ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.12 9月5日 サンマリノ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第12戦サンマリノGP
■開催日:2010年9月4日(土)予選結果
■開催地:イタリア/ミサノサーキット(4.226km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:26度 ■路面温度:42度
■PP:D・ペドロサ(1分33秒948/ホンダ)
REPORT
ロレンソ予選2位、連続フロントロウ記録を更新
フィアット・ヤマハ・チームのJ・ロレンソは、開幕以来の連続フロントロウ獲得の記録を更新。チームメイトのV・ロッシは0.07秒届かず4位となった。
フリープラクティス初日はセッティングに悩んだロレンソだが、2日目の今日は問題を解決して好調を取り戻し、午前中のセッションでトップタイムを記録。午後からの公式予選でも残り8分までトップをキープしていたが、その後D・ペドロサに抜かれて2位となった。決勝用のセッティングも順調で良いペースが出ているため、明日は上位をキープして表彰台獲得を目指す。一方、昨年、一昨年と優勝を果たしているロッシ。黄色のTシャツを着た数千もの熱狂的ファンがコースわきで見守るなか、4位以内をキープして順調に走行を続け、セッション終了10分前には3位に浮上した。その後もアタックを続けてポールポジションを狙うかに見えたが、遅いマシンに阻まれてソフトタイヤを有効に使いきれず、最後にはC・ストーナーの先行を許して4位となった。決勝で使用するタイヤの最終決定がまだ残されているが、母国のファンのために見ごたえある戦いを見せようと意気込んでいる。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのB・スピースとC・エドワーズは、それぞれ5位と7位。スピースは3戦ぶりにフロントロウを逃したが、プラクティスのなかで行ったセッティングの微調整が功を奏して1分34秒472の好タイムをマーク。フロントロウ獲得まであと0.075秒、4位のロッシとの差はわずかに0.002秒だった。トップから9位までが1秒以内にひしめく接戦のなかで、スピースはノンファクトリーライダーのトップを獲得している。フロントエンドのセッティングにも手ごたえを感じており、明日は今季3回目の表彰台を目指していく。
一方のエドワーズも、先月のブルノで初めて試したフロントエンドのセッティングに自信を深めており、午前中のフリープラクティスでは4位を獲得。しかし公式予選では1分34秒782のタイムで3列目となった。セカンドロウを逃したのは12レースぶりで、その差はわずか0.031秒。明日までにさらに微調整を行い、決勝に備える。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'33.948 |
2 | J・ロレンソ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'34.256 |
3 | C・スト―ナー | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'34.397 |
4 | V・ロッシ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'34.470 |
5 | B・スピース | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'34.472 |
6 | R・ド・ピュニエ | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'34.751 |
7 | C・エドワーズ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'34.782 |
8 | A・ドビツィオーゾ | Repsol Honda Team | Honda | 1'34.826 |
9 | M・シモンチェリ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'34.934 |
10 | M・メランドリ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'35.018 |
11 | L・カピロッシ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'35.096 |
12 | H・バルベラ | Paginas Amarillas Aspar | Ducati | 1'35.259 |
13 | 青山博一 | Interwetten Honda MotoGP | Honda | 1'35.286 |
14 | N・ヘイデン | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'35.303 |
15 | A・エスパルガロ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'35.438 |
16 | A・バウティスタ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'35.629 |
17 | M・カリオ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'35.724 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(予選2位/1分34秒256/30周)
「プラクティスごとに良くなってきたし、昨日のトラブルを解決してここまで来られたことに満足しているよ。今はペースがとても速くなったから、明日の決勝も自信を持って臨むことができる。最後のタイムアタックでソフトタイヤの効果を十分に発揮しきれなかったことと、マシンが最速ではなかったことがちょっと悔やまれるけれど、コーナースピードが出ているから決勝でも上位陣について行けると思うよ。きっといいレースになる。楽しみだよ!」
W・ズィーレンベルグ、チーム監督談
「今日の結果には非常に満足している。昨日よりひとつ上がっただけだが、マシンのフィーリングと挙動の面では大きな前進だったのだ。ダニのタイムは素晴らしく、ホルヘもコンスタントに好調をキープしたもののソフトタイヤを十分に使いきれなかったために、最終的にダニを上回ることができなかった。でも決勝は1ラップだけの戦いではない。28ラップのなかで、今回もまた力強い走りを見せてくれるだろう」
V・ロッシ選手談(予選4位/1分34秒470/31周)
「フロントロウに並べていたら良かったんだけれど、今回はもう少しのところで逃してしまった。可能性は十分にあったはずだけど、残念ながら最後のアタックのときに遅い集団につかまってしまったんだ。決勝ではリアタイヤのチョイスがとても重要になるんだけど、僕らはまだ決めかねているんだ。今のところはハード・コンパウンドのほうが良さそうだと思っているんだけれど、最終決定は明日の天気を見るまで待たなければならないね。前回のインディーより涼しい分だけ、フィーリングは良くなっている。ハードブレーキングの場所ではまだ少し痛みがあるけれど、そんなにひどい状態ではなくなっているんだ。大勢のファンが応援に来てくれて、こうしてイタリアで走ることができるのはとてもいい気分。明日が楽しみで仕方がないよ。ヘルメットのデザインは僕の時間測定についてのジョークなんだ。トップのところに大きな時計を置いて、ヘルメットごとにそれぞれのセッションの時間が描かれている。だから僕は間違いなく時間通りに来ないとね!」
D・ブリビオ、チーム監督談
「フロントロウまであとわずかだったし、実際、今日のバレンティーノなら決して不可能ではなかった。しかし運の悪いことに集団につかまってしまったし、これはいつものことだが、多くのライダーが彼に引っ張ってもらおうとするためにソフトタイヤのポテンシャルを使いきれないまま終わってしまった。でも4位はそんなに悪いわけじゃない。プラクティスでは懸命に努力してきたが、決勝用のタイヤについてはまだ決めかねている。今の段階ではどちらも可能性があるからだ。データを詳しく分析してから最終的に判断したい」
B・スピース選手談(予選5位/1分34秒472/32周)
「昨晩は徹夜でセッティング変更を行ったにもかかわらず、午前中のセッションではその成果があまり見られなかった。それで公式予選の前にさらに変更を加えると、それがとても良かったらしくて大きく前進できた。そのあとはすべてが順調に運んで、いい走りができた。第1の目標、セカンドロウは達成できたけれど、やっぱりもう一度フロントロウに並びたかった。カピロッシにつかまってしまったことが悔やまれるね。あの時点では、あのラップでフロントロウのタイムが出ていたとも思わなかったからそれほど気にしなかったんだけれど、今になって考えてみれば、あれがベストラップで、うまく走り切れば3位になれていたと思うんだ。でも午前中の状況よりはずっと良くなっているし、マシンを信頼できるようになっているので、これかさらに変更を加えて決勝で力を発揮したい。とくにレース終盤で走りやすいマシンにしていかなければならないだろう。この2、3戦で自信が高まってきているので、明日も当然、トップを目指して挑戦するよ」
C・エドワーズ選手談(予選7位/1分34秒783/ 29周)
「ウイーク初日からずっとフィーリングが良かったことは、プラクティス4位という結果が証明してくれている。グリッド2列目獲得に十分のスピードがあったと思っているけれど、もうちょっとのところでドプニエが6位を奪い去ってしまったんだ。でも今週のここまでの経過には満足しているよ。今日は気温が上がったこともあってフロントをプッシュしてしまっている感じがあったんだけれど、ちょっとした調整で解決することができるし、決勝用セッティングでのペースもウイークを通じてとても良かったから不安はない。34秒台中盤を最後までキープすることができるかどうかはわからないけれど、6位以内はほぼ間違いないと思っている。去年のアクシデントを思い出して、今回はまず第1コーナーをしっかり回り、最低でも戦いのチャンスを残しておかなければならない。モンスター・ヤマハ・テック3チームの2台が6位以内に入るとすれば素晴らしいこと。もちろん可能性はあるよ!」