ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.02 4月3日 スペイン
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第2戦スペインGP
■開催日:2011年4月1日(金)初日フリー走行総合結果
■開催地:スペイン/ヘレスサーキット(4.423km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:27度 ■路面温度:42度
REPORT
ロレンソとスピース、初日総合5位、7位で終了
2011年モトGPの第2戦がスペインはヘレス・サーキットで始まり、ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソとB・スピースは、今シーズン初めてヨーロッパのコースを体験した。ディフェンディング・チャンピオンのロレンソは今日の2回のセッションをマシン・セッティングにあて、1回目は5位、2回目は3位を獲得。トップとの差は0.522秒だった。総合順位は5位。
チームメイトのスピースはセッションごとにマシンを乗り換え、フロントのフィーリングや電子制御システムが異なるふたつのセッティングを試した。順位は両セッションともに7位。午後は風が強くなり全体にペースが落ちたこともあり、スピースも1回目で記録した1分40秒887を更新することができなかった。明日はロレンソ、スピースともに、高速コーナーでのトラクション向上と素早い向き換えを目指してセッティングに取り組む。
モンスター・ヤマハ・テック3のC・エドワーズとC・クラッチローはともに順調なスタート。
エドワーズは前回のカタールでの好調をそのままに、午前中のセッションで非ファクトリー勢トップの8位を獲得。同時にマシンのコーナリング性能向上を目指してセッティング作業に取り組んだ。午後になると路面温度が20度近くも上昇したため、これに合わせたセッティング変更を行うことで貴重なデータを得ることもできた。ベストタイムは1分41秒063、総合順位は10位。
一方のクラッチローは、ヘレスは今日が初走行。持ち前のやる気と熱意でこれに取り組み、1分41秒854を記録して総合15位につけた。2009年度スーパースポーツ・チャンピオンのクラッチローは、初めて走るコースでもその隠れた才能を発揮。ほとんどの時間帯でH・バルベラ、T・エリアスといったコース・スペシャリストたちを上回っていた。コンディションが難しくなった午後のセッションで、タイムを更新した7人のうちのひとりでもある。初日でしっかりと感触をつかんだクラッチローは、今晩の作業を通じてさらに一歩前進を目指す。
今季初めてのヨーロッパ・ラウンドには約10万人の観客が詰めかけると予想されている。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | C・スト―ナー | Repsol Honda Team | Honda | 1'39.551 |
2 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'39.579 |
3 | V・ロッシ | Ducati Team | Ducati | 1'40.077 |
4 | M・シモンチェリ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'40.176 |
5 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'40.420 |
6 | A・ドビツィオーゾ | Repsol Honda Team | Honda | 1'40.429 |
7 | B・スピース | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1'40.887 |
8 | R・ド・ピュニエ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'40.982 |
9 | N・ヘイデン | Ducati Team | Ducati | 1'41.058 |
10 | C・エドワーズ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'41.063 |
11 | 青山博一 | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'41.292 |
12 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | Ducati | 1'41.304 |
13 | H・バルベラ | Mapfre Aspar Team MotoGP | Ducati | 1'41.601 |
14 | L・カピロッシ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'41.810 |
15 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'41.854 |
16 | T・エリアス | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'42.157 |
17 | J・ホプキンス | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'42.305 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(初日総合5番手/1分40秒420)
「午前中は完璧なコンディションだったけれど、午後になると風が出てきて走りにくくなってしまった。それでも最終的には3位を獲得することができたし、トップとの差も縮まったのは良かったと思う。明日はさらにマシン・セッティングを煮詰めてペースを上げていきたい。カタールでいいレースができてモチベーションが上がっているし、僕にとってここは特別なコースのひとつなので、日曜日も素晴らしい1日になるよう頑張りたい」
B・スピース選手談(初日総合7番手/1分40秒887)
「残念ながら、最高の出来というわけにはいかなかった。マシンはセッティング変更をしなければならないけれど、きっとうまくいくと信じているよ。スピードの感覚は決して悪くはないんだけれど、ハンドリングがあまりしっくりこない感じ。でも今日はまだ初日。明日も明後日の朝もあるので、決勝までには必ずいい走りができるようになるよ。このコースはM1との相性は抜群。だから僕らはただセッティングをいろいろ試しながら経過を見守るだけ。やれるだけやって、朝が来て、そしてきっと速くなるさ」
W・ズィーレンベルグ、チーム・マネジャー談
「ホルヘは午後のセッションで最終的に3位まで上がることができた。悪くない結果だと思っている。ただ、さらに上を目指すためにはまだ課題が残っていることは確かで、その点では満足はしていない。試してみたいアイディアはいくつかあって、とくにトラクションと旋回性については、明日までに何としても改善していかなければならない」
M・メレガリ、チーム・ディレクター談
「ベンのほうは、依然としてベストのマシン・セッティングを探している状態。今日はいくつかの異なるセッティングを試してみたが、2回のプラクティス・セッションを終えてまだ満足はできていない。これから2台のマシンのデータをチェックして解決策を出し、明日の午前中でその成果を試したい。
ホルヘのほうは午後は良くなってきてトップとの差も縮めることができた。でもチームはまだ満足はしていない。明日はもう一歩前進しなければならない。ホルヘもベンも、チームスタッフが必ず答を導き出し、ふたりにベストのマシンを提供できると信じている」
C・エドワーズ選手談(初日総合10番手/1分41秒063)
「旋回性向上に役立つと思われるセッティングを試してみたが、期待していたような結果が得られなかった。いくつかの箇所ではうまくいったのだけれど、別の問題が出たりもしたんだ。だから明日は、カタールで使ったものに戻していこうと思っているよ。実際のところタイムは速くなっていたんだけれど、そのペースでレース距離をコンスタントに走りきれるとは思えなかった。また、今日のもうひとつの敵が風。いつ突風にやられるかわからないような難しいコンディションだったので、常に注意を払っていなければならなかったんだ」
C・クラッチロー選手談(初日総合15番手/1分41秒854)
「自分ではコースをかなり早く覚えることができたと思っていて、午前中の走りには満足している。でも午後は、本当ならさらに前進したかったところだけれど、路面温度の上昇などで作業が増えたこともあって、あまり成果が見られなかった。上位7台が誰もタイムを更新していないことを見れば、午後のコンディションがどれほど厳しかったかがわかるだろう。そのなかで僕はちょっとだけ速くなった。つまり少しだけど進歩はあったということなんだけれど、本当はそれ以上にジャンプアップしなければいけなかったんだ。路面温度が上がったことでマシンのフィーリングもかなり変わってしまった。また風に吹かれてラインを外してしまうこともあった。フロントをもっとしっかり接地させておくことが大切だと思うので、明日はこれについていくつか試してみたい。コースの経験不足を考えれば、今日の走りには満足していいと思う。大きく離されてしまっているわけではないし、これからもっともっと良くなっていくと確信しているからね」