ロードレース世界選手権 MotoGP（モトGP）

RACE DATA

■大会名称：MotoGP第5戦カタルニアGP
■開催日：2011年6月4日（土）予選結果
■開催地：スペイン／カタルニア（4.727km）
■コースコンディション：ドライ
■気温：25度　■路面温度：37度
■PP：M・シモンチェリ（1分42秒413／ホンダ）

REPORT

ロレンソはフロントロウ発進

フリー・プラクティス初日は悪天候に悩まされたが、2日目の今日は晴れてドライ・コンディション。午後から行われた公式予選で、ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソとB・スピースはそれぞれ3位と4位を獲得。ロレンソはホームGPでフロントロウからのスタートを決定し、スピースは2列目につくこととなった。

天候の好転もあり、ふたりとも昨日のタイムを大きく更新。ロレンソは1秒以上短縮してトップとの差は0.315秒。スピースは2秒近くも縮めて、一時は2位まで順位を上げていた。フロントロウ獲得を目指していたが、セッション終盤でロレンソが追い上げ、スピースは4位に後退した。ロレンソとの差はわずか0.014秒。

モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローは予選6位を獲得。セッションのほとんどをマシン・セッティングにあて、おもにリアタイヤのグリップ性向上を目指した。ラップタイムでは、残り15分で1分43秒501を記録して一時は4位に浮上。その後、他のライダーたちもペースが上がり、最後の数分でクラッチローは6位に後退した。しかし常に冷静さを失わず、今回も初めて走るコースをしっかりマスターして最終的には1分43秒202まで短縮。前回に続いてセカンドロウを獲得した。3位のロレンソとの差はコンマ4秒。

一方クラッチローのチームメイト、C・エドワーズは昨日のフリー・プラクティスで右鎖骨を骨折したが、今朝バルセロナにあるデクシウス病院で手術を受けた。執刀は整形外科のなかでも手の怪我を専門とする部門のトップ、ザビエル・ミール医師とビクター・マルレ医師。プレートと7本のねじで鎖骨を固定した。エドワーズは24時間から48時間にわたって病院で経過を見ることになっているが、本人はすでに元気を取り戻しており、復帰の計画を練り始めている。しかしこの怪我によって、2003年のモトGPデビュー以来、続いてきた決勝出場の記録は141回で中断することとなった。

B・スピース選手談（予選4位/1分42秒742/ 27周）

「確かにトップからは少し離されてしまっているんだけれど、今日は何とかうまく走れたと思うよ。セクションごとのタイムは悪くないので、すべてが順調にいけばフロントロウを獲得することができたはず。結果は2列目になってしまったけれど、ポールポジションのすぐ後ろということだから、とてもいい位置。スタートをしっかり決めて、その後のいくつかのコーナーをうまく抜けられればいいと思う。マシンはとても調子が良くて、ほとんどずっと5位以内をキープしている。明日は天気も良さそうなので、決勝が楽しみ。コンスタントな速さを取り戻したいので、明日の朝、もう一度セッティング変更を行う予定。今よりもっと気分よく乗れるようになればいいな」

W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談

「ベストの結果というわけにはいかなかった。午前中のセッションは好調だったが、そのあとマシンを少し調整したら逆効果になってしまった。ホルヘはフロントロウのフィーリングがつかみにくくなっていたため、ハードにプッシュしてしまったようだ。明日までにこの問題を解決しなければならない。フロントロウを獲得できたことは良かった。それが第一に大切なことだからだ。でも今は、それよりも問題解決が重要課題になっている」

M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談

「予選結果に満足している。ベンはマシンのフィーリングが良くなって、かなり気持ち良く乗れるようになった。セッションを通じていい走りができていて、ライディングを楽しんでいる様子がよく伝わった。4位はとてもいい位置だ。チームスタッフたちもよく頑張ってくれて、ベンはマシンの挙動に満足している。そのおかげで、スムースで速く、安定した走りができるようになった。ロングランもいいペースでできた。あとは決勝用のタイヤを決めるだけというわけだ。ホルヘはフロントロウを獲得することができた。ホームコースでここに並ぶことはとても重要で、必ず好成績を目指して戦ってくれるだろう」

C・クラッチロー選手談（予選6位1分43秒202/22 周）

「今回もまたセカンドロウを獲得することができたので、十分に満足しているよ。だってこのコースもまったく初めてで経験ゼロ。そのなかで僕自身の本当の速さを証明することができたと思う。ベンは去年ここで5位だったから、僕もそれ以上を目指したけれど、6位になってしまったからと言ってがっかりするわけにはいかない。すべてはチームのおかげ。彼らが今回も本当に素晴らしい仕事をしてくれた。タイヤのグリップではまだ課題が残っているけれど、それも明日までにはきっと改善できると信じている。今はスロットルを開けるやグリップに悩まされる状態なので、もしそれを解決することができれば上位を目指していけるだろう。

速くなってくるにつれて自分のライディングスタイルを変えていかなければならないのは大変だけれど、もしもスタートで前の出ることができれば面白いレースになるだろう。第1コーナーまでが長いので、混乱を避けるためにも好スタートが重要になると思うんだ。コーリンがいないことは本当に残念。彼から学ぶことがとても多くて、とくにライン取りなど、彼のデータが大きな助けになってくれるからね。彼がチームのスタッフを通じてメッセージをくれて『のろまをやっつけるのを見たい』と激励してくれているので、彼のためにもそれを実現できるように頑張りたい」

H・ポンシャラル、モンスター・ヤマハ・テック3チーム・チームマネジャー談

「コーリンは今朝、バルセロナで手術を受けた。経過は順調ですべてがうまくいっている。昨日はかなり痛そうにしていたが、幸いなことに単純骨折だったので、早い回復が望めそう。きっとすぐにコースに戻ってきてくれるだろう。今回のことは非常に残念なことだったが、彼は既にいつもの彼に戻っている。病院ではスタッフたちとジョークを言い合って笑っているんだ。だからモンスター・ヤマハ・テック3ファミリーに戻ってくる日は遠くないと信じている。

カルのほうもとてもよく頑張っていて、最高のパフォーマンスで我々に笑顔を取り戻してくれた。初めてのコースで見せる走りは本当に素晴らしく、モトGPのトップレベルの力を証明した。とてもルーキーとは思えないような走りで、また6位を獲得できた。自信を持って決勝に臨む。そしてコーリンとチームが誇りに思えるような活躍を期待している」