のスピース選手も最終ラップの最終コーナーで5位になりました。今回は諦めない気持ちをライダーから教えられたレースでした。サテライトのコーリン選手、カル選手も完走しました。次のレースは来週、アメリカのラグナ・セカサーキットでの開催となります。レース参戦50周年を記念した赤/白のスペシャルカラーリングでの走行となります。引続き皆様のご声援をお願いいたします」

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