ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.04 5月15日 フランス
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第4戦フランスGP
■開催日:2011年5月13日(金)初日総合結果
■開催地:フランス/ルマン(4.180km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:24度 ■路面温度:43度
REPORT
ヤマハライダー、初日を順調にスタート
輝く太陽の下、第4戦フランスGPのフリー・プラクティスがル・マンで行われた。ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソとB・スピースは、午前と午後2回のセッションをマシン・セッティングに費やし、シャシーを何度も調整し、タイヤもいくつか試して2日後の決勝に備えた。そのなかでロレンソは、午後のセッションでコンマ5秒以上タイムを短縮して5位を獲得。明日は午前中に行われるフリー・プラクティス最終セッションでマシンのコーナリング性能向上を目指し、午後からの公式予選に臨む。一方のスピースもセッティングの効果があり、セッション終盤でコンマ8秒近く縮めて10位につけた。またトップスピードでは288.9km/hに達し、この日の最速度をマークした。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・エドワーズとC・クラッチローは、チームのホームレースを順調にスタート。天候にも恵まれ、ふたりはセッティングに集中して取り組んだ。そのなかでエドワーズは午前中のタイムを1秒近く短縮。1分34秒939のベストタイムで7位を獲得した。トップ3との差はコンマ5秒。一方のクラッチローは、今回も新しいコースを素早く攻略。ハード・ブレーキングと力強い加速が求められるこのコースで、午前中のセッションではヤマハ勢2位を獲得した。第2セッションでも10位以内に残りたいところだったが、最後の3分で転倒してチャンスを逃してしまった。午前中のタイムをコンマ6秒以上も短縮していたが、総合順位は12位に留まった。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | C・スト―ナー | Repsol Honda Team | Honda | 1'33.782 |
2 | M・シモンチェリ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'34.186 |
3 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'34.431 |
4 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'34.652 |
5 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'34.659 |
6 | A・ドビツィオーゾ | Repsol Honda Team | Honda | 1'34.705 |
7 | C・エドワーズ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'34.939 |
8 | 青山博一 | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'34.959 |
9 | V・ロッシ | Ducati Team | Ducati | 1'34.966 |
10 | B・スピース | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'34.976 |
11 | R・ド・ピュニエ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'34.998 |
12 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'35.158 |
13 | L・カピロッシ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'35.383 |
14 | H・バルベラ | Mapfre Aspar Team MotoGP | Ducati | 1'35.902 |
15 | A・バウティスタ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'35.992 |
16 | T・エリアス | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'36.304 |
17 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | Ducati | 1'36.327 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(初日総合5位/1分34秒659/45周)
「前にも言ったように、今シーズンはとても厳しい戦いになると思う。ライバルの何人かが、以前よりもかなり速くなっているからね。僕らも懸命に頑張って、マシンを改善していくためにたくさんのものを試した。その甲斐あって少しずつ良くなってきているので、明日はさらに一歩前進してタイムも上げていきたい」
B・スピース選手談(初日総合10位/1分34秒976/48周)
「今日の走りにはとても満足できた。前回のエストリルはリタイアに終わってしまったけれど、今日ここを走って、いくらか自信を取り戻すことができたよ。両セッションとも非常に順調。ただ狙いの1ラップで、速いタイムを出すことができなかっただけなんだ。マシンには満足しているし、レース距離をコンスタントに走りきることができたので、明日、さらにもう少し改善できれば上位陣に追いつくことができると思う」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「第2セッションはいくらか良くなってきたが、パーフェクトと言えるところまでは、まだ来ていない。課題は旋回性。午前中よりは良くなって、ホルヘは安定性を増してスピードも少し速くなったが、彼にとってはまだまだ足りないし、我々チームも同じ気持ちでいる。コーナー進入のブレーキングは非常に順調なので、この部分は残しながらさらに一歩前進したい」
M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「課題はまだ残っているが、マシンのバランスは決して悪くない。またタイヤについては、明日の予選のためにベストのものを探していて、こちらもきっとうまくいくと信じている。ホルヘは今日1日でかなり良くなったが、もう少しマシンの軽快さがほしいところ」
C・エドワーズ選手談(初日総合7位/1分34秒939/41周)
「前回のエストリルGP翌日のテストで、たくさんのセッティング変更を行い、大きな前進があったと確信していたんだ。それが今日、実際に確認できた。エストリル後のマシンにさらに少し調整を加え、最終的には前とほとんど同じものに戻っていた。マシンのフィーリングはリアグリップが良くなっていて、僕が行きたい方向へ無理なく進んでくれる。だからライディングがとても自然な感じなんだ。このところずっと、この感覚が得られなくなってしまっていて、それを得るためにもがいてきた。でも今日はとても順調で、ラップタイムも上げることができた。
つまりセッティングに悩むことなく、どのコースへ行ってもいい走りができるし、タイムもコンスタントに記録できるということ。今日はとても満足しているけれど、マシンはもっと改善していけるはず。とくにタイト・セクションでの立ち上がりでは、もっと電子制御システムの助けを借りられるといいね。でも総合的にはとても良い状態。チームとモンスターにとってとても大切な大会なので、順調にスタートすることができて良かった」
C・クラッチロー選手談(初日総合12位/1分35秒158/42周)
「最後につまらない転倒をしてしまったけれど、それを除けばとても満足しているよ。第6コーナー進入のブレーキングで、少し熱くなりすぎてミスをしてしまった。あれさえなければコーリンの後ろの10位につけることができたのに...。しかもあのラップは、前半のふたつのセクションをベストタイムで来ていて、あの時点でベストラップからコンマ2秒遅れていただけなんだ。だからもしも後半のセクションでさらにコンマ2秒遅れたとしても6位に入ることができたはず。そう思うと12位は不本意なんだけれど、明日も今日と同じような走りができれば、10位以内は確実だと思う。
ル・マンはヘレスやエストリルよりもマスターしやすいと聞いていたけれど、僕の感覚では、コンマ1秒を縮めるのがとても難しいので、むしろ大変。それに加えてケイシーが初めからラップレコード・ペースで走っているんだから、とても厳しいよ。今日はスロットルを開けると大回りになってしまう感じだったので、これからチームスタッフと話し合って、明日までにこの問題を解決したい。チームとモンスターにとって非常に重要な大会で、今日は順調にスタートすることができたと思う。決勝ではまた10位以内を目指して戦いたい」