ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.02 4月3日 スペイン
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第2戦スペインGP
■開催日:2011年4月2日(土)予選
■開催地:スペイン/ヘレスサーキット(4.423km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:23度 ■路面温度:30度
■PP:C・スト―ナー(1分38秒757/ホンダ)
REPORT
ロレンソがフロントロウ獲得、スピースも4位
ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソとB・スピースはともに調子を上げ、公式予選でそれぞれ3位と4位を獲得。ロレンソは午前中のフリープラクティス・セッションで1分39秒682を記録。午後からはおもにグリップ力とフィーリングの向上を目指してセッティング作業を継続しながら、序盤はトップをキープ。最後の数分で3位に後退したものの、ポールポジションとの差はわずかコンマ2秒以下。1分38秒台を記録したのはトップ3台だけだった。
チームメイトのスピースは、プラクティス・セッションまではなかなかペースが上がらなかったが、予選前に行ったセッティング変更が功を奏してフロントエンドのフィーリングが向上。これで一気にタイムを上げることができた。その後コーナー進入で勢いあまって転倒を喫してそのまま走行を切り上げることになったものの、順位はロレンソのひとつ後ろの4位と健闘した。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・エドワーズとC・クラッチローは、それぞれ8位と9位。
エドワーズはフロント周りのセッティングを改良。ブレーキングとコーナリングの性能向上を目指していくつかのモディファイを行い、フロントフォークのセッティングを硬めのものにしていた。グリッド2列目にコンマ2秒差まで迫っていたが、低速の第2コーナーでフロントから転倒。幸い再スタートすることはできたが、そのままピットへ戻ることとなった。最終タイムは1分39秒895。明日はグリッド3列目の真ん中からのスタート。
一方のクラッチローも好調な走り。セッティング変更によってフロントエンドのフィーリングが格段に良くなっており、第1戦に続き今回も予選10位以内に入ることができた。午前中に行われた3回目のフリープラクティスでは、チームメイトのエドワーズやファクトリー・ヤマハのスピースを上回るタイムで7位を獲得。勢いをそのままに午後からの公式予選に臨み、1分40秒019を記録して9位となった。8位のエドワーズとの差はわずか0.124秒。ここヘレスで4時間にも満たない走行のなかで経験豊富なスターライダーたちを抑え、素早い適応能力をアピールした。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | C・スト―ナー | Repsol Honda Team | Honda | 1'38.757 |
2 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'38.915 |
3 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'38.918 |
4 | B・スピース | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'39.390 |
5 | M・シモンチェリ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'39.486 |
6 | A・ドビツィオーゾ | Repsol Honda Team | Honda | 1'39.709 |
7 | R・ド・ピュニエ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'39.892 |
8 | C・エドワーズ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'39.895 |
9 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'40.019 |
10 | 青山博一 | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'40.168 |
11 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'40.175 |
12 | V・ロッシ | Ducati Team | Ducati | 1'40.185 |
13 | H・バルベラ | Mapfre Aspar Team MotoGP | Ducati | 1'40.217 |
14 | J・ホプキンス | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'40.310 |
15 | L・カピロッシ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'40.523 |
16 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | Ducati | 1'40.601 |
17 | T・エリアス | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'41.114 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(予選3位/1分38秒918/25周)
「1周目から全力で行ったよ。それで午前中のタイムをさらに更新することができた。コース・コンディションが悪化してからタイムを上げたのは僕のほかにほんのわずかしかいなかったんだ。タイムアタックのためにソフト・コンパウンドのタイヤを履いたあとは1分38秒9という好タイムが出て、ダニとの差はほんのわずか。ケイシーからもコンマ2秒と離れていない。明日は表彰台を狙っていく。そしてチャンスがあればもちろん優勝をね!」
B・スピース選手談(予選4位/1分39秒390/23周)
「今までで最高の走りができた。昨日はかなり厳しい状態だったけれど、懸命に頑張ってくれたチームのみんなに敬意を払うよ。毎セッション、僕らは2台の異なるセッティングのマシンを用意して、適切なセッティングを探していった。そして彼らのおかげでついに、とても乗りやすいマシンになったんだ。依然として100%というわけにはいかないけれど、昨日に比べたら格段の進歩。僕はたくさんの要求をして、彼らがそれに応えてくれた。公式予選では僕が自分の仕事をする番で、少しでも上のポジションを狙っていったら、それが結果につながったんだ。ここまで来られたのは、すべてチームのおかげだよ。転倒があったが、あれはコーナー進入で僕がミスをしてしまったため。ペースを落とそうとしたけど間に合わなかった」
W・ズィーレンベルグ、チーム・マネジャー談
「今日の予選結果にはとても満足している。マシンは昨日に比べてかなり良くなっているようだ。コーナー進入とその後の旋回性が向上していて、セーフティー・マージンを残しながら速くコンスタントに走ることができるようになった。ホルヘの3位は十分に素晴らしい結果。T4セクションでコンマ3秒遅れたので、本当ならポールポジションも不可能ではなかっただろう。明日は少しでも多くポイントを獲得することが目標。今日、前進できたことをうれしく思っている」
M・メレガリ,チーム・ディレクター談
「ふたりともセッティングがうまくいって、それが走りにつながった。ホルヘはフロントロウを獲得することができたので、決勝で有利になる。ベンの4位ももちろんとてもいいポジションだ。フロントのフィーリングがつかみやすくなるようにマシンをセットアップしていったが、それが確かな成果をあげたのだ。終盤で転倒してしまったのは残念だったが、明日の決勝には何も支障はない。きっとうまくやってくれると信じている。天候が気になるところ。やはりドライ・コンディションでのレースを期待しているが、もしも雨になったとしてもしっかり対処していく」
C・エドワーズ選手談(予選8位/1分39秒895/25周)
「8位に満足することはできないけれど、僕にできることはすべてやったつもり。全力を尽くしたことを自分でわかっているから後悔はないんだ。どれだけ頑張っていたかは、セッション終盤のあの転倒からもわかってもらえるだろう。この厳しい戦いのなかで2列目に並ぼうと思ったら、リスクはつきものなのかもしれない。最速タイムが出たときの第2コーナー進入で、ついにフロントを滑らせてしまったんだ。もちろんもっと攻めて2列目を獲得したかったけれど、わずかだけど明らかな差があったのだと思う。マシン自体はフロントフォークを硬めのセッティングにしたことで、かなりフィーリングが良くなっていた。決勝で使うつもりのハード・コンパウンドをリアに履くと40秒台前半がコンスタントに出ていて、その点では満足しているよ。ソフト・コンパウンドではあまり大きな成果がなかったけれど、決勝用のセッティングはできている。厳しい戦いになることは間違いないけれど、明日が楽しみなんだ」
C・クラッチロー選手談(予選9位/1分40秒019/24周)
「まったく初めてのコースでここまでできたこと、しかもたくさんのトップライダーたちが後ろにいることを知って、僕は今とってもハッピーな気持ちだよ。午前中は7位で午後の予選は9位ということだから、昨日と比べてとても大きな前進なんだ。僕が少しでも早くモトGPマシンを乗りこなせるようにと懸命にサポートしてくれたチームのみんなのためにも、今日の結果はとてもうれしいよ。しかもハード・タイヤを履いたときのほうが走りやすかったので、明日の決勝にも不安はない。今日はフロント周りのフィーリングが良くなっていて、気持ちよく走ることができた。でもその分、リアのグリップを少し犠牲にしてしまったので、前後のバランスを追求していったらフロントのグリップをそのままにリアのフィーリングも良くなってきた。決勝での目標は10位以内。ラップタイムで見れば、カタールのときと同じようにヘイデンや青山がライバルになりそうだ。カタールでは終盤で少し離されてしまったので、今度は最後まで彼らとバトルを演じたい。どんどん自信がついてきていて、明日もきっといいレースができると思っているよ」