ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.05 6月5日 カタルニア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第5戦カタルニアGP
■開催日:2011年6月3日(金)初日総合結果
■開催地:スペイン/カタルニア(4.727km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:20度 ■路面温度:26度
REPORT
気まぐれな天候下、初日を終了
第5戦カタルニアGPのフリープラクティス初日は、天候の変化に翻弄されて難しいコンディション。午前中の第1セッションは、スタート時は晴れていたもののセッション途中から雨が降り始め、徐々に路面を濡らしていった。また午後からの第2セッションは逆の展開で、初めの30分間はウエットの状態だったが、その後、乾き始め、最後の20分間ほどはドライ・コンディションを経験することができた。
ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソとB・スピースは、ドライ・コンディションの時間帯を最大限に活用していくつかのシャシー・セッティングをテスト。スピースはライディング・ポジションを変更しながらマシンのパフォーマンスを引き出していった。ともに第1セッションでファステストタイムを記録し、それぞれ4位と5位につけた。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローは、今回も初めて走るコースを素早く攻略。1分44秒797のベストタイムを記録して総合7位を獲得した。5位まであとコンマ2秒という大健闘だ。
一方、チームメイトのC・エドワーズは、第2セッションで転倒して右鎖骨を骨折。非常に厳しい展開となってしまった。午前中に行われた第1セッションでは順調な走りを見せており、1分44秒768を記録して6位。第2セッションはウエット・コンディションで始まったが、残り15分くらいになると急激に路面が乾き始めたため、ライダーたちはスリックタイヤに交換。エドワーズもスリックに履き替えて1ラップ走ったが、ラップタイムも上がり始めた矢先、第5コーナーで転倒した。激しく路面にたたきつけられたためマーシャルに支えられてコースを離れ、その後メディカル・センターへ。ここで詳しい検査を行った結果、右鎖骨の骨折が判明した。このあとバルセロナにあるデクシウス病院へ搬送されて手術を受ける予定。執刀するザビエル・ミール医師は、以前にロレンソやD・ペドロサの治療も行っている。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | C・スト―ナー | Repsol Honda Team | Honda | 1'42.940 |
2 | M・シモンチェリ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'43.468 |
3 | A・ドビツィオーゾ | Repsol Honda Team | Honda | 1'43.603 |
4 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'43.810 |
5 | B・スピース | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'44.646 |
6 | C・エドワーズ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'44.768 |
7 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'44.797 |
8 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'44.799 |
9 | V・ロッシ | Ducati Team | Ducati | 1'44.844 |
10 | 青山博一 | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'45.332 |
11 | A・バウティスタ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'45.751 |
12 | T・エリアス | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'45.760 |
13 | R・ド・ピュニエ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'45.821 |
14 | L・カピロッシ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'46.136 |
15 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | Ducati | 1'46.280 |
16 | H・バルベラ | Mapfre Aspar Team MotoGP | Ducati | 1'46.501 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(初日総合4位/1分43秒810/15周)
「第1セッションの終盤から雨が降り出し、第2セッションはその逆になったので、今日はあまりたくさん走ることができなかった。結局、ドライで走れたのは20分だけ。だからセッティング作業に使えたのはわずか8ラップくらいだった。トップからはかなり離されてしまったけれど、明日の午前中の最終フリープラクティスで挽回を狙うよ。ホームに戻って来られたことはうれしいけれど、厳しい戦いになりそう。ここは忍耐強く、冷静に、自分の力を精いっぱい出して表彰台を目指したい」
B・スピース選手談(初日総合5位/1分44秒646/ 24周)
「ドライになったりウエットになったりで大変だったけれど、全体の感触は悪くなかったよ。見ただけでは路面がどのくらい濡れているのかが分からないので、走りながら感じなければならないので難しかった。マシンはセッティングを大幅に変更し、ライディング・ポジションも変えた。これで何かがつかめたような気がしているので、明日は何としてもドライになってほしい。初日は5位という結果になったけれど、もっと上位に近づいていくために努力を続けるよ」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「フリープラクティス初日は奇妙な展開。ドライになったりウエットになったりと、コンディションがいろいろ変わったので、今日の結果から我々の本当の位置を判断することはできないだろう。とは言え、多かれ少なかれ、他のライダーたちも条件は同じ。ラップタイムでは去年よりも遅くなっている。マシン自体には大きな問題もないので、明日は何とか晴れてもらって決勝に向けて万全の準備をしたい」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「天候に邪魔されて、マシンのセットアップが予定通りに進まなかった。しかし、このような中でもいいペースで走れているし、ふたりとも5位以内に入っているのだから、ウイークの初日としては悪くないと思う。あとは明日に賭けよう」
C・クラッチロー選手談(初日総合7位/1分44秒797/22周)
「このコースがとても気に入ったよ。僕のライディングスタイルに合っているようで、良い結果にもつながった。リアはハード・コンパウンドだったので、もしソフトを履いていればもっとタイムは上がっていただろう。ウエットも何周か走ったけれど、完全なウエットというわけでもなかったから時間の無駄になってしまったのかもしれない。今日の僕にとってはブレーキングポイントを決めることが重要な作業のひとつだったけれど、現時点では第1コーナーでコンマ4秒も遅れてしまっている。その他の場所でタイムを詰めることができるが、いずれにしても、ひとつのコーナーであんなに遅れてしまうなんて許されないよ。
少しの間、バレンティーノについて行って、いろいろなことを素早く覚えることができて良かったと思う。彼の走りはシルクのように滑らか。そして何より、自分のヒーローから学べるということは最高だね。これで上達したら、きっと予選でうまく走れるし、決勝でもトップ10に入れるはずだよね。コーリンの怪我はとても残念。いつも素晴らしい走りを見せてくれていたので、モンスター・ヤマハ・テック3の全員が彼の早い回復を祈っている」
H・ポンシャラル、モンスター・ヤマハ・テック3チーム・チームマネジャー談
「コーリンは不運にも右鎖骨を骨折してしまった。とても順調な走りをみせていただけに、彼にとってもチームにとっても非常に残念なことだ。今シーズンはいつも以上に激しい戦いが展開されているなかで、コーリンは依然としてトップライダーのひとりであり、ここまでとても素晴らしいレースを見せてくれた。それなのに今日は、小さなミスからとても大きな代償を払うこととなってしまった。肩から激しく路面にたたきつけられたため、痛みの大きさが映像からもはっきり伝わってきた。今晩手術を受け、その経過を見て、数日後には復帰の時期などもわかってくるだろう。今はしっかり休養をとり、できるだけ早く回復することが大切。モンスター・ヤマハ・テック3チームのガレージに、1日も早く彼が戻ってきてくれることを期待している」